「ロシア」「ウクライナ」に関係する内容の可能性がある記事です。
極端な内容・真偽不明の情報でないかご注意ください。ひとつの情報だけで判断せずに、さまざまな媒体のさまざまな情報とあわせて総合的に判断することをおすすめします。 また、この危機に直面した人々をサポートするために、支援団体へのリンクを以下に設置します。 ※非常時のため、すべての関連記事に注意書きを一時的に表示しています。
見出し画像

監督・俳優・配給・編集者…映画人39人に聞いた「おうちで観られるオススメ映画」

SYO

映画ライターのSYOと申します。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

外出自粛のなか、お休みをどう過ごしたらいいのか、思いあぐねている方も多いかと思います。

せっかくなので、おうちで映画を観てほしい。
でも「何観たらいいの?」と悩みますよね。

ということで、映画関係者の皆さんにお願いして「おうちで観られるオススメ映画」を教えて頂きました! 
皆様、本当にありがとうございます!(五十音順・敬称略。随時更新)

======================

浅見みなほ(映画ナタリー編集部)

画像72

つかう

『逆噴射家族』(84)

人々が自粛生活を余儀なくされ、ストレスによる喧嘩やDVが増えていると聞きます。マンションのお隣りさんから漏れ聞こえる口論の数も日に日に増え、勝手に憂いている今日このごろです。

そんなお隣りのご家族に、ストレス発散のために観てほしいと思っているのが、「逆噴射家族」。「狂い咲きサンダーロード」「爆裂都市 BURST CITY」の石井聰亙(現:石井岳龍)監督が1984年に手がけた作品です。

本作は、郊外に念願のマイホームを購入した小林家の面々が、“ほぼ家の中だけ”で繰り広げるバイオレンスコメディ。主人公である一家の主・勝国(小林克也)が、「うちの家族は精神病を患っている」と思い込んでいるところから物語がスタートします。酒を飲むとやりすぎてしまう妻・冴子(倍賞美津子)、オカルトにのめり込む浪人生の息子・正樹(有薗芳記)、歌手とプロレスラーを夢見るブリっ子な娘・エリカ(工藤夕貴)、そして突然押しかけてきた父・寿国(植木等)の身勝手な振る舞いに追い詰められ、ついに勝国のストレスが“逆噴射”。家族全員を家の中に閉じ込め、宣言します。

「もう最後だ、最後の手段だ! 頼む、死んでくれ!!!」

そこから、一軒家を舞台にしたバトルロイヤルが開幕するのです。こんなおうち時間、絶対嫌だ!

放送禁止用語連発の泥仕合を観て、ご家族と一緒に「やりすぎだね」と笑い合っていただければ。最後にはきっと「やっぱり家族は仲良く、みんなで食卓を囲むのが一番」と(半ば強引に)思わせてくれるはず。あと、いくら自粛生活の閉塞感にウンザリしても、勝国のように「部屋を増やすため」と言って自力で地下室を掘ろうとしたらダメです、絶対。なお現状本作を見放題配信しているサービスはなく、Amazonビデオなどでの有料レンタル配信がメインのようですが、HD高画質でデータ購入しても、当時13歳の工藤夕貴さんの可憐な怯え顔だけで元が取れるくらいです。

ちなみに私は本作が作られた当時生まれていませんでしたが、各ミニシアターが石井監督の特集上映やオールナイト上映を行ってくれたおかげで、この映画のみなぎるエネルギーをスクリーンで味わうことができました。日常が戻ってきた際には、また劇場でそんな映画体験がしたい。そのために今、ミニシアターを守るためのクラウドファンディングなど、自分のできることを着実に行っていきたいです。

浅見みなほ(映画ナタリー編集部)
映画ナタリー
https://natalie.mu/eiga
映画ナタリー 今、映画のためにできること SAVE the CINEMA・業界支援まとめ
https://natalie.mu/eiga/column/376605

======================

F(CINEMORE編集部)

画像74

つかう

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』三部作

先日「午前10時の映画祭ファイナル」で、三日連続でこの三部作を映画館で見たのですが、いやもう、面白いのなんのって、、驚きました。

言わずと知れた名作で、もちろんこれまで何度も見ているのですが、久しぶりに改めて三作通して見てみると、デティールと伏線が本当にすごい!もともと三部作の構想はなく、パート1が大ヒットしたから続編が作られたわけですが、パート2なんて本当よく考えられてるなぁ~と感心しました。写真やマッチなど小道具の使い方も素晴らしく、伏線が回収されるたびに「おぉー!」と叫びそうになってました。そりゃ『アベンジャーズ:エンドゲーム』でルッソ兄弟がパクるはずですよ。このプロット絶対面白いもん。

そしてやっぱりあの音楽!あれを聞いて胸が高鳴らない人なんているのでしょうか!?

というわけで、この三部作を一気見することを強くオススメします!初見の方も、久しく見ていない方もぜひ!

F(CINEMORE編集部)
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。

新作も旧作も色んな映画を深掘りして紹介しているWEBマガジン「CINEMORE」ぜひ読んでみてください!
https://cinemore.jp/jp/

======================

大島育宙(YouTuber/お笑い芸人)

画像70

つかう

『恋の渦』(13)

緊急事態宣言とほぼ同時にNetflixで公開された恋愛リアリティーショー『Too Hot To Hundle(邦題:ザ・ジレンマ)』。性欲の強い水着姿の男女が無人島で「キス・セックス禁止」の1ヶ月を送るという低俗な設定。在宅生活を余儀なくされている我々は仕方なくそれぞれの自室のノートPCで(リビングではなく!)一気見したわけだけど、何か違う…。海の向こうのオープンな男女関係についていけないとかではない。それ以上に「今の我々の方がよっぽど辛いじゃん」と思ったら最後、もうノれないのだ。

夫婦でもベッドを分けるご時世。性的接触をした時の「彼ら」と「我々」の被る代償の重みが違い過ぎる。まだ手元にすらない賞金が減額されるだけの「彼ら」よりも、どこかの誰かの命を奪ってしまうかもしれない「我々」の方がしんどい。1ヶ月と期限がある「彼ら」、いつまでとも知れぬ「我々」。とても「我慢」をエンタメにする余裕は我々にはない。

大根仁監督による超低予算映画『恋の渦』のマイルドヤンキーたちは真逆だ。我慢せずに軽率に濃厚接触してくれる。悲喜交交の群像劇は、狭いワンルームに男女9人という「三密全クリ」のホームパーティーから走り出す。そして驚くべきことに、屋外は一度も出てこない、完全な「在宅」の映画でもある。

フィジカルな性愛そのものがユートピアになってしまったディストピアで、粘膜や体液や体温の交換で愛を図り合っていたことを懐かしく思い出そう。この禍が明けたらまたみんな、うぶな少年少女のように淡い恋から始めるのだろうか、などと考えたりする。

今だからこそ、性愛を描いた映画を観るのも一興ではないでしょうか。あくまでフラストレーションを溜めない程度に!

大島育宙(おおしま・やすおき)
YouTubeチャンネル「コンテンツ全部見東大生」で映画の評論・考察を行う。お笑いコンビ・XXCLUBのネタ作り担当。「ドラゴン堀江」「Qさま‼︎」など、TV・ラジオの出演多数。

YouTubeチャンネル↓
https://youtube.com/channel/UCMutK6zOvD0EJuudaK9kOZw
Twitter: @zyasuoki
https://twitter.com/zyasuoki
最新執筆記事(『パラサイト 半地下の家族』論考)↓
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71984

======================

大谷麻衣(女優)

画像11

画像9

『かぞくはじめました』(10)

第一印象最悪の男女が、親友夫婦の不慮の事故をきっかけに、遺された娘の後見人となり二人で育てるという、とんでもないシチュエーションから物語は始まります。始めは、慣れない育児と人生が一変してしまった戸惑いから諍いも多い二人ですが...そこはラブコメ、皆までは言いません。

自分が思い描いていた人生設計は崩れ、一般的な恋愛や家族の形とは、築き方も順番もはちゃめちゃ。けれど、それを全て包み込んで受容れられてしまうのが「他者への愛情」なのだと思います。愛に、恋は敵わない。3人の笑顔が本当に素敵で愛らしい。安心して観れる、ほっこりラブコメ映画です。

軽い気持ちで、何も考えずに観て頂けたら、きっとエンドロールが流れる頃には心がぽかぽかしていると思います。

つかう

『リトル・ダンサー』(00)

父の勧めで始めたボクシング。その教室の隣で行なわれていたバレエレッスン。主人公ビリーは、バレエに惹かれるも炭坑夫の父親に「バレエは女がするものだ」と猛反対されます。それでも、自分の心を貫き通し、日々バレエに打ち込むビリーを見て、父親、また家族の全員がビリーの夢を応援するようになります。

ビリーの現状へのやり切れない感情とバレエへの情熱がぶつかり合い交わりながら力強く踊るシーンは、胸が昂ります。体が勝手に踊り出してしまう程のバレエへの想い。努力を惜しまず、どんな逆境でも諦めない。そして、ビリーの目の前のチャンスを掴もうとする熱量があまりに眩しい。

当時10歳の私は、この映画に“感情を表現する美しさ”を教えて貰い、勇気を貰いました。今でも、ビリー・エリオットは私の心に棲んでいます。ラストシーンは圧巻。身体が高揚し、体温が1度上がる、そんな映画です。

(※お家で観れる映画のご紹介という事で、最初に浮かんだのが『リトル・ダンサー』だったのですが、レンタルがTSUTAYAプレミアムのみとなっており、どなたでも気軽には観れないかとは思うのですが、機会があれば是非一度観て頂きたい作品の一つです)

大谷麻衣(おおたに まい)
主な出演作品は、映画『娼年』、Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』など。
Twitter http://twitter.com/maiohtani
Instagram http://instagram.com/maiohtani

======================

岡田寛司(映画.com編集部)

画像28

つかう

『シークレット・サンシャイン』(07)

オスカー受賞作「パラサイト 半地下の家族」は鑑賞済でしょうか? 同作でソン・ガンホに惚れた方、今後もその思いを貫いてください。それ、かなり素敵な恋です。参加作品の大半がクオリティ◎。私は“良作兄貴”と呼んで崇めています。出演作からピックアップさせて頂いたのは、寡作ながらも“全てが逸品”のイ・チャンドン監督作。最初に明かしておきますが、決して「元気になれる映画」ではございません。

主人公は、亡き夫の故郷「密陽」に愛息子と共に引っ越してきたイ・シネ(チョン・ドヨン)。ピアノ教室を開き、新たな一歩を踏み出した彼女に、予期せぬ悲劇が襲います。映画は時として活力を授けてくれますが、本作が放つのは心を削ぐ衝撃。容赦なし、情けなしの展開に挫けてしまうかもしれません。でも、正面切ってタイマンを張れる作品との出合いって、結構貴重で、幸せな機会だと思うんです。濃密な142分、真正面から向き合ってみてください。時に痛みを感じますが、損する事は一切ございません。

