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「就活の軸って必要?」

こんにちは、亀じぃです。
就活虎の巻も第五回になりました。
まだまだ駆け出しのブログですが、少しずつ読んで下さる方も増えてきてとても嬉しく思っています。数ある就活ブログのなかで私の記事を訪れて頂けることは本当にありがたいことだなあと感じています。
さて、今回は「就活の軸って必要?」というテーマでお話をしていこうと思います。

◆就活あるある「就活の軸大事説」
「就職活動では自分自身の軸が大事」
就活をしているとどこかで一度は耳にする(むしろ繰り返し耳にする)言葉ではないかと思います。
これから志望する企業や職種を定めるにあたって、自分自身の軸をしっかりと定めることが重要ですよ、とよく言われますよね。
たしかにその場で話を聞くと、ふむふむともっともらしく感じるかもしれません。
ですが、いざ自分のなかで考え出すと「就活の軸ってなんだろう?」と思いませんか?
私自身も就活中はこの「軸」という言葉に悩みました。
就活を終えた先輩が主催する就活サークルなるものに参加すると「キミの軸ってなに?」とか偉そうに話す人がいて「アンタの軸はなんだよ!?」などと内心ヤケになったこともありました。
「就活の軸」とはなんでしょうか?そしてそれは本当に必要なものなのでしょうか?
今日はこの点について私なりに思うことを書いていきたいと思います。

◆軸探しの旅に出る
「就活の軸」という言葉、あたかも世の中誰もが持ち合わせているかのように当たり前に飛び交っています。まるで、就活の場では自分の軸を持っていないものは土俵にすら上がれんぞ!とばかりに至るところで纏わりついてくる言葉です。
私自身、たしかに大事そうだけど、なんだか自分の「核心」をえぐってくるような、そんな重りのような存在だなと時に苦しくもなったことがありました。
これから就活戦線で戦う周りのライバル達はどんな「軸」を引っ提げているのだろう。
そう思うと自分も確固たる軸を見出さなくては!と焦りを感じたものです。
そしてこの就活の軸ということを意識するようになってから、私は「軸は探しの旅」に出ました。
自己分析としてこれまでの人生を振り返ると「軸」と呼べる何か行き着くのではないか。
そんな思いで就活本にある自己分析テンプレートをもとに修行僧のように自分の人生を振り返っては書き出すという作業を行っていた時期がありました。
そして自己分析を重ねたのち、どんな軸が見つかったかというと、、、
就活の軸なんて見つかりませんでした。
軸探しの旅は単なる放浪に終わったのです。

◆「就活の軸」に支配される
軸探しの旅を終えた私は途方に暮れました。
就職活動を続けるうえで自分の軸を聞かれたらなんと答えたらいいのだろうか…?
そんな時期に模擬面接の場で話をしていた学生はこんなことを言っていました。
「私の軸は『人』と『自己成長』です」
「これまでの人生で人と関わりながら誰かの役に立ち信頼を獲得した時に喜びを感じてきました。また、常に自己成長をモットーに様々な経験を積んできました」
「社会人になっても会社や商品で選んでもらうというより『あなただから』という理由で選ばれる、そんな人間力で勝負したいと思っています。そしてそのために自己成長できる環境で貢献していきたいと思っています」

過去、現在、将来となんと一本筋の通った「軸」なんだろう。その時はそんな尊敬の気持ちになりました。
そしてその手法を取り入れようと思いました。
しかし、自分のなかでいくら考えても別の自分がこう投げかけてきます。
「それ、本当に心の底からそう思ってる?」
そうなんです。自分のなかで思い浮かぶ「軸」なるものはあくまで就職活動において、良く言えば「綺麗な」悪く言えば「取り繕った」ストーリーばかりでした。
そんな薄っぺらい軸なんて自問自答を繰り返せば簡単にへし折られてしまいます。
そんな骨のない軸は面接官には見抜かれてしまうのは当然です。
何より薄皮を纏う自分にGoサインを出すことができませんでした。
その結果、私はこんなことを思いました。
「軸なんていらね」

◆将来なりたい自分とは
考えてみれば、就職活動の目的は意中の企業から内定を得ることなのです。
その目的さえ達成すれば立派な軸があろうがなかろうが関係のない話なのです。
一方で私自身は自分の将来をこんな人生にしていきたい、という想いはありました。
「大きな仕事に携わりたい」「成長を実感したい」「経済的に豊かでありたい」「時間にゆとりを持ちたい」「精神的にゆとりを持ちたい」
そうです、前回の話で触れた「豊かな人生とは?」という問いに対する私なりの定義です。
そこには自己分析で一生懸命振り返った「過去の自分」の思考や傾向はありません。あくまでイメージする将来像であり、ざっくりとした想像でもありました。
でも、当時はそのためにどのような会社や職種を志望するか、そんな思考回路で就職活動を進め、企業選定を行っていきました。
そしてそこでの自分なりの選択肢が「大手企業」への就職でした。

