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最強のマーケター(日経ビジネス2021.10.18)

マーケティングが流行っているような気がする昨今。なんでもかんでもマーケティングって言っておけばいいや、みたいな風潮を感じるのですが、別に新しい言葉でもなんでもなくて、売るためにどうするのかって話ですよね。

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今回の記事では、各社のマーケティング成功事例について書かれていました。以下記事より。

・サントリー
ハイボールを流行させ一大市場を築いたり、水の市場を作ったりと、マーケティングには定評があるサントリー。いまはジンを広めるために奮闘しているようです。マーケティングを成功させる法則が同社の中にはあるようで、1.お客様視点 2.飲用時品質 3.三位一体活動 だそうです。お客の視点に立ち、飲み物は安全でおいしくあるもの、そして酒屋や居酒屋などと一緒に作っていく、という意味らしいです。

・ワークマン
過酷ファッションショーというのが面白かったです。雨風暴風などの悪状況の中、モデルがランウェイを歩くショー。ワークマンの機能の高さを若い層にうまくPRできたとか。また、ワークマンプラスという新店舗も出店。ただもの自体はそれまでのワークマンのものなのですが、見せ方をファミリーや若い一般層向けにしたことで、売上が全然かわったようです。

・大塚製薬
ポカリスエットを売り始めたときに、そういう市場はなかった。まずはポカリを知ってもらうために、その効用をより理解できるスポーツ施設・サウナなど「水分が失われる生活シーン」に狙いを絞ったのがうまくいったみたい。

・Amazon
膨大なデータを活かし、顧客が商品を見つけて買うまでの流れを一本化した「フルファネルマーケティング」という手法で成果を上げている。

・P&G
「顧客はボスである」という標語を掲げ、顧客のニーズを最優先に考える。

・オイシックス・ラ・大地
「顧客推奨度」という、顧客が人に勧めたいかを数値化したものを活用。

ここから思ったのは、いつの時代も
「顧客視点」は絶対だ
ということ。
結局買うお客さんがすべてなんですよね。何をやるにしても。その手法が色々あるだけで、最後はお客さんのニーズですよ。
これを忘れてしまうと非常によろしくない。
マーケティングが流行っていますが、ぶっちゃけなにをやってもいいと思います。ターゲットとするお客さんのニーズにあっていれば。あっていなければ、どんなにかっこいいことをやっても意味がない。
クリエイティブを高めるのもいいし、逆に敢えて下げるということも大事。マーケティングの手法自体はすべて「正解」なんです。
そこに気が付かないと、手法ばかり追いかけていって、結果がついてこないでしょう。
そのためにしっかりとターゲティングしましょうよ、ペルソナ作りましょうとかなってきて、いやいや、その前に将来のビジョンを決めましょうよ。会社はどこに向かっていくんですか?どの市場で戦い、市場を作り、顧客を創造するですか?という経営に踏み込んでいくことになるでしょう。その戦略部分がしっかりできないと、いくらマーケティングを頑張ってもなんにも意味ないですよね。お客さんを見つめるということは、すべてを見つめ直すということなんですね。なんだか深い。

