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読書メモ|After GAFA

note504にちめ。

「After GAFA 分散化する世界の未来地図」(小林弘人著)を読んだメモ。

Google、Amazon、Facebook、Apple。インターネットを牛耳る巨人の活動に影を落とすもの。インターネットの分散化と中央集権化の歴史を踏まえて、巨人に情報が握られた現在の、その次にくる世界について書かれている。

これから
「ビッグ・アンバンドル」、中央集権的で信頼ならないインターネットを分散化し、個人の権利を取り戻す。インターネットに信頼を備えさせる。

その肝は肝はP2P、ブロックチェーン。Winnyやビットコインの事件で、“怪しいもの”扱いをされることも多い技術が何をもたらしうるか。丁寧に説明されていている。これらの人間の心理をうまく織り込んだ仕組みが興味深い。

金融・保険・行政分野でも取引コストの低下が起こる。これまで大組織がメジャーな需要に応じることしかできなかった分野で、ニッチなサービス・小さな事業者が活躍する。

ビジョン・ドリブン
インターネットの反骨精神は「日本インターネット書紀」でもポイントにあったので読みやすかった。こうあるべき、変えるべきの思いが強くあってたたかっている。これは「完全教祖マニュアル」の宗教が生じるときにも共通するヤモ。

事業にしても。

“先ず社会に対するビジョンがあり、それを実現するために、どのようなテクノロジーがほしいのか、と彼らの多くは発想する。”(p.228)

用途探索型の事業開発が得意な組織にいた身には、ビジョンをうまく示せなかった身には、敗北感を起こさせる項である。

その他
盛り上がっている場はCloseでありかつClosedでない、も印象的だった。人のつながりの信頼性はまだまだ強い。非デジタル関連では、デジタルの潤沢化でアナログの価値が増すはなしも。

知財屋、法律関係の仕事の人として
あるべき世界のための法整備、アーキテクチャの設計のはなしもでてくる。専門外ながら、おもしろそうなところである。

知的財産に関しては「ライセンス・チェーン」の話題も。特許の証券化。不勉強にて知らず、チョト調べてみます。知的財産は価値の計りにくいもの、どう扱われるか、アップデートしていかねば。


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