O型は新型コロナにかかりにくいのか? ー情報劣化社会のこと。

 血液型がO型の人は、新型コロナウイルスにかかりにくい、なんて情報がツイッターのトレンドに上がっていた。タイムライン上でもいくつかのニュース記事がシェアされており、そのインプレッションも高い。

 O型の人で新型コロナウイルスの感染が少ないという知見は、既にいくつかの文献報告がある。しかし現段階ではプレプリント情報であり、学術情報としての妥当性については注意が必要だ。

 COVID-19に関する医療・健康情報をここ数か月にわたり注視していて感じるのは、メディアから流される情報内容の質の低さである。もちろん、エビデンスに基づいた質の高い情報も広く拡散されていることは理解しているが、情報全体から見れば少数であろう。そもそもエビデンスたる論文情報ですら、その質は劣化しているように思えてしまう。

 たとえ、エビデンスに基づいていたとしても、目の前の情報が真実を表現しているのかどうか、その妥当性を判断することさえもままならないほどに情報であふれかえっている。新型コロナウイルスがもたらしたもう一つの禍は、情報過多がもたらした情報劣化社会とでもいうべきものかもしれない。

 血液型の人口分布をみてみると、O型の多い地域は南米やアフリカ諸国のようだ。そして今現在において新型コロナウイルスの感染が拡大している地域は南米やアフリカである。血液型と感染リスクに関連性があるのか、現時点では明確ではないと考えたほうが無難かもしれない。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?