2020年1月の外食web検索マーケット推移
1月は全体的に検索ボリュームの落ち込みが見られます。前半もあまりよくありませんでしたが、後半に新型ウイルスのせいで、人の集まる場所へ積極的に行かなくなっている方も増えている感じがあります。体調不良の方がいた際に予約キャンセルになるケースがいつもよりも多い感じがしています。
今後の影響が心配されます。
◎1月Googleトンレドtopic
・全体的に大型宴会系ワード(新年会、宴会、パーティー)の検索ボリュームは、昨年と同程度。
(※12月同様、予約組人数は減少している店舗が多いです。)
・少人数での飲み会系ワード(『飲み放題』や『コース』)は順調に推移。
・ディナー、ランチの主要業態のワードもほぼ昨年と同程度のエリアが多かった。
(※一部新施設ができたエリアはその影響でボリューム増)
・結果、昨年と比較しての検索ボリュームは大きく変化なし、一方でグルメ媒体内での競合が増え、昨年と同額プランだと1~2ページ目への露出は減ってきている。
⇒今後もこの傾向は変わらないと思われる。既に掲載しているグルメ媒体外での露出の強化は検討しなくてはいけなくなってきている。
1.Googleトレンド推移 ワード:新年会、宴会、パーティー、飲み放題、コース(2012/1/1~2020/1/31:東京都内:フード、ドリンク)
※下記グラフ中の●は2019年1月
・もともとボリュームの大きくない『新年会』は昨年と同程度で推移。『飲み放題』『コース』は昨年対比では伸びており、その他のワードは横ばいで推移。検索のボリュームとしては昨年対比では悪くないという結果でした。
一方で月末くらいから、新型ウイルス(コロナウイルス)の影響が出てきていそうです。観光客の多いエリアへ近づかないようにする人もための検索ボリュームの減るエリアが出てきています。事態が収束するまでは影響を受けそうです。
2.Googleトレンド推移 ワード:居酒屋、イタリアン、焼肉、バル、寿司(2012/1/1~2020/1/31:東京都内:フード、ドリンク)
【上から新宿、渋谷、池袋、新橋】グラフ中の●は2018年12月
・通常エリアは、昨年と同程度のボリューム、新商業施設の出来たエリアは増加
各エリアにより傾向が分かれている。昨年対比でボリューム増の地域は、新しい商業ビル系の出来たエリアで渋谷、池袋。分かりやすいのはボリュームの多い『居酒屋』ワードで、それぞれ昨年11月(スクランブルスクウェア)、7月(キュープラザ)に新しい商業施設が出来ている。その結果、そのエリアへの流入が増え、それに乗じて検索ボリュームが戻ってきているといった要因です。
また、その検索ボリュームの伸びているエリアも新商業施設への流入が増えているだけですので、新施設近隣以外の飲食店にとっては、その検索ボリュームの増加の恩恵が得られていなかったり、導線の変化によって、そのエリアでの検索ニーズは減っていることも起きています。ただ、新施設だけで需要を満たせない事(量も質も)は多いので、その部分を狙いしっかりと露出はしていく事は重要です。
全体的なマーケットの推移は、恐らく新宿、新橋に近く、ほぼ昨年と同様のボリュームで推移していると思われます。ただ、宴会系のワードの推移を見ても、1月における大人数での団体で新年会のシーンは減っています。
実際に私のサポートしている店舗も宴会組数は昨年以上取れていても組人数の減少により、人数は昨年と同程度くらいといった所が多いです。過去に大きな団体客が取れていたお店は、その影響が大きく昨対を割っているといった所もありました。
・検索ボリュームは同程度だが、媒体への有料掲載店舗やプランアップ店舗は増え続けている為、媒体内の1ページ、2ページ目への露出回数が減少。
どのエリアでもいえる事ですが、どの媒体でも基本有料掲載やプランアップをしている店舗は増えており、必然的に1ページ目への露出の減少が起き、それに乗じてアクセス数も減少します。すでに最上位プランでの掲載をしている場合には、プランアップでの露出増は望めない状況になっています。
これは、課金媒体の歴史であり、「ぐるなび」が落ち込んだ理由でもあります。
上位プランでも表示されない。
⇒より上位のプランを媒体側が作成する=販促費があがる。
⇒UIが変わる=ユーザーからすると使いづらくなる。
⇒しかしながら上位表示されるので、アクセス数増える
⇒掲載店舗増える
⇒ユーザーからすると店舗数が多くて探しづらくなる。
⇒ユーザーが離れる
