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元メーカー勤務アラフィフ海外営業マンが大型トラックドライバーに転身しました②(#独り立ち)

大型トラックドライバー職に転身して1ヶ月強。
このたび無事研修期間を終え、独り立ちの日を迎えることになった。

先日書いたnoteでは入社後最初の週の経緯や感じたことを書いたが、今回はそれから先、独り立ちに至るまでにやったことを記録に残しておきたい。
この世界に興味があったり、私同様に転身を考えている無謀な皆様にとって参考になれば幸いだ。


デビュー2週目:巻き込み事故怖すぎ

入社2週目の流れは、こんな感じ。

【6日目】座学(大型トラックの基本)
【7日目】座学(ドラレコ指導中心)
【8日目】座学&実車指導
【9日目】添乗指導
【10日目】添乗指導

約2週間弱にわたって上司・先輩社員を乗せての添乗指導を延べ20時間ほどこなした。結果「かなり安定感がある運転で、問題無し」との評。
そりゃー、納品時間に追われずゆっくり慎重に走ったら誰でも出来るわな。

この会社では研修期間中の給料が1日あたり1万円ちょい、通常の2/3くらいしか出ない。出来るだけ最速で研修を終え独り立ちしないと生計を立てる上で少々辛いものがある。

こちらの会社では、研修期間において座学が3日間と、それなりの時間が確保されている。前回noteに書いた通り、安全に対して非常に神経質な会社だ。ドラレコ指導では実際の社員による運転動画(トラックの前後左右、キャビン内にカメラが設置されている)を見ながら、どんなシーンが危ないかを繰り返し説明された。

Youtubeもそうだが、リアルな事故動画はやはりインパクトがある。交差点左折巻き込みで自転車に乗った被害者にまともに乗り上げ、内臓破裂&大腿部骨折に至らしめてしまったなどという大事故を見ると否が応でも曲がる時の怖さを再認識する。

中小企業の多い運送業界、このあたりの指導をする余裕はなかなか無いのかもしれない。人手不足だったりノウハウを教えられる体制になかったり。同時期に入った同僚も「前職は入社後即、横乗りだったよ」と言っていた。

当然ながら会社で保険に入ってはいる。が、物損事故を起こすと被害額に対して免責分(※私が入った会社は10万円)を給与から天引きされる決まり。だがお金より何より、人を傷つけるというのは大変なこと。安全運転のため「過剰なまでに神経質、臆病」これが一番。慢心ダメ、絶対。

デビュー3週目:超ストレスフリー

ここまでの2週間でトラックの運転レベル自体を見るステップを終え、3週目からは先輩社員と共に、実際に荷物を積み&運ぶにあたってのアレコレを学ぶ「業務添乗」が始まった。
最初に就いたのは、とある超大手雑貨チェーン店向けの配送だ。

基本的には朝イチで配送センターで荷物を積み込み、その後幾つかの店舗を回って荷降ろしする流れなのだが、日によって量やルートが変わるため出社時間は不定。しかしめちゃくちゃ朝が早い。その分終わるのも午後2~4時頃なんだけど。

【11日目】AM04:30出社
(積み込み2回、降ろし5カ所)
【12日目】AM09:00出社
(積み込み1回、降ろし1カ所)
【13日目】AM05:45出社
(積み込み2回、降ろし2カ所)
【14日目】AM06:00出社
(積み込み2回、降ろし4カ所)
【15日目】AM06:00出社
(積み込み1回、降ろし4カ所)

このルートの場合、トラックへの積み込みは「バラ積み」商品の形・大きさが1つ1つ全然違うので、荷台上で倉庫番みたく最も効率いい積み込み方を考えながら自分の手で荷台に詰めていく。しっかり入れ切らないとセンターを出発出来ないからなかなか大変。腰よりとにかく手が痛い。

でも、慣れるとめちゃくちゃ単純な仕事だ。
無心で荷物を右から左へ移していく。
お世辞抜きでノンストレスすぎて笑える。

唯一のストレスといえば、同僚(20代・♂)と二人きりキャビンで過ごす運転中の時間か。仕事の話はするのだけどとにかく雑談が続かず空気が重い。「まぁ、今だけの我慢だから」と、時間が過ぎるのを待った。

デビュー4週目:FLの資格ゲット!

