見出し画像

おばけISO

ISOマネジメントシステムやエコアクション21(EA21)のマネジメントシステムをいったん構築してしまうと部分的な修復はできても導入時の想い入れ(目的)を満たすように修正できないでいる企業が多い。

形骸化したISO、EA21は「おばけISO」

気が付けば、経営改善の道具とは別物になり、担当者のみが審査機関の中間審査や更新審査の対応に追われ、各部門担当者もISOのための仕事なので「めんどうくさい」と思っている。いや、必要だというのは営業部門だけという。

金縛り状態を「おばけISO」と呼んでいる。

登録件数よりも取り下げ件数が多い

ISO9001,ISO14001、EA21の登録認証件数の推移をみると明らかである。制度ができた直後の登録件数はうなぎ上りに増えるが、約10年のピークを過ぎると登録件数よりも取り下げ件数が増えという事実がある。

10年位前、ISO9001認証、その後ISO14001を認証した。当時、全社員及び利害関係者をホテルに集め盛大な認証報告会を行ったが、それから8年後ISO14001を返上、ホームページの沿革を見ても返上記録がない、なぜ返上したかもわからない、しかし、審査機関の登録認証の写しは消されていた。

また、EA21の認証企業(11年前認証)で企業名の看板の横には「エコアクション21認証企業」を表記されている。経営者からISO9001を認証しているからEA21を取り下げたいと相談を受けた。

過去の仕組みを捨て、再構築する

大手企業では当たり前にSDGsをベースにした企業経営をしている。このような企業環境の変化からも環境課題、社会課題を配慮しない経済活動は、社会的責任は果たせない、というビジネスリスクから経営者は再構築を決意した。

ISO9001を含めたEA21のマネジメントシステムを見直し、過去のしくみを捨て、1ケ月で再構築した。まず、プロセスを明確にし、もともとの目的(理念、方針、目標)とプロセスの関連を整理し、EA21再編成を成し遂げた。

マネジメントシステムの見直しチャンス?

ISOやEA21のマネジメントシステムを構築する時、今の「日常業務(本来業務)がISOやEA21そのものである」、「経営とマネジメントシステムを直結させることが形骸化を防ぐ」と決めることがスリムなマネジメントシステムをつくるコツである。

コロナ渦でマネメントシステムの見直しや社員のマネジメント教育のチャンスと捉えている企業もある。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?