⇒アクセス数が減る=費用代効果が落ちる、掲載をやめる
⇒最初に戻る
まさしく、ユーザーの事を考えないと上記のスパイラルを繰り返しながら、どんどん使われなくなっていきます。
これらの事を考えると現状の既存媒体でのアクセス数の増加(それどころか維持することも)が難しくなりつつあることが分かるかと思います。リスク分散の観点からもグルメ媒体だけに完全依存した構造からの脱却はしていく必要があります。
先日も海外でのMediumといったブログサービスが急激にgoogleのアルゴリズム変更によってアクセス数が落ち込み、そこに依存していた企業の売上が落ちるといった事が起きていたり、弁護士.comもサイトのアクセス数が同様の現象で落ち込んだという事も起きました。SEO一辺倒でなく、店頭や自社ページ、アプリシティーやSNSへの露出といった形で多面的に行っていく事が必要となりそうです。
参考ニュース:人気ブログサービスMediumが検索トラフィック激減! ブランド構築に他社サービス依存は危険【SEO情報まとめ】
3.Googleトレンド推移 ワード:居酒屋、ご飯、ランチ、カフェ、レストラン(2012/1/1~2020/1/31:東京都内:フード、ドリンク)
※【上から新宿、渋谷、池袋、新橋】グラフ中の●は2019年1月
※2.と比較できるようにするために居酒屋を入れています。
・居酒屋系ワードと同様で基本昨年と同程度。渋谷、池袋は新施設が出来てからは伸びてはいるが、夜の業態に比べるとランチ、カフェの上昇幅は小さい。
4.その他2020年1月度検索関連TOPIC
・Googleマイビジネス
1月は、特に大きな目立った改変は行われていませんが、googleの検索アルゴリズムは色々と調整していそうです。現状、通常検索で見ているページとGoogleMapアプリから入った際に表示される内容が微妙に違っています。
mapアプリの商品情報は、通常の管理画面からいれられなく、googleが自動で取得してくるか?一般の方からの投稿で構成されています。見て頂くと商品名が空欄になっているものが多いかと思いますので、見た際に空欄であれば、商品名を入力するようにした方がいいです。(※入力はmapのアプリからしかできません。)今の所、ここの名称はgoogleに見られていそうです。
・ぐるなび&食べログ
とくに大きな動きはありませんでした。2月に決算発表がありますのでその分析につきましては、また、後程共有いたします。
・その他
・グルメサイト評価、「信頼していない」「気にしない」飲食店7割近く。信頼性低下、ツール多様化で進む〝グルメサイト離れ〟
株式会社TableCheckさんの行った調査で上記のような結果がでてきています。こういったアンケートに答えてくれるデジタルに強い層なので、実態はまだもう少し少ないとは思いますが、確実に流れとしてはこうなってきています。
・人気ブログサービスMediumが検索トラフィック激減!
上の記事でも参考ニュースとして記載していますが、googleのSEOに大きく依存した集客構造は、googleのアルゴリズム変化によって急激に落ち込む可能性をはらんでいます。何かに一つに依存するのではなく、常に次の変化にも対応できるような体制にしていく事が必要です。
現状短期的には、成果が上がらないかもしれませんが、情報収集のツールの一つとして徐々に機能し始めていることから、SNS系に関しても種をまいておく必要があると個人的には思います。
・今後のデジタル広告に影響を与えそうな『クッキー』の規制
昨年の5月くらいから話題に放っていますが、今度のデジタル広告に影響をあたえそうなので、参考までに取り上げておきます。googleは広告企業なので、2年間の猶予期間をもって対応しているようですが、appleはすでにさsafariにおいてクッキーの働きを制限しています。現状、facebookなどで有効なターゲティング広告もこの先、個人のデータ取得が制限されていく可能性もあり、push型の広告だけでなく、pull型で認知してもらえるような仕組みも準備がしておくことが必要かもしれません。
参考ニュース:クッキー規制はどうなる? 「アドテク」がわかるまとめ記事
5.Googleトレンド 飲食関連ワード推移(東京以外)
参考:主要エリアのGoogleトレンド推移の資料も添付しておきます。
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