チョン・ドヨンの芝居は、「驚いた」というよりも「たまげた」と表現した方が適切かもしれません。特筆すべきは“見えないもの”との対峙。電話越しの通話相手、周囲から消えてしまった者たち、そして、陽の光一筋にも存在しているという“神”。それらは彼女に慟哭すら許さず、言葉を毟り取っていきます。カンヌ主演女優賞の受賞も納得の演技。予告編にも使用されている教会での一場面は、今でも脳裏に深く刻み込まれています。

さて、忘れちゃいけないのが“良作兄貴”ですね。ソン・ガンホが扮しているのは、自動車修理工場を営むジョンチャン。「常に空回りする俗物」といったコメディリリーフなのですが、シネにとっても、鑑賞者にとっても“救い”となっていきます。ただひたすらに寄り添うだけ。それがどんな行為よりも、優しく、愛おしく見えてくるんです。こういう役どころを演じさせたら、ソン・ガンホは本当に天下一品。マジで“リスペクト”です。

岡田寛司(映画.com編集部)
映画.com https://eiga.com/
レビュー(アプリ)
https://eiga.com/user/537164/

======================

岡田拓朗(フリーランス)

画像61

つかう

『ワンダー 君は太陽』(17)

誰もにおすすめできる映画の中で、今まさにおすすめしたいと思った映画として、すぐに『ワンダー 君は太陽』が思い浮かびました。

人生でそれなりにたくさんの映画を鑑賞してきた中で、私が最も感動で涙を流した作品です。

遺伝子関係の病気で顔が変形してしまった形で生まれてきた少年・オギーが主人公。周りとは異なる容姿に、両親は学校に通わせることが不安で、ずっと家庭教育をしていた。それでもオギーが5年生になる頃に、意を決して学校に通わせる決意をする。

オギーだけに視点が当たるのではなく、オギーを取り巻く周りの人たちの視点がしっかりと入っているため、色んな立場や境遇の人たちの心に寄り添ってくれます。

行動に悩んだら、正しいことよりも親切なことを選ぶ。その時々の行動の正しさは、親切かどうかによって決める。そんなシンプルだが、とても大切なことを色んな視点で訴えられていて、その全てが詰まったラストシーンには、特に感動し涙が溢れます。

それだけでなく人の弱さからくる思わずやってしまうこともリアルに描かれていて、そこにもちゃんと反省と謝罪がある。こんなにも人の優しさと温かさを感じられる作品はそうそうありません。

人は元来こんなにも優しくて温かく、周りの大人たちがどう導いていくか、いやどう一緒に歩んでいくかによって、どう成長していくかが決まる。

人と違うんじゃなくて、人はみんな違う。
これが普通になったら誰もが優しくなれるはず。
そんなことを思いました。

ぜひ、家族でご鑑賞ください!
この映画を鑑賞して、みんなで話し合うことこそ、最高の教育であると思います。

岡田拓朗(フリーランス)
1993年生まれ。
関西大学法学部卒業後、大手人材会社に入社。
新規営業、深耕営業を経て、チームリーダーとしてプレイヤーとマネジメントを両立しながら人事業務などにも携わる。
その後、ベンチャー人材会社に転職し、就職活動におけるキャリア支援を行った後に、フリーランスとして独立。
現在は教育業界やエンタメ業界を中心に、キャリア支援や広報、ライティングなどの仕事を行っている。

執筆:リアルサウンド映画部、TVログ、転職nendo他
Instagram:@taku_cinema(https://www.instagram.com/taku_cinema
Twitter:@takuro901(https://twitter.com/takuro901

======================

沖本茂義(アニメ!アニメ!副編集長)

IMG_0107 - コピー

つかう

『パプリカ』(06)

外出自粛により、きちんと自宅で過ごしていても「外に出たい…!」という欲求は自然と働いてしまうもの。そこで、アニメーションならではの「想像力」で観客の精神を外に連れ出してくれる『パプリカ』をオススメします。

本作は、夢に入り込み、夢を犯すテロリストに立ち向かう名探偵・パプリカの活躍を描くアニメーション映画。
夢をテーマにした映画といえば、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』が有名ですが、本作は『パーフェクトブルー』や『千年女優』など一貫して「現実」と「虚構」を描いてきた今敏監督の手腕がいかんなく発揮されており、トリップ感が半端ではありません。

ぐにゃんぐにゃんとメタモルフォーゼしていくキャラクターたち、『ターザン』風のジャングルからスパイ映画のワンシーンまで目まぐるしく変わる舞台。その飛躍の感覚がクセになり、「次は何が出てくるんだろう?」と期待を煽り続け観客を飽きさせません。

キャッチコピーに「私の夢が、犯されている―」とあるように「現実」と「虚構」の境界が揺らいでいく感覚にはドキリとさせられるところもありますが、それこそが本作の醍醐味です。

今敏監督が本作で伝えるメッセージは「現実も虚構も等価である」ということ。
「映画」も言ってしまえば「人に夢を見させる装置」ですから、現実世界がグラついている今だからこそ、映画やフィクションの可能性を改めて感じさせてくれる一作としてご覧いただきたいです。

沖本茂義(アニメ!アニメ!副編集長)
1990年生。早稲田文構卒、フリーランスライターを経て、2016年より同編集部に所属。メディア全体の編集方針の策定やインタビューものを担当しています。編集者として追求しているテーマは「アニメはなぜ面白いのか?」。
▼アニメ!アニメ!
https://animeanime.jp
▼Twitter
https://twitter.com/ockeysan

======================

柿沼キヨシ(映像作家)

画像57

つかう

『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』(03)

仮面ライダー555、映画好きのスターである宇多丸さん絶賛のヒーロー。
RHYMESTERのリリックでもそのセリフが使われるほど、他には類を見ない唯一無二のヒューマンドラマである。

普通なら脚本で主人公にあてがうことができないはずの”何も持たない男”乾巧(いぬいたくみ)。
映画で幾度となく繰り返されるテーマ。人間の欠落や、家族。成長や自立。愛と夢と苦悩。
この主人公はどれにも当てはまることがない。
むしろ555ではそのテーマを背負っているのは怪人の方だ。

それでも戦う理由のないヒーローが見つけた戦う理由。
いわば人生の主人公じゃない人間が悪と戦う理由は、誰よりも優しくて少し切ない。ある意味人が生きていく上で最高の答えを導きだす。

世界中に強くてかっこいい正義のヒーローはたくさんいるが、このドラマを観たならきっと乾巧を心の中で大切な所に置いておきたくなる。
正に真のヒーロー。
それが仮面ライダー555である。

文字で伝えるのが下手なのでここからが本題になるが、「劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」はテレビシリーズが放映されていた途中で夏の劇場映画として公開されるのだが、劇中で物語の核心となる衝撃の展開が明らかとなる。
なによりそれがまず面白い。そして、よりこの物語を愛せずにはいられなくなる。

テレビシリーズのパラレルワールドを描く独立した単体作品ではあるが一年で全50話を描かなければいけない本編より、テーマ全体がうまくまとまっていて、特に本編の後半に至っては僕はこの映画版のほうが成功していると思っている。

だから、もしこの拙い文章で興味を持ってくれた人がいるならWikiとかで一切調べずにまずテレビ版の1話から観て欲しい!
そしてだいたい25話から30話までみたらこの映画を観て欲しい!

決してオールタイムベストになるような高品質の映画とは言えないけれど
「自粛期間は長いのでせっかくならシリーズものはいかがでしょうか?」

柿沼キヨシ(映像作家)
サブカルYouTubeチャンネルおまけの夜の人 「しもふりチューブ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」ディレクション。

======================

川村 誠(映像ディレクター/CAFÉ:MONOCHROMEオーナー)

画像50

つかう

『スイミング・プール』(04)

映画に何を求めるのか−それは人それぞれだと思います。そして何に癒されるのかも。
個人的には、「心を揺さぶられ突き動かされるもの」が自分にとっての映画。そして水面の波紋が広がるように、観終わってからもゆっくりと自分の内部に広がり、心のどこかが深く揺さぶられる−そんな映画に自分は癒されます。

こんな時だから癒しの映画を−と思いを巡らせた結果、『スイミング・プール』をお勧めすることにしました。女性の内面を描かせたら右に出る者がいないと言われるフランスの名匠、フランソワ・オゾンが描く「白昼夢」のような作品です。前述したように万人が癒される映画とは言えないので、その点ご了承を。

オゾン監督の新旧のミューズである、リュディヴィーヌ・サニエとシャーロット・ランプリングを主役に迎えて贈るサスペンスで、舞台は南仏プロヴァンスの高級リゾート地。
ある夏の日、イギリスの女流ミステリー作家サラは、出版社社長の薦めで彼の南仏の別荘へ。プール付き別荘の明るい陽射しの下、創作にとりかかろうとすると、突然、社長の娘と名乗るジュリーが現れる。自由奔放なジュリーに苛立ちながらも、その溢れる若さと美しさに刺激され、彼女の行動を覗き見せずにはいられなくなるサラ。嫉妬を感じながらも、彼女を題材に執筆を始めようとした時、スイミング・プールで謎の殺人事件が起こる。

癒される理由はいくつかありますが、眩しすぎる南仏プロヴァンスの美しさと、オゾン監督ならではのビジュアルコンセプトによるところが大きいように思います。全てを写しすぎず、想像を掻き立てる抑制された画面構成。この映画を「白昼夢」のようだと書きましたが、女性の本能の中に眠る嫉妬や欲望、作家の妄想とも現実とも取れる物語が、鮮やかな青空の下で描かれる様は、独特の浮遊感と非現実感を観る者に与えます。一見して思い出したのはミケランジェロ・アントニオーニの「欲望」の静かで退廃的な空気。最近だと晴れ渡る青空の下で繰り広げられる価値観崩壊ホラー「ミッドサマー」の乾いた空気感は少し近いものがあるかもしれません。

また、自意識が認識する自己と現実に物理的に存在する自己との乖離−自己同一性というテーマが物語の「仕掛け」となっている点や、謎を謎として描き切る作家性において、オゾン監督はデヴィッド・クローネンバーグやデヴィッド・リンチ、ブライアン・デ・パルマ、ポール・バーホーベンなどの影響を感じる監督。そんな匂いもさせつつ、いかにもフランス流の主観型官能サスペンスに仕上げた本作は、この手の映画好きには堪らないものがあり−妄想と現実を行き来するような世界観に目が無い自分としては、鑑賞後何とも言えない興奮と、深い余韻に浸ってしまうのです。