大型トラックに乗る上でフォークリフト(FL)は必須科目。自分でパレットをトラックに積み込まなければならない機会が多いからだ(逆に、自分で積み込んだ方が安心らしいのだけど)

あいにく私はその資格を持っていなかったので、近所の外部機関でFLの技能講習を受けた。期間は丸4日間(1日座学+3日実技)普通自動車免許を持っている場合のコース費用は42,000円で、全額会社負担。トラック職に限らず現場における実用性の高い資格として取っておいて損はないだろう。

【16日目】座学(筆記テスト含む)
【17日目】実技
【18日目】実技
【19日目】実技(走行テスト含む)

人生初のFL。なんせ後輪操舵に慣れていないので真っすぐ走らせるのも一苦労。最初は後輪の向きを確認しながらおそるおそる走る。

この講習、実技で3日もの長い時間が取られている。これは法律で規定されているそうなのだけど、実際は受講者10人で1台の車両を使って行われる。よって90%は「待ち時間」という実態。それってどうなん?
更に言うとこの待ち時間の長さが何気にしんどい。講習中はスマホ禁止ゆえ時間潰しもままならず、ひたすら他の受講者の走行を眺めるだけ。

待ち疲れの3日間だったが、最終日に制限時間8分間の走行テストをパスし、修了証をゲット。はー、やれやれ。

デビュー5週目:ドラッグストアの闇

この週では新たに、某大手ドラッグストアチェーン向けの業務を学んだ。

前述の雑貨チェーン店とは一転、午後3時に出社し、日付が変わる深夜に帰社する夜シフトだ。出社時間は同じで配送先(2~3店舗)も毎日固定なのだけれど、終わる時間がバラバラ。

【21日目】PM11:15退社
(積み込み2回、降ろし2カ所)
【22日目】AM00:30退社
(積み込み2回、降ろし2カ所)
【23日目】AM01:20退社
(積み込み2回、降ろし2カ所)
【24日目】AM00:40退社
(積み込み2回、降ろし2カ所)
【25日目】PM11:45退社
(積み込み2回、降ろし2カ所)

ここの仕事、とにかく物流センターで無駄な時間が掛かり過ぎだ。荷量が確定して出荷指示が出るまで積み込みが出来ず、それまでドライバーは構内で待っていなければならない。いわゆる「待機時間」ってやつ。ちなみにこの週の最長は約3時間。
そのぶん出社時間を遅くさせてくれればいいのだけど、稀に指示が早く出ることがあってその時に構内に居ないとクレームになるらしい。おいおい、理不尽やんけ。

さて、このルートでは「カゴ車」と呼ばれる台車を使って荷物を運ぶ。バラ積みと違って手で積む必要はないのだけど、ここのチェーン店は荷物の積み込み方が乱雑な上に落下等で商品を傷つけてしまった場合ドライバーが買い取らなければならないという厳しい慣習がある(※上限3万円。それ以上は会社負担)おいおい、理不尽やんけ(2回目)

カゴ車は重たくて前後左右に動かし辛いし、これはこれで大変な業務ではある。バラ積みの力仕事を取るか、カゴ積みの神経戦を取るか。

トラック乗車の「副次効果」

ところで、大型トラックに乗り始めてからというもの、普段自家乗用車に乗る時の運転も少し丁寧になってきた気がする。

  • 横断歩道で歩行者・自転車を見かけたら一時停止、優先させる

  • 交差点への進入にあたっては、十分減速し、周囲の状況を徹底的に確認しつつ、ゆっくり曲がる

  • 交差点に入る手前から横断歩道の信号を確認する(黄色になるタイミングを早めに察知し、停止準備するため)

  • 車間距離を常に1台分以上あける

  • 割り込み車両に対しては「虚無」になる

これらは大型トラックに限らず普通車でも当たり前の交通マナー。なのだけどその当たり前が出来ていない横柄なドライバーの如何に多い事か。
巨大な車体を扱う運転のプロフェッショナルとして、業務外の運転でも周りへの配慮を怠らない癖をつけようと思った。

独り立ちに向けて

正式にドライバーとして仕事を始めるにあたって「初心忘るべからず」ではないのだけど、意識していきたい点を3つ、ここに書き留めておきたい。

  1. 安全最優先で走る
    でも運転はしっかり楽しむ

  2. 荷物を扱う時は腰の使い方に気をつける
    筋トレ・ダイエットのつもりで、前向きに

  3. 会社の人達と、上手く付き合う
    コミュニケーション不要の職と言われるが、気持ちよく仕事をこなす

あと少しで暑い夏を迎える。
現場仕事の最初の難関。
先ずは仕事に慣れ、この時期を乗り切る・・・その上で、これら3つの点を忘れず、毎日荷物と格闘しようと思う。

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