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#50. 部下のモチベーションを上げる簡単な方法

「部下のモチベーションを上げるにはどうしたら良いのかわからない」とか「そもそも部下のモチベーションを上げるのは上司の努めではない」等と言われたりします。
そうは言っても「何とかしないと会社が心配」「部下が育たないのは私のせい」と悩む部長・課長さんも多いことと思います。

色々な本を読んでいくと、相反する主張が為されていて訳がわからなくなったり、本の通りやったが、実際に役立ったかどうかよくわからないと言った悩みも良く聞きます。

その場に相応しく、個々のニーズや反応に合わせたメッセージが重要なのは言うまでも無いと思いますが、「個々のニーズに合わせる」というのがどう言う事なのかわからないと言う方は多いと思います。
ここではニーズとは、人が根源的に求めている幸福感の事と定義して話を進めますが、まずは6ヒューマンニーズの説明を、ご存知ない方はまずは以下をご確認ください。

このニーズを知る為のアセスメントのページが存在し、無料で診断が可能ですので、誰でもご自身の根源的なニーズを知る事が出来ます。ご興味のある方には私が参考にしている下記外部リンクで調べてみてください。(私とは全く関係のない組織が行っているページですので自己責任でアクセスください。英語ですが平易な設問ですので、さほど難しくありません。私は定期的に何度も自己診断していますので安心なサイトだと思いますが)。

まずはご自身のニーズを知り、質感を把握した上で、部下にも時期をみてニーズを時期を調査してもらうのが良いと思います。

その部下が反応しやすい幸福感が把握出来たら、あとはそこにアプローチするだけです。
簡単ですね。
もし部下のアセスメントが取れない場合でも、なんとなくわかるものですのでチャレンジしてみてください。

貴方が部下に発するメッセージは概ねこんな感じになります。

1. CONTRIBUTION 貢献意欲の強い人へ
「⚪︎⚪︎さんがチーム全体の成功に大きく貢献してる。このプロジェクトも⚪︎⚪︎さんがいるからこそ、達成できると私は信じてるんですよ。」

貢献意欲の強い人はエンドルフィンが反応する可能性があります。エンドルフィンは、他者に貢献することで得られる満足感や幸福感を増幅します。その情景をイメージしてもらうのです。「貴方の貢献に感謝している」というメッセージがこの方には最も効果的です。

2. GROWTH 成長意欲の強い人へ
「最近の成果は素晴らしいね。今後も新しいスキルや知識を習得していくことで、さらに成長し続けられると思います。次のステップも一緒に挑戦していこう。」
これは、成長意欲の強い人が反応しやすいドーパミンにアプローチする事例です。次のステップを明示する場合は、彼が少しストレッチすれば届きそうなレベルを示唆するのが良いでしょう。

3. LOVE 愛と絆に反応する人へ
「あなたの支えが、チーム全体の士気を高めています。一緒に働くことで、私たち全員が強い絆で結ばれていると感じます。これからも一緒に頑張りましょう。」
オキシトシンに反応しやすい方へのメッセージです。女性に多いと言われています。分析的・論理的なメッセージを避け、仲間との絆という感情的なメッセージを発しましょう。

4. UNCERTAINTY ワクワクドキドキ・好奇心に反応する人へ
「次のプロジェクトには新しい挑戦がたくさんあります。あなたのクリエイティブなアイデアとエネルギーが必要です。エキサイティングな冒険に一緒に挑みましょう!」
ノルアドレナリンにアプローチします。後述する安心安定を求める方には使ってはいけないメッセージです。混沌やカオスにワクワクする人にとってはパワフルなメッセージになります。

5. SIGNIFICANCE 自己重要感に反応する人へ
あなたの成果は素晴らしいです。あなたがこのプロジェクトに参加していることが、全体の成功に大きな影響を与えています。次も大きな役割を期待しています。」
こちらもドーパミン、特に「貴方が素晴らしい」とストレートに伝える事が大事です。

6. CERTAINTY 安心安定に反応する人
「あなたの安定したパフォーマンスが、チーム全体に安心感をもたらしています。この安定感があるからこそ、私たちは安心して仕事に取り組めます。これからも頼りにしています。」
「あなたの冷静さとリラックスした態度が、チーム全体の雰囲気を和らげています。この安定感を維持しながら、これからも一緒に頑張りましょう。」
このように「安定をもたらす事がお互いに大事」というメッセージが効果的です。

ここで重要なのは、貴方が言いたい事ではなく、相手が求めるニーズにアプローチするという事です。誰にどのメッセージを出すかを見極める能力がとても重要だと言う事です。
人はそれぞれ違います。不思議なくらい「食いつく言葉」が違います。誰もが同じ言葉に食いつくわけではないという事が伝わったかな、と思いますが、如何でしょうか?

ついでに、部下のモチベーションに影響を与える神経伝達物質の特徴を記録しておきますので、どうぞ参考にしてください。
なお、6ヒューマンニーズ自体は、神経伝達物質と符号させて説明されているものではありません。これはあくまでも私の解釈である事を注記しておきます。

オキシトシン: 社会的絆や信頼を形成し、他者への貢献や協力を促進。安定した社会的関係を強化し、安心感を提供。
セロトニン: 安心感や満足感を与え、他者との協力関係を強化。
エンドルフィン: 他者に貢献することで得られる満足感や幸福感を増幅。成長過程で得られる達成感や幸福感を強化。愛情や絆を感じることで得られる幸福感を強化。
ドーパミン: 新しいスキルの習得や目標達成時の報酬感を高める。成功体験による報酬感を強化。
自己評価や達成感を高め、モチベーションを強化。
ノルアドレナリン: 挑戦や学習への集中力と覚醒状態を維持する。
セロトニン: 安心感と安定感を提供し、社会的つながりをサポート。安心感や安定感を提供し、心の平穏を保つ。

これらの神経伝達物質は、それぞれの部下のモチベーション源に対応して、適切な言葉や行動を通じて刺激することができるのです。

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