◆「就活の軸」≠「人生の軸」
始めに挙げたのは「就活の軸とは何なのか?」そして「その軸は必要なのか?」という議題でした。
それに対する私なりの考えは「就活の軸とは結局なんだか分からない(定義は曖昧)」そして「就活の軸は必ずしも必要はない」ということです。
その替わり一つ大事だと思うことがあります。それは「人生の軸」です。
軸と言っても大層なものではありません。「どんな人生を歩んでいきたいのかを考える」ということだと思っています。
私の場合は以下の点が自分の人生で大切な価値観でした。
(第四回でもう少し詳しく解説しています)
「大きな仕事に携わりたい」
「成長を実感したい」
「経済的に豊かでありたい」
「時間にゆとりを持ちたい」
「精神的にゆとりを持ちたい」

どうでしょうか。大して立派なビジョンでも軸と言える代物でもないかもしれません。
ただ、一つ言えることがあります。
これは心からのそう思うことであり、自分自身への偽りは一切ありません。
これこそが自分のなかに秘める確固たる想いであるといまでも思っています。

◆抽象的だからいい
上記の価値観、なんだか抽象的だと思いますよね。
私自身でもそう感じています。
ですが、この抽象的であることが私は大事だと思っています。
たとえば、人生で成し遂げたいこととして「大企業に入社して20代で海外駐在を経験し、同期最速で出世、経営層まで登り詰める」
ということを目標に定めるとします。
会社に入社し、希望の配属先が叶い、駐在経験できる保証はあるでしょうか?
出世は実力もさることながらタイミングや人脈、時に運も伴います。本当に出世レースを勝ち抜くことができるのでしょうか?
これらは自分自身でコントロールが効きません。
具体的にイメージをすればするほど、不確定な要素は高まっていきます。
そもそも、たった10年前の自分が現在の自分を想像できていたかというとほとんどの人がNoだと思うのです。

では、もし具体的に固めた自分の将来設計から路線が逸脱した時に、道しるべとなるものや新たなモチベーションとなる拠り所は確保できるのでしょうか?
そういうことを考えると、将来像というものはやや抽象的であった方が自分自身の方向を見失うことなく進むことができるのではないかと思うわけです。

◆「就活の軸」を捨ててからの私
就活の話に戻しましょう。
私はいわゆる「就活の軸」というものは早々に捨てました。
そもそも過去の体験から現在、将来に繋がる軸というものは成立しなかったからです。
また、もう一つ理由があります。「就活はゴールではなく、自分の歩みたい人生の一つの手段」であるからです。
ですから「就活の軸」というどこか就活が一つのゴールとなるような考え方は取っ払うようにしました。
一方で「人生において大切な価値観」は大切にしました。
「大きな仕事に携わりたい」
「成長を実感したい」
「経済的に豊かでありたい」
「時間にゆとりを持ちたい」
「精神的にゆとりを持ちたい」

これを人生の軸と捉えた時に、どのような職種、企業選択を行うべきか、ということが次に考えたことです。
その結果、私は現在の勤め先を第一志望と定めました。
ここまでの過程を論理的に整理すると、
豊かな人生を歩むための大切な価値観
⇒それを実現するための職業選択

この段階です。
では、次は何を考えるでしょうか?
「どうすればその会社に入れるか」です。
そこで私は大手企業の面接を勝ち抜くための具体的な方法を徹底的に考えることに集中しました。この段階では自己分析など関係ありません。ただただ、どうすればその会社に入れるかを考え、準備を行いました。
そこで行き着いたのが「就活における自分自身のポジショニングの明確化」と「ポジショニングを理解したうえでの具体的な戦略」でした。
この話は第一回で触れているのと、今後具体的にその考え方を説明していきたいと思っています。
このようにして「就活の軸」から解放された私は就活でのステップを歩んでいきました。

豊かな人生を歩むための大切な価値観
⇒それを実現するための職業選択
 ⇒入社するための具体的戦略

改めてまとめると
このように整理することができます。
勘の良い方は気が付くかもしれません。
これ、いわゆる「就活の軸」を持ち合わせていた場合と同じ仕組みだと思うんです。
違いがあるとすれば以下ではないでしょうか?
・未来志向で人生の価値観を考える
・自分自身の本音を大切にしている

このように考えると、「就活の軸」という言葉に踊らされ、過去・現在・将来の一貫性を持たせる作業などあまり重要ではないのだと感じますし、何より自分自身を偽って綺麗な軸を形成する必要もないのではないかと感じています。
そこで就職活動で「軸」という言葉に悩んだら、ぜひ以下を考えてみてくださいね。
「どんな人生を歩みたいのか」
・未来志向で人生の価値観を考える
 ・抽象的な将来像を考える
 ・本音を大切にする

◆最後に
今回は「就活の軸」というテーマで記事を書いてみました。
私自身も執筆しながら就活時代に抱いていた気持ちを再度振り返る機会になり、また先の将来を見据える機会にもなるように感じました。
価値観は人それぞれ異なると思います。
そしてそれは誰かに叩き込まれるものでも強制されるものでもありません。
自分自身の価値観を大切にしながら、何歳になっても目指すものに向かって励んでいきたいものですね。
では、今回もお読み頂きありがとうございました!

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