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2016年、レールを外れた 【アドベントエッセイ(218/365)】

早いものでクリスマスまであと147日を切った。


どこよりも早いアドベント企画、218日目は「2016年」の話。


シン・ゴジラの公開から4年たったらしい。


シン・ゴジラを映画館に観に行った時の衝撃は未だに覚えている。小さい頃から親しんできたゴジラが、ここまで恐怖の対象になる日が来るなんて思ってなかった。


その1ヶ月後、「君の名は。」で人生トップクラスの衝撃を受けた。世の中に、こんなに心を震わすアニメがあるのか、と思った。公開初週に見てから、金曜の夜を心待ちにしながら5回くらい映画館に足を運んだのを覚えている。


更にその数ヶ月後、「逃げるは恥だが役に立つ」に衝撃を受けた。世にこんなキュンキュンするドラマがあるのか、と思った。毎週火曜夜を心待ちにしたのを覚えている。


大学を卒業してからというもの、目的地もないままダラダラと進んでいく社会人の日々に息苦しくなっていた時期だったからか、心を潤す非日常を渇望していた。


その年の12月、私は新卒の切符を捨てて、正規ルートを外れる道を選んだ。


それからすったもんだの珍道中を繰り広げ、レールを転げ落ちたら落ちたで案外色んな道があることを知り、私の世界はそれまでと比較にならぬほど広がった。


目的地は以前わからないのに変わりはないが、2016年に感じていた閉塞感や息苦しさは感じなくなった。


2016年に世間を賑わせた歴史的なヒット作たちが、レールから飛び降りる推進力の一端を担ったのは間違いないだろう。


2016年は、これからも特別な1年としてたびたび振り返ることになりそうだ。

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