 落ち込んだ時、明るい希望ばかり歌うポップソングより、後ろ向きでも人の孤独に寄り添うような作品に癒される方。ブロックバスターも良いけど、静かに自分の感性を刺激されるような映画に心酔する方。僕も、です。極めて個人的な「癒し」基準でお勧めしてしまって恐縮ですが、こんな世界観がお好きな方はオゾン監督「まぼろし」「ぼくを葬る」「危険なプロット」、最新作「2重螺旋の恋人」なども是非。
家で没入してこっそり興奮に浸り、お気に入り見つけた、と囁いてもらえれば嬉しいです。

川村 誠(映像ディレクター/CAFÉ:MONOCHROMEオーナー)
MTV JAPAN出身。
フリーを経て個人事務所air vision networksを立ち上げ
ミュージックビデオやライブパッケージ、CM、ショートフィルム
劇場予告編、ドキュメンタリー、映画・音楽番組等を手がける。
air vision networks
https://airvisionnetworks.com/information.html
最新ライブビデオ
『Tomy Wealth 10th Anniversary Oneman Show』Filmuyにて配信中
TRAILER: https://www.youtube.com/watch?v=9eCwL7-dMmU
映画・音楽・アートをテーマにした渋谷の隠れ家的カフェ
CAFÉ:MONOCHROME主催
https://cafemonochrome.com

======================

菊地陽介(プロデューサー)

画像20

つかう

『ブレックファスト・クラブ』(85) 

アメリカ学園映画の始祖、ジョン・ヒューズ監督のクラシックです。
今でこそ日本でも当たり前に使われるようになった「スクールカースト」。
本作では、アメリカの学園生活にこべりつくヒエラルキーを生々しく描写した上で、彼ら彼女ら(スポーツマン、勉強オタク、不良、お嬢様、ゴスの5人)が「自分とは何か?」に悩み、1つの感動的な結論に至ります。

カテゴライズされた枠組みの中で生きることを強制されること、自分自身もそれを内面化してしまうことは誰にだって経験があるはずです。
特に、学園生活という「外部/逃げ場」が無い環境ではより切実な問題になり、彼ら彼女らを苦しめていきます。
『ブレックファスト・クラブ』では、そんなティーンたちの本音を丁寧に掬いあげ、「カテゴリー」ではなく「一人の人間」として対話することの必要性を描いています。

しかし、2020年に本作を観ると少なくない欠点も目立ちます。
ここでは細かく指摘はしませんが、それを無視して無条件に本作を称賛することは現在進行形で素晴らしい学園映画を発表している監督に失礼だと思います。
彼ら彼女らは徹底的にジョン・ヒューズ作品を研究し、批判的な継承をしています。そこにこそ1985年にジョン・ヒューズが本作を発表した精神と通じる革新性があるはずです。

現在進行形で生まれる学園映画の傑作を楽しむためにも『ブレックファスト・クラブ』をぜひご鑑賞ください。

つかう

『パッション』(12)

 私はブライアン・デ・パルマを偏愛しています。
彼が撮ってきた映画はすべて愛しているのですが、『パッション』には特別な思い入れがあります。
映画館で鑑賞した初めてのデ・パルマの新作だったからです。今でも強烈に記憶に残っています。

本作は広告会社を舞台にして、2人の女性(レイチェル・マクアダムスとノオミ・ラパス)がそれぞれの欲望をぶつけ合い、愛憎を半ばにして騙し合っていくサスペンスです。
もちろん物語を追っていくだけでも楽しいのですが、『パッション』には、デ・パルマの映像テクニックのすべてが詰め込まれています。
映画に散りばめられためくるめく映像トリックに驚き、いつの間にかその奇想天外な映像テクニックの世界に虜になっているはずです。それは魔術を直視しているような体験です。

自宅に居続けるとどうしても気が滅入ってしまい、刺激的な映画を観ることも億劫になってしまいます。
しかし、そんな時だからこそ、フィクションでしかありえない「映画の魔術」を体感させてくれる『パッション』をオススメしたいと思います。

菊地陽介(プロデューサー)
1989年生まれ。
Web番組「活弁シネマ倶楽部」(https://twitter.com/katsuben_cinema)プロデューサー。
感動シネマアワード(https://twitter.com/kandou_cinema)プロデューサー。

======================

Gabby(パブリシスト)

画像40

つかう

『キセキ ーあの日のソビトー』(17)


「ソビト」とは、自由に新しいことに挑戦していく人のこと(GReeeeNによる造語)。
GReeeeN の名曲「キセキ」誕生秘話をベースに、“歯医者と歌手”という2つの夢を追いかける兄弟を描いた青春物語です。

宣伝を担当しましたが、最初に思い出すのは、配給の方も見たことないと言うほどのマスコミ関係者用試写に押し寄せる人、人、人。大混乱の日々でしたが、それだけたくさんの応援をいただけたということですね。キャスト、ストーリー、音楽……魅力的なものをガッツリ詰め込んだらいろんな力を巻き込んで奇跡が起きちゃいました!そんな不思議なパワーを感じた作品です。

その試写では、女性からは予想通り大好評でしたが、男性の反応には驚きました。明らかに泣いた顔で試写室から出てくると、力をもらった、オレも頑張ろうと思ったなど、年代問わず熱い語りが続出!ミュージシャンの夢破れ悶々とする日々……それでも走り続け、挑戦する。そんなジン(松坂桃李)の姿が自分に重なったとか。
そして歯医者を目指す弟ヒデ(菅田将暉)率いるボーカルグループ“グリーンボーイズ”の眩いばかりの輝き。彼らのライブハウスのシーンは、それを見守るジンとの対比もあまりに切なく、必見です。

メインキャストは、日本アカデミー賞最優秀賞を2年連続で受賞しベストを更新し続ける松坂桃李さんと、俳優と歌手という2足の草鞋をはいて(まさにGReeeeN!)エンタメシーンを席巻する菅田将暉さんをはじめ、横浜流星さん、成田凌さん、杉野遥亮さんと、大ブレイクを果たした面々。成田さんと杉野さんは『キセキ ーあの日のソビトー』の完成披露が初の舞台挨拶登壇でした。あれから3年……感慨深い……。この作品を起点に彼らの3年間の軌跡(出演作品)を追いかけてみるのもお勧めです。

それでは、「1ミリ、世界が幸せに向かうことを願って……。ぜひ、楽しんでください」。
実は、これ、初日舞台挨拶にGReeeeN のプロデューサー、JINさんから届いた手紙の一部を引用させていただいたものです。今も、今だからこそさらに、心に響くとっても素敵なメッセージです。手紙の全文はこちらで(動画前半部分)。よろしければご覧ください。

■松坂桃李&菅田将暉、JINからの手紙に感慨 映画「キセキ ーあの日のソビトー」初日舞台あいさつ2

■予告編

Gabby(パブリシスト)
フリーランスのパプリシスト。
担当作ごとに“推し”が増え続け困っていたが、やはり幸せな悩みかと最近、思い始める。ただのイケメン好きと言われても否定しませんし隠してもおりませんが……。
そう言えば、『キセキ ーあの日のソビトー』の地上波全国放送、まだないような。本当に、今、観てほしいので、家族で観て、泣いているお父さんに娘がヒクという画を妄想しながらお待ちしております。

======================

熊谷佑太(映画配給会社ミモザフィルムズ)

つかう

『同じ遺伝子の3人の他人』(18) ※別題:まったく同じ3人の他人

アメリカで制作されたドキュメンタリーです。本作との出会いは、2018年の東京国際映画祭。2年も前ですが、鑑賞後の「すごいものを観てしまった…。」というような感覚は、今でも覚えています。日本での劇場公開は無かったのですが、先日偶然アマゾンプライムで見つけた本作をオススメします。

あまり前情報を入れない方がいいタイプの作品です。タイトルだけで気になったという方は、コメントは読まず、下記のリンクから鑑賞してみてください。

*Amazon プライムビデオ作品ページ

作品をフルに楽しんでいただくために、あまり多くは語れませんので、簡単に。

生後間もなく、養子に出されて別々の家庭で育った3つ子がいた。彼らは産まれてから19年後に、偶然再会を果たす。この出来事に世間は大騒ぎ、彼らは一躍スターダムにのし上がってゆく…。それだけで一本の映画になりそうですが、ここまでのエピソードは、意外とあっさり、ものの20分程度で終わります。「ここから、どうするの。」と不安でしたが、その後は「えー!マジ?」「ありえねー」と思わず声を出したくなるような3兄弟にまつわる驚愕のエピソードの連続にただただ流されるばかり。次第にスケールの大きな話になっていき、おそらく、絶対に誰も予想できないところに連れていかれます。ちなみに、『博士と彼女のセオリー』『ボヘミアン・ラプソディ』の脚本家によって劇映画化されるようです。
非常に頭の悪そうな文章になってしまいましたが、お役に立てればうれしいです。

Amazonプライムビデオの見放題もしくは、レンタルで鑑賞できます。

熊谷佑太(映画配給会社ミモザフィルムズ勤務)
◆近日公開『マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエット』
http://mb-romeo-juliet.com/
◆7/10公開『グッド・ワイフ』http://goodwife-movie.com/

*ミモザフィルムズ 
オフィシャルサイト:http://www.mimosafilms.com/
Twitter:https://twitter.com/mimosafilms_Inc
Instagram:https://www.instagram.com/mimosafilms/
note:https://note.com/mimosafilms

児玉美月(映画執筆家)

画像9

つかう

『アリー/スター誕生』(18)

何度も映画化されてきた王道なシンデレラストーリーである本作『アリー/スター誕生』(18)は、近年のハリウッド大作映画のなかでも群を抜いて素晴らしい作品です。

レディー・ガガの圧倒的な歌唱力と臨場感溢れるライブパフォーマンスは、久しく音楽イベントから遠ざかっている音楽ファンでも楽しめるのではないでしょうか。

一人で大泣きしても良し、一緒に歌っても良し、まさに今の私たちに寄り添ってくれる映画です。

児玉美月(映画執筆家)
リアルサウンド映画部、キネマ旬報、映画芸術などで映画批評を執筆。
▼Twitter
https://twitter.com/tal0408mi

======================

小松 糸(女優)

画像13

つかう

『天才スピヴェット』(13)

10歳の天才発明家T.Sが、ある事件をきっかけにバラバラになってしまった家族の心を取り戻すため、冒険の旅に出るお話です。

すみません、外出自粛中なのに、冒険する映画をおすすめしてしまいました。でもこの映画はものすごく勇気を貰える映画だから、どうしてもおすすめしたくて書きました。

この映画に出てくる登場人物はみんな個性的で面白いので、自分の好きなキャラクターがきっと見つかります。とても暖かくて素敵な人たちです。

ジャン=ピエール・ジェネ監督の映画ならではの遊び心がたくさん詰まってます。『アメリ』でもあったような可愛くて気持ちがワクワクするような色や仕掛けが盛りだくさん。

映画のキャッチコピー【泣き方だけがわからない】の通り、T.Sはこの映画であまり自分の感情を出そうとしません。
が、T.Sが一度だけ泣くシーンがあります。

それはどんなシーンなのかは観てからのお楽しみ・・・ですが、この一連の旅をきっかけに、彼の心が大きく成長したことが目に見えてわかるのです。

全身全霊で目標へ向かっていく彼の姿を見て、きっと勇気を貰えると思います。是非ご覧ください。

小松糸(こまつ・いと)
1998年1月16日生 女優
2020年1月 『A Day in the Life』
2020年2月 『泪するドブ鼠は、哀しみの愛にしがみつく』Twitter【@yarn_43】
Instagram【@itostagram_】

======================

新谷里映(映画ライター、コラムニスト

画像63

つかう

『25年目のキス』(99)

SYOさんから「おうちで観られるオススメ映画」というお題をいただいて、ぱっと思い浮かんだのは、ドリュー・バリモアの『25年目のキス』です。

元気のないときに気持ちを前向きにさせてくれる映画って、やっぱりロマンチック・コメディなんです、私にとって。ロマコメと言えばロマコメ女王。最近はすっかり聞かなくなったワードですが、ドリュー・バリモア以外にも、メグ・ライアン、ジュリア・ロバーツ、キャメロン・ディアス、リース・ウィザースプーン……みなさん、まあまあいいお歳になりましたけれども、彼女たちの若かりし頃ってめちゃくちゃカワイイ! 

