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ワインの添加物

今日は食品安全委員会でした。毎週火曜日の午後2時から会議をしています。委員は全部で7名。日本で牛海綿状脳症BSE(通称:狂牛病)の牛が発見され、社会問題となりました。もう20年も昔のことになります。クロイツフェルトヤコブ病(CJD)を発症するリスクは、全国民の1人に満たない人数でしたが、牛の全頭検査をすることになりました。そして、リスク管理機関と、どの程度のリスクがあるのかを評価するリスク評価機関は分離すべきということになりました。リスク評価機関として独立してできたのが、内閣府食品安全委員会です。委員会の下には専門調査会やワーキンググループがあり、約250名の全国の研究者、専門家にご協力いただきながらリスク評価をしています。あ、今のところ2期目で委員(非常勤)をしています。特別職公務員の立場です。

*ひとつお役所ができると何かがつぶれます。食糧庁がなくなりました。

今日ご紹介するのは、なぜか最近よく諮問されるワインの添加物です。ワインの添加物について添加物評価書(案)が2つできてきました。「ポリビニルイミダゾールポリビニルピロリドン共重合体」と「亜硫酸水素アンモニウム水」です。化学が苦手というひとには、受け入れられそうにもない名前です。前者は、ろ過助剤、後者は発酵助成剤、保存料、酸化防止剤です。

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ポリビニルイミダゾールポリビニルピロリドン共重合体

日本ではこれまで使用が認められていません。

諸外国はというと、米国は「ビールやワインを含むアルコール飲料から重金属イオン及び硫化物を除去する目的で100Lあたり80gをこえない範囲での使用が認められている」そうです。重金属を除去してくれる、優れものです。

EUでは「ブドウ、マスト及びワインに対して、銅、鉄及び重金属を除去する目的で、500mg/Lまでの知欧が認められている」

オーストラリア及びニュージーランドでは「ワイン、発泡ワイン及び強化ワインについては、脱色剤、清澄剤、ろ過剤、吸収剤としての目的で適正製造規範(GMP)下での使用が認められている」オーストラリアでは「加工助剤として認められている」

え?私、ワイン大好き。よく飲んでます。

日本では、輸入食品において日本で認められていない農薬や添加物が使われている場合には、リスク評価を行ってからでないと輸入できないことになっています。これまで輸入されていたワインにまったく使われていない?まさかね?と、みんなルール守ろうよねという気分になったのでした。これから日本ワインでも使うのかしら。ワインと重金属か・・・とワインの畑の土に含まれる成分なんだろうなぁ。自然派もよいけど、除去できるなら除去してもらいたい(私の意見)。

評価書の説明うまくできるかわからないけど、次回は、ワインの評価書読みくだいて説明にチャレンジしようと思います。

今日のお弁当(写真)、おいしかったです。

【ご参考までに】厚生労働省HP 牛海綿状脳症(BSE)についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/bse/index.html

内閣府食品安全委員会HP https://www.fsc.go.jp/iinkai/

内閣府食品安全委員会HP 第794回食品安全委員会資料https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20201020fsc

#ワイン #食品添加物 #食品 #内閣府食品安全委員会  

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