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アドベントエッセイ(163/365) 熱々のチーズドック

早いものでクリスマスまであと202日を切った。


どこよりも早いアドベント企画、163日目は、熱々のチーズドッグを食べた話。


仕事が終わってから、日用品を買いがてら街に出た。100円ショップで買い物を済ませたあと、フレッシュネスバーガーに行った。


「いらっしゃいませ。店内でお召し上がりですか」


店内は、人もまばらで、所々使えない席が用意されている。


「じゃあ店内でお願いします」


私は、お店で食べて帰ることにした。緊急事態宣言が解除されてから、初めての外食である。席につくと、ちょっとだけソワソワした。


5分後、注文した品が運ばれてきた。早い。


頼んだのは、チーズドッグと、ベーコンオムレツバーガー。私は、まずチーズドッグを食べると決めていた。


ほかほかのチーズソースがたっぷりかかっている。かぶりつくと、ソーセージの肉汁が口の中で弾けた。


「やばい、めっちゃ旨い」


ひとり、心の中で悶絶した。緊急事態宣言が出てからは、お店でご飯を買っても全てテイクアウト。出来たての状態で食べるのは、本当に久しぶりである。


特に、チーズを使った料理は、出来たての味と、うちに帰って温めなおした味とに大きな差があることを実感していた。(このチーズドッグも、1回テイクアウトで食べて、かなり切なくなったことがある)


だから、熱々のまま食べたチーズドックに、大変感動したのだ。こってりしたチーズの味と、ソーセージの肉汁、冷たいピクルスの酸味の重なり方がもうやばい。


「ホットドッグは、出来たての、この温度のバランスで食べるのがベストなのだ」


引き続き警戒は必要だけど、ほんの少しだけ自粛前の生活の感覚を体験出来て、とても嬉しかった。


きっと、熱々のチーズドックの話は、この頃を思い出すエピソードとして心に残るだろう。

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