なかでも今回イチオシとして挙げたロマコメは『25年目のキス』。ヒロインのジョジーは、記者になりたくて企画を出すけどなかなか通らないコピーエディター。ある日、高校生の実態を知る特集記事のために、覆面記者として高校に潜入する企画をゲット! 記者として初の仕事に挑みます。

でも彼女には高校時代にいじめられたトラウマがあったり、地味で真面目な性格で25歳だけど本当のキスをしたことがなかったり……そんなジョジーは人気者になるために奮闘。また、先生に恋をしてどんどん可愛くなる、けれど身元は明かせない! 簡単に言うと、イケてない大人女子が、イケてない自分を克服するために頑張るお話ですが、思いやりとか、自分らしさとか、大人になっても、いえ大人にこそ必要な“忘れちゃいけない大切なこど”に気づかせてくれる映画でもあります。もちろんキスもロマンチック! ラストシーンのキスは名キスシーンのひとつです。きゃっ!

『25年目のキス』以外にもドリュー・バリモアの作品は、「キス」のつくタイトル(邦題)が多いので、ドリュー・バリモア「キス三部作」をゴールデンウィークにまとめてどうぞ!

『25年目のキス』(99)
『50回目のファースト・キス』(04)
『2番目のキス』(05)

新谷里映(映画ライター、コラムニスト)
映画を中心に、書いたり取材したり喋ったりしてます。解説を担当した書籍「海外名作映画と巡る世界の絶景」発売中! ←旅した気分になれる本なので、おこもりの日々にぜひ! 

「海外名作映画と巡る世界の絶景」
https://book.impress.co.jp/books/1117101125
note
https://note.com/rieshintani

======================

ジャガモンド斉藤(お笑い芸人)

画像38

つかう

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(66)

昨今のこうした状況でのニュースやSNSを見ていると「ウイルスよりも人間が一番怖いよね〜」と皆が悟ったように決め台詞を放つが、なぜそんなこと言い切れるか!人間より怖いものが存在する。それが怪獣ガイラである。
従来の怪獣は遅い。『シン・ゴジラ』の無人在来線爆弾とゴジラのスピード感を比べれば一目瞭然。

だが、ガイラは普通に走る!!!もちろん足元なんか見ずに走るもんだから、人間にとってはたまったもんではない。
ある時から「走るゾンビ」が登場し観客は恐れおののいたが、そのはるか前に「走る怪獣」が存在していたのだ。
しかも、ガイラは人を恐怖に陥れる方法を知っているらしく、海底から漁師の乗る船をジーっと見つめていたり、姿を見せず地引網を引張り地元民たちを恐怖の底に陥れる。

そして、ガイラは主食は我々人間。飛行したりビームや炎を出したりするのでなく人間を手づかみで掴みそのまま貪り食う。
ホラー演出も心得ている走る人食い怪獣ガイラはウイルスよりも人間よりも恐ろしい。
そんな存在が映画の中で生きている!

ジャガモンド斉藤(お笑い芸人)
ケイダッシュステージ所属のお笑いコンビ・ジャガモンドのツッコミを担当。
3つの映画YouTubeチャンネル「おまけの夜」「シネマンション」「しゃべんじゃーず」にレギュラー出演。
2020年4月には個人チャンネル「ヨケイなお世話」も開設。
テレビ埼玉の情報番組『マチコミ』にて映画DVDの紹介コーナー「ジャガモンド斉藤の決!作劇場」を担当中。
斉藤自身が執筆している映画レビューサイト「読んだら必ず観たくなる映画レビュー」を運営し、映画の魅力を発信している。

======================

徐昊辰(映画ジャーナリスト)

画像55

つかう

「グレート・ハック: SNS史上最悪のスキャンダル」(19)

本作はfacebookとケンブリッジアナリティカのスキャンダルを焦点にした作品ですが、SNS時代の“今”を象徴する作品でもあります。特に現在進行形で深刻化するコロナ禍で情報が錯綜し、人々は誘導されやすい中、自分がどうやって生きていくのかを深く考えさせていただいた傑作ドキュメント映画です。

また、“データの価値は石油を越えた”というセリフも非常に印象に残りました。ビッグデータは本作の中で、政治プロパガンダで人々を分析したが、ビッグデータのパワー自体は無視できません。それこそ、ビッグデータの活用がやや遅れている日本は、今回コロナ禍を機に、徹底活用に進んだら、もしかしたら、いい結果が出るかもしれません!

ちなみに本作を含め、Netflixの傑作ドキュメンタリー3本を森直人さんと一緒に、活弁シネマ倶楽部でトークしました!宜しければ、ぜひこちらもチェックしてください!

徐昊辰(映画ジャーナリスト)
WEB番組「活弁シネマ倶楽部」の企画・プロデューサー
https://www.youtube.com/channel/UCyItJT2FIK8S7oLe5EPAofg
上海国際映画祭プログラミング・アドバイザー
日本映画プロフェッショナル大賞選考委員
微博公認・映画評論家、年間大賞選考委員
映画.COMコラム「どうなってるの?中国映画市場」連載中
https://eiga.com/extra/xhc/

======================

SYO(映画ライター)

画像41

つかう

『パディントン』シリーズ(15~)

暖かくて、優しくて、可愛くて……。どんな時も元気をくれる映画です。ジャングルからロンドンにやってきた「しゃべれる」クマが、親切な一家と出会い絆を育んでいく物語。現在までに2作品制作されました。

子ども向けに見えるかもしれませんが、出来が良すぎてアメリカの批評サイトで最高点を叩き出した「誰でも観られて、しっかり沁みる」シリーズです。他者に親切にすること、愛情をもって接すること、そうすると世界はこんなに輝くのだ、ということを教えてくれます。

冒頭から末尾まで、愛が詰まった『パディントン』。気分が落ち込みがちな時こそ、処方箋になってくれるはずです。

つかう

『月とキャベツ』(96)

バファリンの半分は優しさで出来ていますが、僕の半分は山崎まさよしさんで出来ています。コンビニより海が近いド田舎で育った自分にとって、山崎まさよしさんの音楽は最高の娯楽で、芸術でした。それは今も変わりません。

今、外に出られない状況で、なんとなく中学生の時を思い出しています。時間はたっぷりあったのに、行動ができなくて退屈な日々を過ごしていた(今は、それも大切な時間だったと分かるのですが)。

そんな時期に救ってくれたのが、山さんの音楽と、彼が主演した映画『月とキャベツ』です。

目まぐるしい日々に疲れて音楽活動ができなくなってしまい、田舎に引っ込んだミュージシャン。彼のもとに、不思議な少女がやってきます。ひょんなことから共同生活が始まり、ふたりは少しずつ絆を育んでいくのですが……。

美しくて、ピュアで、切ない愛。山さんのナチュラルな演技。終盤でピアノ演奏される主題歌「One more time,One more chance」。映画でしか味わえない「かけがえのない時間」に、心を浸してもらえたらと思います。

SYO(映画ライター)
1987年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアの勤務を経てライター/編集者に。
映画・ドラマ・アニメ・小説・マンガ・ライフスタイル等、エンタメ系全般を手掛ける。
Twitter「syocinema
これまでの記事一覧は→ https://syocinema.jimdofree.com/

======================

杉村征子(宣伝・文筆)

画像32

つかう

『やさしい本泥棒』(13)

この映画は、第二次大戦前から戦中にかけてドイツに生きる庶民たちの暮らしを丁寧に描いていく、温かくも力強い感動作です。そして、いま、家で過ごす時間をポジティブなものに変えるために大事な視点を与えてくれる、今観るのにぴったりの作品といえるかもしれません。

主人公の女の子リーゼルは、訳あってミュンヘンの老夫婦のもとに里子に出されます。
新しく親となるのは、慈悲深く陽気なハンスと、働き者だが気難しいローザ。リーゼルは少女には似つかわしくない本を肌身離さず持っていて、それで彼女が字を読めないことを知ったハンスは、字を教えながらふたりでその本を読み始めます。もともと好奇心旺盛であるリーゼルは、読み書きを学びながらたちまち本の魅力に憑りつかれていきます。
しかし、時代はヒトラー独裁体制のもと、 ユダヤ人だけでなく教育や様々な芸術までもが国家の独自性の名のもとに弾圧の対象になっていきます。リーゼルは広場に積み上げられた書物が燃やされる様子にショックを受け、焼け残った1冊の本をこっそり持ち帰るのです。

予告編の内容がこの後の出来事に限定されているので続きは割愛しますが、この後に登場するユダヤ人文学青年マックスとリーゼルの交流のくだりが本当に素晴らしいんですよ! マックスは外に出ると命の保証もなく、助けを求めたハンスの家の光もろくに射し込まない地下室で過ごすことになりますが、そこでリーゼルに言葉という“命”を吹き込み、彼女もまたマックスに生き延びるための力を与えることになります。(このシーンが好きすぎて全く割愛できてませんが・・)

この映画の大きな魅力は、本を通じて自分の世界が広がっていくことの喜びを奇をてらわずまっすぐに描いている点にあると思います。知ることの素晴らしさ、人として正しくあるために必要なことなどが観る者にひとつひとつ突き刺さってきます。そして、彼らだけでなく主な登場人物の誰もが温かく、優しく、強く、本当に魅力的で、演じる俳優陣も誰もがまさにはまり役。
原作は、世界各国で1600万部を売り上げたベストセラー「本泥棒」です。言葉についてのこの素敵な物語がどのような言葉で綴られているのか、原作も気になってしまいます。

