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武田砂鉄さんと親子対談!

フォーリンラブ・バービーがお送りするTBSラジオ「週末ノオト」。

2020年11月7日の放送には、ライターの武田砂鉄さんがご登場。

バービーさんにとって、ラジオパーソナリティーとしての父親と言っても過言ではない砂鉄さん。今回は、週末ノオト初となる13時台14時台ぶち抜きゲストとして、たっぷりとトーク。2歳差の親子対談です!

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★二人の関係

ご存じない方もいらっしゃるでしょうから、まずは2人の関係をおさらい。
TBSラジオ的には、去年8月、砂鉄さんがパーソナリティーが担当されていたACTIONに、バービーさんがゲスト出演。その出演のきっかけが、砂鉄さんが観た、日本テレビ「メレンゲの気持ち」で放送されたバービーさんの自宅映像。

テレビに映る芸能人の自宅の本棚をチェックするのがお好きな砂鉄さん、もちろんバービーさんの本棚もチェック。そこにあったのが、ジェンダーや哲学に関する本の数々。

当時はまだ、そういったことに意識を持っていることをあまり公にしていなかったバービーさん。砂鉄さんは、それが垣間見えた一瞬の映像を、ピッと一時停止しチェック。

バラエティ番組で身や心を張る姿とのギャップもあってか、バービーさんに興味を持っていただいたそうです。

バービーさん的には本棚は映して欲しくなかったそうですが、でも、砂鉄さんに見られちゃったおかげで、今日に至るいろんな可能性が実現。

そんな関係性のお話の後は、リスナーの皆さんからいただいた、2人に話して欲しいテーマでたっぷりトーク!

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★結婚しない生き方

生涯未婚率が年々高まるなか、結婚して家庭を築くべきか、それとも自分のため生きるべきか、2人から意見を聞きたいという30代女性からのトークテーマ。

このテーマを受け、「結婚」という言葉、制度、決まりきった価値観に反骨心を抱いていたというバービーさん。

砂鉄さんの著書「紋切型社会」にもありますが、例えば、結婚式。結婚式のラストは決まって両親への手紙。しかも、どの結婚式でも内容はほとんど一緒。夫婦生活が始まれば、「はやく孫の顔が見たい」といった決まりきった言葉が吸い付いてくる。まるで磁石のように。

もはや、ある種のプレイでもある結婚。その決まりごとは夫婦間だけでなく、世間の目も同じ。
夫婦の在り方は自由であるべきなのに、周りが許さないし、勝手にいろんなものを貼り付けられる。

結婚したプロ野球選手がホームランを打てば、「守るべき人ができたから」と勝手に周りが解釈。そのうえで、「自分のため。自分の努力で」と言おうものなら、きっとバッシングに。

ご結婚されている砂鉄さんですが、自分にはどんなものが貼り付けられるのかチェックしていたそうで、その中でも忘れられないのが、出版社を辞めフリーのライターになる時に掛けられた言葉。
女性の先輩からは「どんなことを書きたいの?」、男性の先輩からは「奥さんは『大丈夫』って言ってるの?」と。つまり、女性は自分のこの先に興味を抱いてくれて、男性は「奥さんがいるのになぜ?」という自分への疑問を抱いている。
「夫がこうあるべきだ」的な価値観で、個人ではなく夫婦で自分を捉えられることに、釈然としない思いを感じられたそうです。

そういった紋切り型な「結婚」が変わること、ゴリゴリのスタッツを首に付けて、ピンヒール履いて、赤ちゃんを抱く母親になっても、「なんで母親なのに」と言われない世の中なら、結婚もあり、というバービーさんでした。

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★嬉しかった褒め言葉

いい仕事をした時や認められた時、2人が言われて嬉しかった言葉というトークテーマ。

基本的に褒められるのが好きな砂鉄さん。でも直球で褒めると「褒めないで」と言ってしまいがちという砂鉄さんが言われて嬉しかった言葉は、フリーになる時に尊敬する詩人の方に言われた、「とにかく誰かがあなたのことを見てるから」という言葉。
自分が書きたいものを書いていれば、必ず誰かが評価してくれる。むやみに外に発信する必要はないという言葉が、今でもずっと残っているんだとか。

一方、バービーさん。テレビに出始めた時、「自分は誰かのためになっているんだろうか」とちょっと疑問を持ちつつあった時期に、待ち行く人に言われた「笑いをありがとう」。自分の笑いで、なにかいい作用を与えることが出来たことに感動を覚えたそうです。
ちなみに、占い師に「あなた、見える人でしょ」という言葉も嬉しかったそうです。でもそれは、「営業トークなのでは」と分析する砂鉄さん。あまりの的確さに笑うしかないバービーさんでした。