そもそもマーケティングする上で、まずはお客さんのニーズがないといけないですよね。僕が会社でやってきていることって、実はお客さんのニーズにただただ答え続けた結果でしかないと思っています。逆にお客さんのニーズがなくて、自分がやりたいことをやったものはだいたい消えていきました。昔映画をビジネスにしたくて、簡易的に映画を作ります、って事業をやったんですが、これは売れなかった。商品自体は良かったと思うんですが、ニーズが地方にはなかったんですね。ただニーズがないからといってダメだというと、そうではなくて、市場を無理やり作っていくというやりかたもあります。その体力と情熱が続くかも大きな要素で、わずかな売上と、広げていくぞという気力体力が相まっていれば、少しずつでも市場は拡大していくと思っています。それがいま自社で一番の事業になっている「謎解き」かなと。これはニーズは少しながらあり、ただ地方でやるにはそこまで大きな市場がない。だけど、細かいニーズを拾っていって、残りの仕事は広告制作業でつないでいったところ、市場がどんどん拡大していき、その流れに乗ることができたんです。
だから新しいビジネスをやる上で大事なのが、「ニーズがあること(少しでも)」と「継続すること」かなと思いました。
まぁ結局ニーズってめっちゃ大事。だからニーズを拾い集める仕組みが必要だなぁと思って、さっそく会社の全体Slackに「顧客ニーズBox」というものを作りました。ここに細かいニーズをどんどん書き込んでいくんですが、まだ誰も書いてない…笑 もっとニーズを拾い上げる仕組みが必要そうです(アンケートで拾うとか、直接聞くとか)。
あ、ただ、ここで注意しなきゃいけないのは、ニーズが100%正解ではない、ということ。お客のニーズが大事だといって、例えば飲食店でお客様アンケートを取って、こんなものが食べたい、店内にこんな物があったらいいとか色々入れていったせいで、何の特徴もないつまらない店になることがあります。つまりニーズも自分の戦略に合わせて取捨選択が必要だということ。これをしないと、どんどんコモディティ化していくので注意です。
お客様言っているから正しいかもしれないけど、それは僕らが行きたい方向じゃないから却下します。この姿勢を持ち続けないといけないです。

あと記事を読んで思ったのは、結局消費をする人って考えているようで考えてない、考えていないようで考えているって感じ。つまり「感覚的」なんです。ワークマンの事例なんかまさにそうで、売り方を変えただけで商品がうれるようになったと。それって、「あ、私っぽいな」とその人の感覚に反応したから響いたんですよね。買いたい・買いたくないってすごく感覚的だなと。そこからアイディアを伸ばすと、「エモメーター」って作れないかなと。これはエモーショナルかどうかを数値化する仕組み。エモいって言葉、すごく感覚的じゃないですか。可愛いもそうだけど。でもなんとなく分かる。それが数値で表されて、さらにその数値に意味があるとめっちゃ面白いなと。70のエモさの人はこの絵をだいたい買う、とかね。エモさを基準にするって視点、面白いと思いませんか?

■これからくるマーケティング5大キーワード

・エシカル消費
環境や人権に配慮された商品・サービスが今後も注目される
・脱癒やし
鬼滅の刃のヒットの背景には、コロナ禍の刺激が少なくなった日常からの反動だとか(ほんとか?)。これからは刺激を求めていくらしい。
・可処分思考
「考えること」も節約する時代になる。AIがなんでも判断するようになると。(人間生きる意味って?)
・ニューロマーケティング
消費者の心理的反応を収集・分析する。つまりは深層心理を読み解く。
・ZMOT
「Zero Moment Of Truths(第0の真実)」。買うものはネットで調べて決まっていて、店に来た時点で売り込むのは古いという考え方。

こちらも記事にありました。
どれも正しいというよりも、そういう風なこと言ってるんだ、ふーんって視点で見ていくほうがよろしいかと。
「脱癒やし」なんか全然ピンとこないし笑。そもそもコロナ前までは「癒やしビジネス」が今後10年来るって言われていましたから。いきなりコロナになったとは言え、そんなに変わるかね…? 刺激だから鬼滅の刃っていうのも安直すぎる気がするし。
ただ、いずれもAIの力を使っていく流れになりそうですね。だからAmazonとか強いのかなぁ。もはや人間の行動なんて、所詮はただの動物で、ほとんど無意識で行動しているんですよね。さっきの感覚の話じゃないけど。だからきっとテクノロジーの力で数値化したり、この人にはこの広告を打っておけばいいよ、なんて簡単にできちゃうんでしょうね。実際、今のSNS広告はそういう仕組らしいですからね。SNS広告に出稿すると、勝手にAIがターゲットを絞っていって、学習すると最終的に狙いたい人にしか広告を打たなくなるみたいです。そう思うと、もうマーケターなんかいらねーじゃんって思いますよね笑 あれ、この記事のラストが、マーケター不要論になってしまったぞ笑
マーケターというよりも、その前を担う戦略家が重要ですよね。市場を見極め、どの場所なら勝てるかを見極める。これはまだ人間にしかできない、と信じたい。

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