日本では予定されていた劇場公開が中止となり、ビデオストレートとなった作品です。多くの人が存在すら知らないかもしれませんが、これほどに光輝く物語は、そんな中にもあるんだということを感じられる、これぞ珠玉という1本です。

杉村征子(宣伝・文筆)
フリーランスで新作映画の宣伝や文筆をしています。直近の宣伝作品「ポルトガル、夏の終わり」「異端の鳥」、ライブシネマ「怪獣の教え」は全て延期に…。生涯ベスト映画の主題歌をどうしても自分で弾いてみたくて、コロナ禍の最中ですが電子ピアノを買いました。

======================

DAISUKE (イベントプロデュース/映画インフルエンサー)

画像36

つかう

『E.T.』(82)

『E.T.』は1982年公開のアメリカのSF映画です。有名な映画なので知っている人も多いのではないでしょうか。雑貨屋さんでも良くかわいいグッズを見かけますよね☺️(笑)

地球の探査にやって来て一人取り残されてしまった異星人と、少年たちとの交流を暖かく描いたお話です。

E.T.って正直なところ見た目は決して可愛くはないじゃないですか(見た目がタイプ♡だった方すみません笑)
でも不思議と観終わる頃にはE.Tの事が大好きになってて可愛く思えてるんですよね。

それはきっと、E.T.が心優しくて行動だったり表情から優しさが感じられるからなんですよね☺️

僕たちも今コロナというとてもとても大変な状況の中にいて、正にその「心優しい」部分が試されているように思います。

『E.T.』を観て心が温かくなって、優しい気持ちになって、その優しさを周りの人にちょっとずつ配れたら素敵ですね☺️✨

という事でね、
この映画の有名なセリフをお借りして
「E.T,stay home.」🏠(笑)

素敵な映画で素敵なゴールデンウィークをお過ごしください✋️☺️

※昨年この『E.T.』の続編となる短編映像が作られYouTubeにアップされました↓。37年ぶりに再開したエリオットとE.T.。もう嬉しくてね、心がジュワ~っとなりましたよ(笑)そちらもぜひ☺️👍🏻✨

DAISUKE (イベントプロデュース/映画インフルエンサー)
VITALIZER PROJECT 代表
大中小様々な映画イベントを企画開催しています。
Instagramでは新作映画の紹介をしています。

Instagram @daisuke.ojs
HP https://vitalize.amebaownd.com

======================

玉井雄大(DOKUSO映画館 支配人)

グラフィックス1

つかう

『ニューヨークの恋人』(01)

おうちで過ごす時間に、ちょっと退屈してきたなという方に是非観ていただきたいのがコチラ!

メグ・ライアン演じるケイトは、広告代理店で働くキャリアウーマン。そんな彼女のもとに、1876年のニューヨークからヒュー・ジャックマン演じる英国貴族のレオポルドがタイムスリップしてくるという物語。
現代のニューヨークで忙しく働くケイトと、生まれながらに貴族として育ってきたレオの「暮らし」に対する価値観の違いが、この作品の見どころの1つ。

『目覚めて嗅ぐバターたっぷりのブリオッシュの香り。腹を満たす以上の至福の時だ』、朝のトースト1枚の焼き加減にもこだわるレオを、ケイトは最初理解できません。

でも、場所が家だとしても、クローゼットの奥にしまい込んだオシャレな服を着て、お花を飾り、音楽を奏で、ゆっくり会話しながら食事をする。それがどんなに美しく豊かなことかを、この映画は思い出させてくれます。

こんなときだからこそ、たまには少し手間をかけた食事の時間を過ごすのも良いなぁと思わせてくれる1本です。

つかう

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(14)

世の働くお父さんお母さん!リモートワークはチャンスです!!
いつも頑張って働いているからこそ、家庭ではなんとなく子供と共通の話題がなくて…みたいな親御さん。めっちゃわかります!

この作品は、ある事件をキッカケにレストランをクビになってしまった敏腕シェフが、フードトラックでキューバサンドウィッチを売り始めるという物語。そのトラックに、夏休み中ということで、離婚した妻との間の息子(10歳)も乗り、一緒にアメリカ各地を旅することになるのですが…これがすごく良いのです!

普段はわからない、親の仕事に対する「誇り」や「こだわり」を同じキッチンで働くことで子供が感じ、その仕事の楽しさを共有する。これって、親子お互いにとって素敵だけど、なかなか出来ないことだと思っていて。

親も子供も家にいて、親の仕事が身近に感じやすい今日この頃。この映画を子供と観つつ、何か一緒にできること考えるの、楽しそうじゃないですか?

玉井 雄大(たまい ゆうた)
(株)テラスサイドと(株)DOKUSO映画館のCEO。
月額定額でインディーズ映画観放題の「DOKUSO映画館(https://dokuso.co.jp/)」支配人。
映画や舞台のプロデューサー。

Twitter:@yt_terraceside

======================

七瀬 翠(女優)

画像65

つかう

『ウィーアーリトルゾンビーズ』(19)

一言言いますと、好き嫌いがぱっくり分かれる映画!(監督も仰られてました。笑)

観たきっかけは、憧れている池松壮亮さんと中島セナさんが出演される映画だから試写会へ行きたい!と思い応募させて頂いたことです。そして、奇跡的に当選!鑑賞しました。

観始めてすぐに、「なんじゃこりゃ!!!」
こんな映画観たことない!!!
という、気持ちで胸がいっぱいになりました。

初っ端から、サイケデリックでエキゾチックな色使い。「死」をこんな風に受け止めるんだ。あ、こんな風でもいいんだ。と。

お葬式とか棺桶とか遺骨を骨壷に入れるとか宇宙へと舞う灰とか。
おじいちゃんのお葬式を思い出しました。

映画の上映後、質問タイムへ。監督へ質問させて頂いたのですが、監督のお陰で「絶望」になんて打ちひしがれて、泣いて、どん底になんて行かなくて良いんだって思うことが出来たんです。

長久監督のマインドが、あの映画を作ったんですよね。
ロシアのお話は何となく知っていたけど、マインドコントロールで人は自殺しちゃうんだ、と。
人間は、強いけど弱い生き物。
同じ「絶望」でも、それに立ち向かうマインドひとつで人生180度変わるんじゃないかって。

ライブシーン。ハンパないくらい良かったです。かっこよすぎです。キラキラ。撮り方も、演出も、アングルも、、ハンパないです。。

あの世界で、芝居が出来るなんて
羨ましすぎて泣きそうになりました。
ワンシーンワンシーンへの拘りの強さを感じました。

セナさんの「深呼吸」のシーン、凄く好きでした。音への拘り。まるで自分が深呼吸をしているかのように錯覚しました。
本当になんなんだこの映画は、と。

出会いは偶然だったし、試写会当たらなかったら多分ですが、出会えていなかった作品なので、本当に出会えて良かったです。何度も観たい!と強く思える作品です。

本当に本当に本当に出会えて良かったです。エネルギーを貰えました。
この作品を生み出してくださった事には、感謝しかありません。

おうち時間、悶々としてしまう人も多いかと思います。そんな時にこの作品をみてイナズマに撃たれたような衝撃を受けてみるのも良いのでは無いでしょうか。是非!!!

七瀬 翠(ななせみどり)
1997年8月27日生まれ。役者。
映画:「あの頃、君を追いかけた」「あゝ、荒野」
ドラマ:「僕は愛を証明しようと思う」
TV:「ハナタカ!優越館」「ナニコレ珍百景」
MV:AKB48「ギブアップはしない」
Twitter:@nanase_midori
Instagram:@midori_nanase_official

======================

林健太郎(映画プロデューサー/劇団ノーミーツ主宰)

林のプロフィール画像

つかう

『ブリグズビー・ベア』(17)

自分の好きなことを、胸を張って好きと言う。

単純明快シンプルなことなのですが、自分にとってはこれがとんでもないハードルで。ただの自意識過剰なんですけど。

映画が好きです。映画を作っています。

堂々と言いたいけれど、昔の作品もまだ勉強途中だし、小さな映画しか作ったことないし、、といらぬことが頭をよぎり続ける人生でした。

そんな中、ひょんなことから渋谷のミニシアターでこの作品を見ました。

幼少時から誘拐犯に育てられた青年は、ひとつの教育番組を見させられてきた。しかしその番組が架空であると発覚。何としても続きを見るため、自ら続編の制作に乗り出してく物語。

訳わからないですよね。笑
本編も訳わからないです。
(難解な映画とかではなく。誰でも楽しめるエンタメ作です)

ただ、右も左も分からない主人公が一点の曇りなく映画を作り続ける様を見て、“あー自分の生きたいように、生きたいな”とはじめて素直に思えたのです。

どんなに人に言われても、意識高い本を読んでも結局は変わらなかった価値観がたった1本の映画で変わることもあるんですね。

最後に一つだけ、お願いです。
もし、この作品を見て、少しでもよかったなぁ、と思った方は、#SaveTheCinema の活動をチラッと覗いてみてください。
この作品のような、ニッチだけどおもしれぇ作品を上映するミニシアターが、かなりピンチです。
コロナ明けたら、いろんな映画、映画館でみたくないですか?
↓より支援を募っております。現在2億円突破。すごい。でも、まだまだ、これからです。
https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

うだうだ拙い文章を書きましたが、
自分はやっぱり映画が好きだ!映画作りてえ!
明けない夜はない。がんばるぞー!がんばりましょう!

林健太郎(映画プロデューサー/劇団ノーミーツ主宰)
1993年生まれ。駆け出し映画プロデューサー/映像監督。プロデューサー作品として映画『書くが、まま』『根矢涼香、映画監督になる。』ショートフィルム『純猥談 触れた、だけだった』など。フルリモートで創作を行う「劇団ノーミーツ」主宰・監督・プロデューサー 
Twitter:  https://twitter.com/KentarooH
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCT7hZww9WW94UmkxXjVMCLg

======================

日高七海(女優)

画像10

つかう

『レナードの朝』(90)

名作と言われる作品、手をつけるの後回しになりませんか?
でも観ると「なんで早く観なかったんだ…」と後悔するほどの衝撃がありますよね。私はこの作品がまさにそれで、生涯の大切な一本になりました。

30年間半昏睡状態だったレナードと、医師のセイヤーによる一夏の奇跡のお話です。実話です。
こんな風にあらすじを書くと、とっつきづらそうに聞こえますが、テンポも早く、最初から世界に入り込んで観れるので是非再生ボタンを…!

