見出し画像

アドベントエッセイ(12/365) 寄り道大好き

早いものでクリスマスまであと353日を切った。

どこよりも早いアドベント企画、12日目は「人生の寄り道」についての話だ。


新宿で開催されていた「シルバニアファミリー展」に行った。
 
私自身はシルバニアファミリーのことを名前くらいしか知らず、小さいころから好きだったという友人に同行した形だった。
 
展覧会には、1985年の発売当時から今に至るまでにリリースされた商品がずらりと展示されていて、友人が会場を歩きながら、子供の時持っていたミニチュアにまつわるエピソードを聞かせてくれた。
 
楽し気に語る様子を見て、なんだかこちらまで嬉しい気持ちになった。
 
私は、「好きな寄り道」を心に持ち続けている人が好きだ。無くても生きていく上では困らないけれど、あると人生を豊かにしていくれるもの。趣味とほぼ同義だが、何となくそれ以上のものも含んでいる気がして、「寄り道」と呼んでいる。

 
寄り道ができるということは、心に余裕がある証拠である。だからこそ、寄り道の種類やかかわり方に、その人の人柄や内面がとりわけ表れやすい気がする。誰かの寄り道を知ることは、その人の人生を作ってきた大事な1ピースに触れる瞬間なのだ。
 

さらにもう一つ副産物があって、自分の世界を広げるきっかけにもなるのもよい。もし友人が声をかけてくれなければ、私はシルバニアファミリーについて、「世界的に人気な児童向けおもちゃ」程度の認識のまま過ごしていただろう。

 
展覧会に行ったおかげで、一人だと触れることがなかったであろう同シリーズの歴史や変遷を知ることができ、想像をはるかに超えた奥深い世界を楽むことができた。マジで、子供がメインターゲットのシリーズとは思えないくらい作りこまれてるんだこれが。

私にとっても、一つ新しい寄り道になったのだ。
 
寄り道の数だけ人生は豊かになる。猫のファミリーのミニチュアを持ってほくほく顔でレジに並ぶ友人を見て、


「つくづくいいな」


と思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?