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★同調圧力について

日本社会に根深く残る「同調圧力」についてどう思うのかというトークテーマ。

「こうしなければならない」ということに、常に「なんでそれをしないといけないのか」と感じる砂鉄さん。天気予報で、「羽織るものを一枚持って行った方がいいでしょう」と言われると、「なんで羽織んないといけないんだろう」と疑問を感じるため、今日もTシャツ。

とにかく、いったん疑問を感じてしまうため、生きるのに時間がかかる。さくっと羽織れる人になれたらいいと思うところもあるそうですが、もう戻れない可能性が・・・。

学生時代から、不必要な慣例に疑問をお感じになられているようで、お笑い番組を見ていても、芸人の先輩後輩の関係性にも疑問が。
おもしろいやり取りの中で突如出る「俺の方が先輩だろ!」。そういった内々感にげんなりされてしまうんだとか・・・。

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リスナーさんからのトークテーマの後は、お互いが話したかったことに。


★ラジオとテレビ

砂鉄さんがバービーさんと話したかったことが「ラジオとテレビ」について。

あまりテレビには出演されない砂鉄さん。その理由は、30秒や1分という短い尺で、自分の意見を求められることに疑問を感じられているから。
どんな社会問題でも、その尺で答えることはできないし、真意を伝えきれていないのに、それがネット記事になり、勝手にポジションを決められる。
その点、ラジオだと自由に喋れるし、聴いてる人との距離も近い。それが砂鉄さんにとって、出演する側としてのお考え。

最近、コメンテーターとして「ひるおび」にも出ているバービーさん。その仕事について、自分の考えを述べる場というより、番組のバランスを保つ布陣のひとつ。つい、芸人としての顔・ノリが出てしまうようで、そのバランス取りが難しい。

そんなバービーさんについて、著書の中での「ゆくゆくは衣類用洗剤のCMに出たい」という記述を受け、「98%汚れが落ちる」という洗剤CMにおける、うっすら残る「2%のヨゴレ」を、ぜんぶ、しかも全面に打ち出しているのが、今のバービーさんだと分析される砂鉄さん。

芸人として、一個人としていろんな面を出しているバービーさん。いくら洗濯しても落ちないヨゴレもはっきりと見せる。それは新しい形。
ただ、バービーさんとしては全部は見せていない。もっともっと汚いと。ヨゴレのストックはたくさん!

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★ラジオと愛

バービーさんが砂鉄さんと話したかったことが「ラジオと愛」について。

砂鉄さんがパーソナリティーを務める「アシタノカレッジ」。先日、作家・金原ひとみさんがゲスト出演された回を聴いたバービーさん、淡々と攻める質問をする砂鉄さんに「そこ触れちゃうの!」と衝撃。

日頃、砂鉄さんのインタビュアーとしての取材力に憧れているバービーさん、その凄さを追求。

砂鉄さんのお考えでは、「インタビューを受ける人は基本的に飽きている」。
どんな芸能人や作家やアーティストでも、作品を発表するときは何10本もインタビューを受けていて、その多くが同じ質問。だったら、自分のラジオに来てくれた時は、崩したいと。
誰も触れていない所を刺激すれば、さらに面白くなるのでは?今まで喋ったことがないことを言ってくれるのでは?そういったお考えのもと、インタビューされているんだとか。

実際、砂鉄さんからインタビューを受けた経験のあるバービーさんが、先述の金原ひとみさんの回で衝撃を受けた質問が、「ご自身の中に破滅衝動はお有りなんですか?」。
この質問にラジオを聴いてきて、思わず「それ以上聞かないで!」と心の中で叫んでしまったそう。

そのことについて、砂鉄さんは「自分の言葉を持っている方は、その場で投げかけた時に、自分の本心がポロっと言葉が出てくる」。金原さんはそれに応えてくれる人だと、お考えになられてのこと。

この感覚は、例えば、ファミレスの雑談。本来は成り立っていないような会話でも、その場のノリで進んでいくのが気持ちいいように、ラジオも段取り通りではなく、その場の空気で話していく方が、なにかとんでもない話が引き出せるのでは?と。

そんなパーソナリティーとしての姿勢に、2歳年上の父を見習うしかないバービーさんでした。

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週末ノオト史上、最長のご出演時間でしたが、聞きたいことはまだまだ尽きず。時間が足りない!
ぜひ、娘の家にはまた遊びに来てください!

以上、2020年11月7日の「週末ノオト」、武田砂鉄さんでした!

TBSラジオ『週末ノオト』は、毎週土曜13:00-14:55放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。PCやスマートフォンでもradikoでお聴きいただけます。
■番組HP:https://www.tbsradio.jp/weekend/
■番組への投稿は...
メールアドレス:weekend@tbs.co.jp
ツイッターハッシュタグ:「 #週末ノオト

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