あの夏は2人にとって青春だったのだと思います。
最後の台詞が前向きで美しくて震えます。観終わった後に大切な人に必ず勧めたくなる作品です。
名作中の名作、この機会に是非観ていただきたいです。

日高七海 (女優)
主な出演作 映画「左様なら」「飢えたライオン」
FODドラマ「東京ラブストーリー」4月29日配信スタート
映画「ステップ」近日公開 他
Twitter:@n2ynana

======================

藤井道人(映画監督)

画像24

つかう

『エクストリーム・ジョブ』(19)

寝ても覚めてもコロナ。ずーっとコロナ。超仕事人間の僕にとっては人生でこれほど苦痛な時間は初めてかもしれない。憂鬱だ。撮影がしたい。でも家にいなきゃいけない。

結果からいうと、『エクストリーム・ジョブ』にはとても感謝をしている。この映画を観ている2時間は何も考えず、笑いながらテレビの中に没頭できた。もちろんスクリーンで観たいが…

登場人物はみんなマヌケだ。そんな彼らが諦めずに戦う姿や巻き込まれていく姿を見て、爽快感もさることながら、観た後になんだか生きていて良かったと思えた。明日は何観ようと思えた。
映画って凄いんです。僕も頑張ります!

藤井道人(映画監督)
1986年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。
大学卒業後、2010年に映像集団「BABEL LABEL」を設立。
伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』(2014 年)でデビュー。
以降『青の帰り道』(18年)、『デイアンドナイト』(19年)など精力的に作品を発表。
2019年に公開された『新聞記者』は日本アカデミー賞で最優秀賞3部門含む、6部門受賞をはじめ、映画賞を多数受賞。
新作映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』(今秋公開予定)が控える。

======================

ますかた一真(お笑い芸人)

画像26

つかう

『ゾンビランド』(09)

お笑い芸人って切羽詰れば詰まるほどそれをネタにしようとしてしまって「不謹慎!」と怒られるのですが、この『ゾンビランド』は今観るとまさに不謹慎のカタマリです。

ゾンビだらけになった世界でサバイバルする人間たちを描いた物語ですが、主人公はスーパーヒーローではなく引きこもりで神経質なオタク。
他人と会わずに引きこもってゲームばかりやって、神経質ゆえの潔癖症でゾンビからの感染を逃れてきた彼の姿は、10年以上前に公開された作品とは思えないほど現代を先取っています。
『他人と接触しない』『なるべく家にいる』『こまめな手洗い』が求められている今、彼はまさにみんなが目標とすべきヒーローかも?

この作品の中で生き延びるコツは勇気ではなく臆病さと慎重さにあります。自粛期間中も「外にはゾンビがいる」という不謹慎な妄想をすれば、おうちにいるだけで映画の主人公になった気分になれるのでは?
でもあまりに不謹慎が過ぎると作中のビル・マーレーみたいになっちゃう、という教訓も与えてくれます(笑)
まさに『ステイ・ホーム』な作品です。

ますかた一真(ますかたかずま)
1983年8月4日生
吉本興業所属
占い芸人、映画好き芸人として各メディアでオリジナルの『映画占い』を展開中。
『ますかた一真の映画星占い』連載中
https://t.co/YJZvKUaH7T
Twitter: @masukata_kazuma
Instagram: masukata_kazuma
note: https://note.com/masukata_kazuma

======================

Matsu(コンテンツプロデューサー) 

画像58

つかう

『ヤンヤン夏の想い出』(00)

『クーリンチェ少年殺人事件』などの台湾の映画監督、エドワード・ヤン監督による作品。
カンヌ国際映画祭で初めて上映され、その年の監督賞を受賞。
監督の遺作となった本作は、カンヌでの公開から今年でちょうど20年。

台湾で暮らす父母姉弟4人の家族が、母の弟の結婚式をきっかけとして、祖母の病気や、父の会社の危機、母の入信、姉の初恋など、家族が遭遇する"人生の転機"が、8歳の弟ヤンヤンのハッとさせられる好奇心と共に、静かに淡々と描かれていく物語。

シリアスなシーンほどユーモラスに描くヤン監督の作風は、なんともリアリティがあり、クスッと笑えてしっとり泣ける、爽やかな風を感じられる作品です。

映画を彩る↓のワードに一つでも当てはまったらぜひ観賞してみて下さい。

みずみずしい夏の台湾。
ある家族の物語。
リアルファンタジー。
切なくて豊かな日常。
カメラにハマるマイペースな息子。
昔の恋人と再開する父親。
祖母の病気を自分のせいだと思い込む娘。
イッセー尾形。
生きるヒント。
無力感に苛まれる母親。
美しい雨。
心の友。
友達の元カレとの恋。
あの頃のはかない恋。
殺人事件。
最悪の人の死。

Matsu(コンテンツプロデューサー)
観賞系映画紹介番組「Share Impressions」運営。
Instagram:tawamure_world
YouTube :https://www.youtube.com/channel/UCnrVhQ8hQh3bkW3bfHuKldA

======================

松丸千枝(編集者)

画像76

つかう

『白雪姫と鏡の女王』(12)

スウェットパンツとTシャツで1日を過ごすようになって、どれくらいが経ったでしょうか。時々やってくる「おしゃれして街に出たい・・・うわ〜〜!」をなだめる時に観ているのが、『白雪姫と鏡の女王』です。

監督はターセム・シン、衣装デザイナーは石岡瑛子さん。フランシス・フォード・コッポラ監督の『ドラキュラ』で第65回アカデミー賞 衣裳デザイン賞を受賞した石岡さんの最後の仕事が、この映画でした。

衣装厨としてたまらないのは、同じ空間にいる人々が、あらゆる時代の衣装をまとっていること。屋敷の家臣たちは18世紀ロココ風、キュートな白雪姫は19世紀半ば頃のツーピースドレス。意地悪な女王は、白雪姫や家臣達よりももっと古い16世紀〜17世紀のセンスが強い。 女王さん・・・外見は魔法で保っていても、ドレスのセンスには過ごしてきた長い時間が漏れ出ているということか。

劇中、リリー・コリンズ演じる白雪姫は、勇敢な本来の自分自身を取り戻していきます。そんな覚醒後の彼女は、フェミニンかつ凛々しいパンツスタイル。この白雪姫の現代的なファッションを見ていると、むくむく力が湧いてきます。

フィナーレはボリウッドな大団円。この時の白雪姫のドレスは、新たなヒーローここに誕生!という風情なのでぜひ観て欲しいです。「一般的に、映画制作におけるコスチュームの九割は時代考証による写実的なもので、デザイナーに求められるのは、すでに歴史上認知された記録を再現するといった仕事」と、自著に記していた石岡さん。本作では綿密なリサーチによる時代考証や民族服の知識などが基盤となった、どこにもない「石岡瑛子のドレス」を堪能できます。その他にも、キテンゲ(アフリカのプリント布)のバッスルドレス、木製コルセットにクリノリン、「七人のこびと」の斬新な竹馬ーーと、めくるめく「ファッションファンタジー」がテンポの良い物語とともに展開していって、視覚が豊かに満たされていきます。

少しでも早く皆が愛する服を着て、大好きな人たちにその布の手触りまで感じとれるほど近くで会えますように。ーーそんな思いも抱く、愛らしい映画です。

松丸千枝(編集者)
雑誌『装苑』(文化出版局)の編集。「装苑オンライン」では、SYOさんとともに自宅で観たい映画を紹介するシリーズ記事を作っています。こちらもぜひぜひご覧ください。
http://soen.tokyo/

======================

茉莉花(Cafe&Bar BIG FISH 店長)

画像53

つかう

『ロシュフォールの恋人たち』(66)

晴れた日曜日の昼下がり、お家の窓を空けて、コーヒーでも飲みながらまったりしている時に、オススメです。
お外の空気を感じながら、ステキな音楽とカラフルでおしゃれな世界観をお楽しみいただけると思います。

60年代のフランスのミュージカル映画です。
私がこの作品に出会ったきっかけは、お客様からのおススメでした。
私は映画のジャンルとして、特にミュージカル映画が大好きなのですが、2000年代の作品を主に観ていました。
そんな作品達が影響を受けているのが、40〜60年代などの映画なんだよーと伺い、私の大好きな映画を作った人たちが、どんな作品に影響されたのだろうと、最近はクラシックと言われる映画も観るようになりました。

双子姉妹の恋のお話。(実は本当の姉妹だそうです。)この2人の衣装が特に可愛くてたまりません。
フランスの港町であるロシュフォールで、年に一度のお祭りが行われる時。
旅芸人、水兵、カフェで働く双子のママ、などあらゆる登場人物達の恋物語が交差する群像劇。
あの2人くっつくの!?くっつかないの!?
と、意外とハラハラしたりもします。

そして見所の一つでもあるのが、
双子のフランソワーズ・ドルレアックさん(赤毛のソランジュ役)、カトリーヌ・ドヌーヴさん(金髪のデルフィーヌ役)のお二人もそうなのですが、
『雨に唄えば』で有名なジーン・ケリーさん(作曲家のアンディ役)や、『ウエストサイド物語』でマリアのお兄さん役で活躍したジョージ・チャキリスさん(旅芸人のエティエンヌ役)、『ニューシネマパラダイス』の主人公サルヴァトーレ(中年期)役を演じたジャック・ペランさん(水兵のマクサンス役)など、映画がお好きな方ならテンションが上がる仏米の豪華俳優陣も揃ってます。

音楽はミシェル・ルグランさんが手掛けていて、ジャック・ドゥミ監督とは『シェルブールの雨傘』から続くコンビだそう。

恐らく、この作品をご存知の方が気付いているでしょうが、『ララランド』を監督したデミアン・チャゼルさんは、ジャック・ドゥミさんの作品が大好きなんでしょうね。

最後になりましたが、先の見えない不安な世の中ですが、この作品の音楽やファッション、ストーリーで皆さんが癒されますように...

