紙ヤスリの使い方考察 補足

この記事は、初代プラモ制覇 Advent Calendar 2018の23日目の記事です。

塗膜(もちろんサフも含みます)の上から軽く仕上げる場合、時々こういう悲惨なことが起こります。
写真は教室中のものですが、ヤスリによって削られて地が出たのとは明らかに異なる、部分的に剥げてしまっている、という状態。
これは段差が激しいのでリカバーが大変。

トゲトゲの先端部分で被切削物を擦り、無数の傷を付けることで少しずつ面全体を削り落としていくのが紙ヤスリの作用。
という事は、削られたカスはトゲの隙間に堆積されます。
繰り返される往復運動で、トゲも、被切削物も、ペーパー自体も熱を持っていますから・・・

紙ヤスリを使用していると想像以上に熱を持ちます。
特に尖ったトゲの先端部分は面積が小さいため非常に顕著。
被切削物がPSであっても、アクリル樹脂、つまり乾いた塗料であっても、その粉末に熱を加え続ければ溶けてしまいます。

先ほどの塗膜剥離が起きたとき、ペーパー側はこの様な状態になっていました。
乾いた塗料(アクリル樹脂)は、PSより更に熱に弱いため、キットパーツ以上に早く焼き付きを起こします。ヤスリの目が細かくなれば隙間が更に少なくなるため、一層早く焼き付きを起こします。

ヤスリ面に焼付いた樹脂で、塗面を擦ることになりますから、その発熱は想像以上、それこそあっという間に塗膜とも焼付き、簡単に引きはがされて、段差の大きい悲惨な傷跡を残してしまうでしょう。
これはトゲトゲの隙間が小さい、細かいヤスリほど顕著に起こります。

それではどうすればいいのか?
対策はいくつかありますが、最も簡単な方法は水研ぎをすることです。
研いでいる部分の視認がし易いから研ぎも捨てがたいのですが、数往復で住む調整程度ならばともかく、面全体を研ぐ場合は水研ぎの方が安全と言えるでしょう。

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