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サマリー:マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(’Where to Invade Next’ by Michael Moore)

https://en.wikipedia.org/wiki/Where_to_Invade_Next
アメリカ社会の不合理や矛盾を切り取るマイケルムーア監督の「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」を見て、ヨーロッパ諸国の文化や制度が素晴らしすぎたのでシェア。勿論欧州の良い部分にフォーカスした映画なので、実際には課題も色々あるのだろうけど、それにしても良いなと思ったのでここに残します。

イタリア(有給休暇)
・企業と国が従業員の有給休暇を保障。
・警察官の彼とアパレルのバイヤーの彼女にインタビューしたところ、彼らは毎年2回、バカンスを取る。それぞれ2週間くらい。彼は有休消化ができてなくて、80日間の有給の残数があるとのこと。
・イタリアの衣料品工場では、昼休みが2時間あり、有給も多くある。工場の経営者は従業員が休みを取ることを奨励しており、「利益を出すことよりも従業員が幸せであることが大事」

フィンランド(教育)
・宿題は無く、テストも筆記のみで、選択式テストはほとんどない。
・マルチリンガルの学生が多数。
・教育の目的は、子供が幸せな人生を送れるようにすることにある。(By 数学教師)

フランス(給食)
・小学校では、毎日1時間かけて4品のフルコースで給食をとる。
・市長も給食のメニューに関与するほど、食育に対する関心がある。
・フランスで最も貧しい地域の小学校の給食でも、3品のコース料理だった。

スロベニア(大学無償化)
・全ての大学生の学費が無償であり、外国人に対しても同様。
・国が学費を有料にしようとした際には、学生がデモを行い、法案を破棄させた。

ドイツ(歴史教育)
・ナチスドイツの歴史を徹底して教えるため、国民全員が同じ認識と反省を歴史に対して持っている。

ポルトガル(麻薬の非犯罪化)
・アメリカでは黒人の権利運動が活発化するのと時を同じくして、麻薬の厳罰化が始まり、黒人の逮捕者が増加。
 →監督によると現代の奴隷制。選挙権も剥奪される
・死刑は尊厳を冒す

ノルウェー(刑務所)
・115人の受刑者に対して4人の看守(模範囚)
・ポルトガル同様、受刑者も投票権は剥奪されない
・最も厳しい刑務所でも、基本は教育施設
・アメリカでは、受刑者の80%が5年以内に再犯、ノルウェーでは20%
・54人の少年少女が銃殺されたサマーキャンプの父親も、犯人に対して復習したいと思わないと言い、「私に殺す権利はない」
 →最大21年の刑(最長でも21年)

チュニジア(女性の権利)
・ジャスミン革命によって独裁政権が倒れ、2014年に市民の活動により憲法に女性の権利を明記することに。その後女性の権利に否定的だった政権は総辞職。
・チュニジアのニュースキャスター、アメリカ人にアドバイスするとしたら?に対して「知ろうとすることをやめたら何も変わらない」

アイスランド(金融きき)
・1980年に世界初の女性の大統領(世界を救えるのは女性しかいない)
・金融危機で破綻していない唯一の銀行の頭取は女性(リーマンシスターズだったら破綻はなかったのでは。あれはただの巨根比べだったのではないか)
・70人近い銀行家が起訴され、有罪になった。一方アメリカでは多くの金融関係者が不起訴。
・アイスランドのCEO(女性)「世界も家族のようなもの、お互いに支え合わなければ」
・世界ではもっと女性の視点で物事が決まっていくべき

ドイツ(ベルリンの壁)
・冷戦時、ベルリンの壁は永遠に思われたが、ノミとハンマーで壁を壊し始めたら崩壊した。
・同性婚も同様で、数年前まで法的に認められていなかったのに、今では合憲

まとめ
・欧州ではアメリカより優れた制度があるが、全てアメリカにもあった制度ばかり。
・19世紀にミシガン州は死刑を廃止していたし、女性の権利運動もアメリカでは活発だった。アメリカにも希望はある、という話。

感想
・ベルリンの壁が壊れたように、チュニジアで独裁者が倒されたように、日本でもやろうと思えばなんでも出来るはず。大事なのは信じることだと思う。

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