茉莉花(Cafe&Bar BIG FISH 店長/バーテンダー)
Cafe&Bar BIG FISH
東京都杉並区高円寺北3-1-15 高円寺ビル地下一階
高円寺の北口から徒歩2分
映画に登場したフードの再現。映画に登場したカクテルやドリンクの再現。映画の登場人物と同じ気持ちで過ごせる。映画を観た後お話しに来てほしい思いでお店を作りました。
しかし只今、営業をデリバリーやテイクアウトにし、自粛中
詳しい情報はTwitter、Instagramでご確認ください。

Twitter https://mobile.twitter.com/bigfish_koenji
Instagram https://www.instagram.com/bigfish.koenji/

======================

宮川翔(リアルサウンド映画部 副編集長)

画像48

つかう

『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(12)

『ブルー・バレンタイン』のデレク・シアンフランス監督とライアン・ゴズリングが再タッグを組んだ犯罪ドラマ。ヴィンテージのバンドTシャツを裏返しに着たり、首にバンダナを巻いたりする、バイカー&ロックファッションのライアン・ゴズリングがとにかくカッコいい! ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ドライブ』と並べて観たい傑作です。

物語は3部構成になっていて、第1部はゴズリングが演じるバイクのスタントマンのルーク、第2部はブラッドリー・クーパーが演じる警察官エイヴリー、そして第3部は15年後に舞台を移し、デイン・デハーンが演じるルークの息子ジェイソンの視点で描かれていきます。

2時間20分とちょっと尺が長めですが、脚本の隙のなさと秀逸な構成、スタイリッシュな映像美によって、まったく長さを感じることはありません。そして、ライアン・ゴズリングとブラッドリー・クーパーの記憶に残る演技。デイン・デハーン、エヴァ・メンデス、ベン・メンデルソーン、マハーシャラ・アリ、ローズ・バーン、ブルース・グリーンウッド、レイ・リオッタという脇を固める豪華キャストの競演も楽しめます。

何気ない日常の幸福さ、一瞬で変わってしまう未来、名声を手にしても残る罪悪感、そして受け継がれる血……。美しい瞬間が何度も訪れる、本当に素晴らしい作品です。自分も何度観たか分かりません。オープニングシーンから尋常じゃないカッコよさですが、希望に満ちたラストシーンで流れてくるBon Iverの「The Wolves (Act I and II)」も感涙必至です。

最近家で映画やドラマばかり観ている毎日を過ごしていて、自分にとって映画館がどれだけ大切なものかを再認識しました。家で観るのもいいですが、やっぱり映画は映画館で観たいですよね。皆さんも営業が再開したらぜひ映画館へ!

宮川翔(リアルサウンド映画部 副編集長)
1987年生まれ。バラエティー番組のAD&ドラマの助監督、ナターシャ プロモーションプランナーを経て、現在はリアルサウンド映画部で副編集長を務める。
Twitter:https://twitter.com/charistheripper
リアルサウンド映画部:https://realsound.jp/movie

======================

もっちゃん(YouTuber/女優)

画像33

つかう

『はじまりのうた』(13)

今回は私の大好きな作品「はじまりのうた」を紹介します。
自粛期間が続く中、私も正直なところフラストレーションを感じることがあります。そんな時に私を助けてくれるのは音楽です。好きな歌や落ち着くクラシックを聞いて、気持ちをリセットしてパソコンに向かいます。
なので今回はそんな音楽のチカラを感じさせてくれる作品を選びました。

あらすじは、失恋したシンガーソングライターのグレタ(キーラ・ナイトレイ)と落ち目のプロデューサーのダン(マーク・ラファロ)が出会い、NYの街をスタジオにアルバムを作るというもの。

何と言っても劇中に出てくる曲が素晴らしい!グレタの心情が曲とリンクして、観ているこちらも寂しくなったり励まされたり…変わり者のミュージシャンたちが集まって生まれるセッションからは音楽の楽しさ、喜びが伝わってきます。

最近失恋してしまったという人は、心の傷にしみるシーンもあるかもしれませんが、最後には幸せな気持ちになれる映画なのでぜひおうち時間に観てみてください。

もっちゃん/山本愛生
「もっちゃんねる」にて、映画の感想や解説を中心に発信しているYouTuberです。映画は想像力を広げてくれる。皆の想像力が広がれば世界は少し優しくなる。そんなことを考えながら発信しています。
役者としても活動しており、インディーズ映画を中心に出演しています。
https://www.youtube.com/channel/UCsN0m1lwpEDOcMy4SoLI8Pw/
https://twitter.com/m0chan3

======================

森田直紀(ソーシャルディレクター)

画像23

つかう

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(15)


金も名誉も手に入れて何不自由なく暮らしていた男が、ある日突然妻を失ったことをきっかけに、忘れていた自分自身を再び取り戻そうとする再生物語。「成功者がある出来事を境に、見落としていた幸せを見つめ直す話」というとありきたりな印象を受けると思いますが、この映画は一味違います。

妻が死んでも、泣くさえ出来なかった主人公。彼は自分のことを機械と同じように考え、故障してしまったのだから一度分解すればいいと考えます。とはいえ本当に体をバラバラにするようなスプラッター映画ではないのでご安心を。仕事場のデスク、家の冷蔵庫、果てには妻と過ごした思い出の家も全部、身の回りのものを徹底的に分解していくのです。(原題はその内容の通り『 Demolition』=破壊)。

やってることは滅茶苦茶なように聞こえますが、意外とこれが腑に落ちるんです。だって仕事でも恋愛でも、失敗したり困難にぶつかったりすると、その原因を探りますよね?自分でも気づかないところにちょっとしたネジの緩みがあったりして。この作品はそういう点でコミカルな様式をとったとても現実的な映画。観ていると、まるでセラピストにカウンセラーを受けているような気分になります。本当です。初めて観賞した時、無意識のうちに涙が溢れていました。

言葉にできない苦しさや悲しみに溺れてしまいそうになった時のために、
いつも大切にしておきたい”常備薬”のような映画です。

森田直紀(ソーシャルディレクター)
元映画配給会社ファントム・フィルムのマーケティング担当。
現在は映画業界に限らずあらゆるコミュニケーションを生み出す会社でディレクターを務める。
Twitter: https://twitter.com/Naoppcom263

======================

横川良明(ライター)

画像34

つかう

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)

このコロナ禍でもっとも強く感じたこと。それは、ただ人とふれ合うことがこんなにかけがえのないものだったんだ、ということです。

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は、生きるのが少し得意じゃない、不器用な少女と少年による友情と青春の物語。喋ると言葉がつまってしまってうまく話ができない志乃(南沙良)と、音楽が好きだけど音痴でうまく歌えない加代(蒔田彩珠)。なりたいもの、したいことがあるのに、できない。そんなコンプレックスを抱えたふたりが出逢い、友達になる。

ひとりでできなかったことも、ふたりなら、ほんの少しできるようになります。みんなの前では笑顔なんて見せたことのない志乃と加代が、ふたりでいるときは屈託なく笑うことができる。海辺の街を自転車で二人乗りをしたり、西日射す橋の上でギターを鳴らして歌ったり、浜辺を裸足で歩いたり。そんなふたりを見ていると胸の奥が酸っぱくなって、制服の頃、一緒に過ごした友達のあどけない笑い顔が甦ってくるのです。

しかし、そこに同級生の菊地(萩原利久)が加わることで、ふたりの関係に微妙な変化が。10代の頃特有の、友達を独占したい気持ち。自分ひとりが置いてきぼりになるような寂しさ。すっかり大人になった今は、あの頃よりずっと器用に、自由に立ち回る術を身につけたけれど、でも本当は自分も志乃ちゃんのようにうまく言葉にできない気持ちを抱えたまま、ただ折り合いをつけたふりをしているだけなのかもしれない。誰かとつながりたくて、つながれなかったあの頃の自分がそこにいる気がして、喉に蓋をされたみたいに息が苦しくなる。

人と向き合おうとすれば、傷つくことはいっぱいあります。苦しいこともたくさんある。それでも、私たちは生きていかなくちゃいけない、コンプレックスだらけの自分のままで。そんな弱虫の勇気を思い出させてくれる『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』。特に、このコロナ禍で心が疲れてしまったような優しい人にこそ観てほしい映画です。

横川良明(よこがわ よしあき)
ライター。1983年生まれ。映像・演劇を問わずエンターテイメントを中心に広く取材・執筆。男性俳優インタビュー集『役者たちの現在地』が発売中。
Twitter:@fudge_2002

======================

よしひろまさみち(映画ライター)

画像44

つかう

『星の旅人たち』(10)

SYOさんから回していただいたバトン。はて、どうしたもんかいな。映画は星の数ほどあるし、家で観られる1本を選んで書くにはなにかテーマが……。星、星……星!!!!!

ということで、選びました。『星の旅人たち』にしますわ(安直)。これ、『an・an』4月22日号の特集でも紹介したんだけど、誰にでも観てもらいたい作品なので(ついでにあの原稿、短かったので、本当に言いたかったことを補完させてくださいまし)。ちなみに本作はDVD、もしくはAmazonプライムビデオのレンタルで観られます(現在、AmazonでのDVD在庫は品切れっぽいですが、他のショップはまだあるよん)。

ストーリーとかテーマの解説は割愛。皆さん、どうせググるでしょ。なにがいいかって、ガチの親子が作り上げた「生きるとは何かを問う傑作」なの。監督はエミリオ・エステベス(暴れん坊チャーリー・シーンのお兄さん)。主演の主演のお父さん役には実の父『地獄の黙示録』で有名なマーティン・シーン。エミリオは俳優としても活躍してるけど、監督としての手腕はすんばらしい。この作品をはじめ、今年日本公開待機している『The Public』とか、年を重ねるごとにフェアな人権目線で描くことに長けてきてらして。大作を撮るようなタイプじゃないけど、心にジンワリとぬくもりを感じる傑作を作る俊才でございます。

で、本作の何がいいかって、自分のお父さんを主役にして、人生への問いかけをさせてしまったこと。彼らの関係性を知らないで観ても充分ほっこりする作品ではあるんだけど、知ったうえで観ると「父子の信頼関係なくしては、こんなもの作れんわ!」と思えるはずなのよ。

自らの信じた成功街道で、余生まであともうちょっとがんばるか、っていう父ちゃんが「死んだ息子の代わりに彼の旅を続けてみるか」っていう、ちょっとしたきっかけから、それまで見えなかった人々や世界がパァ~ッと見え始めちゃう。これを実の父子でやるって、相当な覚悟がないとできないことよ。だって、パパのマーティン・シーンは演じたセレブ眼科医トムとは道は違えど、俳優業ではトムと同じかそれ以上の立ち位置。お父さんに「俺が同じように死んだら、こう考えてくれる?」って言ってるようなもんなのよ。親子愛、家族愛、見つめ直すのにはいい教科書。

またロードムービーらしく、旅情感もタップリだから、こういう時期にはすすめたいのよね。多国籍な旅の仲間たちの各国の常識・非常識や、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道中も、ホント知らないことだらけで目からウロコ。RPGっぽいから、ゲームムービー好きもスッと入れると思うのよねー。

日本での公開時、全然話題にならなかったのがくやしくて、はねそうなときを待っておりましたら、まさかのこのタイミング。ぜひ観ておくんなまし。

よしひろまさみち(映画ライター)
音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経てフリーに。職歴はや20ン年。雑誌の編集・執筆や、ツラさらしてテレビなどで映画紹介をしているライター。

======================

米山耕太(映画監督)

画像11

つかう

『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』(00)

