見出し画像

IoTで気象観測(その6) - 課題1

今回から数回に分けて、観測システムの課題について述べることとする。今回紹介するのは、観測環境の影響についての課題である。

下記の二つのグラフは、前回も紹介した自宅ベランダ(4F)の観測データである。上図は気温と湿度、下図は日照である。

自宅_気温・湿度

自宅_照度

前回述べたように、日中、晴れ間が広がると気温が上がり、雲が多くなると気温が下がることがわかる。

当たり前のようではあるが、下記は自宅から数百mしか離れていない実家の庭で測定した、同じ日の気温と湿度のグラフである。日照の変化による気温、湿度の明確な影響は見られない。

実家_気温・湿度

測器は、実家の庭の木蓮の木に設置した。南側はお隣の家があるため、冬は一日中、日陰になっており、土の地面でもある。また、太陽高度が高い夏場は、南側のお隣の家の陰にはならないが、木蓮の木は葉が生い茂るため、測器は日陰になり、観測場所としては適した場所と言える。

気温を比較すると、自宅ベランダでは20℃近い最高気温を記録しているが、実家の庭では最高気温は13℃くらいである。ちなみに、この日の大阪(管区気象台)の最高気温は12.5℃である。

この違いは、実家ベランダは鉄筋コンクリートの建物でもあり、日差しがあると建物からの放射熱が強くなり、周囲の気温が上がっていることが原因と考えられる。実家は木造住宅でもあり、日照による放射熱の影響は相対的に小さい。そのため、本来であれば、実家の庭のような環境で測定するのが正しい。

実は、実家で観測することを一時実施しようと試みた結果が上記の実家の庭の観測グラフだが、夜間は雨戸を閉める影響で、Wi-Fiの電波の届きが悪く、欠測が多くなる問題などがあり、一旦断念している。

また、そもそも気温の測定は、地上から1.5mと決められている。その意味でも、実家の庭で測定できないか、今後も検討していきたい。

よろしければ、サポートをお願いします。 より多くの方に役立つnoteを書けるよう頑張ります!!