クレヨンしんちゃん映画は名作が多いと有名ですが、その中でも1番オススメしたいのがこの作品です。

一つ一つのカットの構図が本当に綺麗です。
それでいて、子どもにも飽きさせないカット割りのテンポ、場面転換、色彩の転換、美しすぎる3幕構成とほどよいスリラー要素。

視覚的、ストーリー的に飽きさせないって本当に難しいことだと思いますが、サラッと解決しちゃってます。

家にいながら南国の景色を味わえますし、何より、しんちゃんたちを見ていると笑顔になれます。むかし観た人も多いと思いますが、絶対にもう一度楽しめます! AmazonPrimeでも観れるのでぜひ。

米山耕太(映画監督)
監督作品(予告編) https://m.youtube.com/watch?v=v2Q2b3gDDOs
Instagram https://www.instagram.com/yone__kome/

======================

レオモモ(某映画サイト編集部)

画像42

つかう

『ハロー!?ゴースト』(10) 

 気軽に外出できないこともあり、モヤモヤすることが多かったこの頃。「そうだ、いっぱい泣いてすっきりしよう」と思い、久々に見直した作品です。
 
 自殺に失敗したサンマン(チャ・テヒョン)が病院で目を覚ますと、4人組の幽霊にとりつかれていました。彼らを成仏させるため、自分に憑依させ、願い事を一つずつかなえてあげることになったサンマンは、その過程で看護師のヨンスに出会い、ひと目惚れ。幽霊たちの願いをかなえるごとに、サンマンとヨンスの距離は縮まっていきます。
 
 聞かれたことにしか答えることができないという、ワケありそうな幽霊たち。すべてが明らかになるラストは、いい意味でちょっと前の韓国映画らしく、これでもかというほど泣かせにきます(チャ・テヒョンの泣き顔がまたいいのです!)。

 今の時期、一人暮らしで“独り”に寂しさを感じていた私みたいな方には、特におすすめします。ほっこりするエンドロールもお楽しみに。

レオモモ(某映画サイト編集部)
美味しいお肉が食べたい人。

======================

A(某映画配給会社勤務)

つかう

『ゴジラVSモスラ』(92)

ゴジラシリーズの第19作目。
「ゴジラVS〇〇」シリーズは大体、なんとなくどこかゴジラが人間の味方的な立ち位置なのに、モスラの時は圧倒的にゴジラが悪者に見えてしまうこの不思議・・・。
モスラはもちろんの事ながら、その宿敵として登場するバトラの魅力も計り知れません!(特に成虫への変身シーンは圧巻!)

成虫になって、ビームを出せるようになるのにもかかわらずゴジラに対して距離を取らずに体当たりで攻撃を挑むモスラ(何故なのか)のガッツと男気溢れる姿に勇気づけられること間違いなしの作品です。

A(某映画配給会社勤務)

======================

A(某映画雑誌編集)

つかう

『ジョー・ブラックをよろしく』

今、おうちで観るのにオススメの映画ってなんだろう? こんなご時世だから、幸せな気分になれる映画がいい。もし時間がたっぷりあるなら、普段は「ちょっと長いな」って思うくらいの尺にもチャレンジしてもらいたい。そして、どうせならわたしにとって宝物のような、大好きな作品を…そんな思考から選ばせていただいたのが『ジョー・ブラックをよろしく』。

大富豪パリッシュのもとに死期を告げにやってきた死神ジョー・ブラック。彼はある青年の体を借りて、パリッシュの命の期日まで人間界を見学することに。そこでパリッシュの娘スーザンと過ごすうち、ジョーにある感情が芽生え始める…

3時間という長尺ですが、何度観ても長すぎると感じさせず、「生と死」「愛」という深いテーマと、機知の富んだ会話劇で作品の世界にどっぷりと浸らせてくれるヒューマン・ドラマです。

ジョー・ブラックを演じるのは当時35歳のブラッド・ピット。近年の脂の乗った肉体に、長髪・髭でワイルドさ全開の姿もたまりませんが、この映画の彼は「ザ・美青年」(青年という歳でもないはずなのに…)。巷では「ブラピが最も美しい映画」なんて言われているらしいですが、ビジュアルもさることながら、死神の威厳と気品を漂わせつつ、数々の“初体験”で見せる子供のような表情や仕草はさすがの表現力。円熟の演技で魅せるパリッシュ役のアンソニー・ホプキンス、上品かつナチュラルな美しさで目を引くスーザン役のクレア・フォーラニら脇を飾る俳優たちとの相性も抜群です。

また本作は映像美も魅力のひとつで、撮影監督は今やアカデミー賞撮影賞の常連と言ってもいいエマニュエル・ルベツキが務めています。振り返るタイミングが合わない別れ際、目をクローズアップするベッド・シーン、クライマックスの花火などなど…どこかトリッキーながら幻想的で、印象に残るシーンも多いはず。

改めて老若男女、全方位に自信をもってオススメできる作品です。なんと今ならNetflixで見放題。Amazonプライム、ビデオマーケットでレンタルもできます。ステイホームで代わり映えのない毎日に退屈している…暗いニュースばかりで気分が晴れない…そんな方はこの機会にぜひ、ジョーと一緒に人生の素晴らしさを噛みしめてみませんか? 観終わった頃にはきっと、世界が前よりキラキラして見えると思います。

A(某映画雑誌編集)

======================

R(某宣伝会社勤務)

つかう

『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』(20)

洋画・邦画実写の名作は皆さん挙げて下さると思うので、私はアニメーションで行きたいと思います。プッシュしたいのは人気アニメシリーズ「PSYCHO-PASS」の新作劇場版。3月末に劇場公開となり、コロナの煽りをガッツリ受けてしまいましたが、それで見逃すにはあまりにも惜しい作品です! 現在Amazon Prime Videoで配信中です。

「3」というナンバリングを冠しているため、「PSYCHO-PASS」の世界から少し説明しておくと、舞台は100年後の日本で、職業適性から結婚相手、今日の献立まですべてが「シビュラ」と呼ばれるシステムによって管理された社会です。こう言うとめちゃくちゃ退廃した社会っぽいですが、表面上は平和で、日本はかつてないほど繁栄しています。
本作で描かれるのは、そんな社会で犯罪を未然に防ぐ公安局刑事課1係の刑事たちの物語です。彼らは、シビュラが判定した、個人が未来に犯罪を犯すかどうかを示す「犯罪係数」を元に取締りを行ないます。その人が現時点で犯罪を犯していなくてもです。トム・クルーズ主演の『マイノリティ・リポート』のイメージしてもらえると近いと思います。
ここまで読んで、鋭い方は、「数値任せなら人が取り締まる必要はないのでは?その位発展した社会ならシステムと機械だけで完結できるでしょ」「そもそも犯罪を犯していないのに取り締まるって、その数値って必ず合ってるの?」という疑問を持つ方もいると思います。正に、そこがシリーズを通しての肝になります。

もう少し説明すると、まず基本的に「正義」というのは不確かな基準で、戦いを描いた作品ではそれぞれの正義が描かれることが多数あります。MCUでトニーとキャップがぶつかるのも、それぞれに信じる正義があるからで、どちらが正しいのかに、明確な基準はありません。法律という基準すらも、抜け道を利用する悪もいます。悪役にも自分が正義と信じて疑わないタイプが多数います。

しかし、この作品ではシビュラ・システムによって、数値という具体的な指標で、明確に正義・悪の境目が決まっています。そこに機械ではなく、感情と、それぞれの価値基準を持った人が介在することで、ドラマが生まれます。ただシステムの言いなりになって、人を取り締まればそれでいいのか、自分の信じることのために為すべきことは何なのか、そもそもシステムが100%正しいのか…。人々が全てをシステムに依存して思考停止してしまった社会の中で、刑事たちがそれぞれの矜恃を胸に戦う姿を、冷静にそして熱く描きます!

やっと「FIRST INSPECTOR」に話を戻すと、今回は3期で1係たちの前に立ちはだかった、梓澤廣一との決着が描かれます。1期から登場しているキャラクターを含め、抱いていた想いや繋がり、そして明らかになる謎が、アクション満載の超A級エンタメとして、シリーズ最長の130分越えで描かれます!正に時間のある今だからこそ観るべき作品です!
これまでの映像化作品は、劇場版と「Sinners of the System」はFOD独占ですが、初月無料ですし、他の作品はNetflixやAmazon Prime Video、U-NEXTなどで観ることが出来ます。

豪華スタッフ・キャスト、実際の格闘家の映像を元にしたリアル志向のアクション映像などなど、見所は多数ありますが、その辺は公式サイトなりネットのニュースでなりで出ているので、概要以外は割愛します。時間のある今だからこそおすすめしたいのが、関連書籍と合わせて本作を楽しむことです。映画化されている作品も多数あるため、これを機会に、既に「PSYCHO-PASS」シリーズをご覧になっている方もいかがでしょうか?「紙の本を買いなよ。電子書籍は味気ない」です(笑)。

最初に少し触れましたが、本作がベースにしているのは、『マイノリティ・リポート』の原作で、フィリップ・K・ディックによる『少数報告』、そして『シビュラの目』。いずれも短編です。
劇中では『ブレードランナー』の原作で、同じくディックによる『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』に触れるシーンがあり、その他にも『地獄の黙示録』の原作『闇の奥』や、ドストエフスキーの『罪と罰』などなど、挙げればキリがありません。これらは読んでいなくてももちろん作品を楽しむことは出来ます。
3期と「FIRST INSPECTOR」に限れば、ホフマンの『くるみ割り人形とねずみの王様』を、河出書房さんが愛を持って復刊して下さったので、詳細は下記リンクをご覧ください。
https://twitter.com/kawade_shobo/status/1242027013285662720

書きながら結構削ったのですが、長々と大変失礼しました。語ろうと思えばいくらでも語れるのですが、今回はこの辺で。時間がある今だからこその楽しみ方を書いてみました。字数制限なしとはいえ、第1弾で寄稿されているいる方々より明らかに長いので心配ですが…(笑)。
早くこのコロナ禍が収束し、スクリーンで映画を楽しめる日が戻ることを祈って。

R(某宣伝会社勤務)

======================

いかがだったでしょうか? ご協力いただいた方々に感謝申し上げます。皆さん、映画愛が止まらない。それだけでうれしくなりますよね。

最後に少しだけ、真面目な話をすると…
いま、映画業界はかなり苦しい状況にあります。「映画館が開けられない→仕事ができない」劇場・配給会社・宣伝会社の方々や、「撮影ができない」製作者の方々。作品紹介の場がなくなってしまったライターやコメンテーターの方々。

凄まじい窮地の中で、願うのは「一刻も早いコロナの終息」です。募金やクラウドファンディングも大切な救済措置ですが、みんなが「家にいる」ことが大きな助けになります。

早く、映画館に行ける日が訪れますように。
今は、おうちで映画を楽しみましょう。

※もし、「自分も薦めたい!」という業界人の方がいらっしゃいましたら、お気軽にコメントやメール「syocinema●gmail.com」(●を@に変えてください)でお問い合わせください。
















この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!