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オーストラリアで寄付をして、節税しよう。

皆さん、寄付ってしてますか?

ここオーストラリアも景気は下がり目、物価高だけどお給料はそれほど上がらない…と、日々の生活に苦労している人は多い。
でも、もっと苦労している人は多いんだろうなあ。

戦災、自然災害、環境破壊で被害を被っている人や動植物。そして景気が悪くなるとまっさきに予算を減らされがちな文化団体。リストはもっと続くであろう。

そんな世の中で寄付をするのって、どういうメリットがあるのだろう?

まず一番の理由は、自分が助けたい人、団体を直接支援できること。
本当ならば国や行政が支援するのが一番なんだけど(税金払ってるんだしさ)、とかくお役所仕事は手間暇がかかる。
なので自分が直接お金を払うのが手っ取り早い支援となる。

そして、寄付をすることにより、自分も誰かの役に立っているんだなあ、という自己肯定感を味わうことができる。
まあ、寄付にも色々あって、すべてがバラ色、というわけでもないし、自分の寄付金が100%自分の意にかなった使われ方をされるか、という疑問もある。
寄付しても世界では相変わらず戦争、貧困、環境破壊が起きてるので、オレがこんなことをしても無駄じゃないの?みたいな無力感も感じる。

でもさ、いいじゃないの。自分ができることをすれば。僕は、寄付は自己満足でもいいと思う。やらないよりは、絶対マシだから。

そしてこれが今回のメイントピックですが、寄付をすると節税になる。

オーストラリアで働いて所得を得ている人は、毎年タックスリターンという、いわば確定申告をする義務があるのだが、一定の基準を満たした寄付をすると、その額を控除できるのだ。

オーストラリアの年度末というのは6月末なので、今この文を書いている6月になってからは、「寄付してね!」というEメール、郵便が本当に多い。下の写真も、僕がよくランニングをしている公園施設に最近掲げられている広告だ。QRコードを読み取ると寄付ができるウェブサイトに飛ぶのだろうな…。

どうせ稼いだ額の一部は税金で持っていかれるのだから、その一部を自分の推し団体に寄付して、自分もいい気持ちになれば一挙両得ではありませんか!

ということで、今回はこの寄付及びそれをどのようにして控除するのか、ということを書いてみよう。

お断り:この記事はあくまでも僕個人の経験によって書いております。寄付を実際される際は、ご自身で情報を確認して下さい!

まず、どういいう形の寄付が、所得控除になるのだろうか。オーストラリア税務署のウェブサイトの抜粋。

To claim a deduction, you must be the person that gives the gift or donation and it must meet the following 4 conditions:
1. It must be made to a DGR.
2. It must truly be a gift or donation – that is, you are voluntarily transferring money or property without receiving, or expecting to receive, any material benefit or advantage in return. A material benefit is something that has a monetary value.
3. It must be money or property – this can include financial assets such as shares.
4. It must comply with any relevant gift conditions – for some DGRs, the income tax law adds conditions affecting the types of deductible gifts they can receive.

ATO Website

雑に解説すると、まずDGRの資格を有している団体に寄付をしないと控除はできない。
DGR とは、Deductibule Gift Recipientの略で、寄付控除の資格を有する受取者、というような意味。

まあ、知られた団体ならばほぼ必ずDGRになっているし、その団体のウェブサイトを見れば確認できるけど、気になるなら以下のサイトで検索できる。

基本的にオーストラリアにある、ちゃんとした団体に寄付をしないとダメということで、例えばクラウドファンディングサイトを通しての寄付や、日本のチャリティ団体に寄付をしても控除は受けられないはず。
UNICEF, 赤十字といった国際的な団体も、それらのオーストラリア支部に寄付をしないと控除にならない…というわけです。

それから、純粋な寄付であることも肝要で、例えばラッフルチケットを買う、見返りに金品をもらう、なんてのは控除対象外となります。ま、当たり前か。

まあこのあたりが基本的なガイドラインになる。

さて、控除できる金額って、おいくらからなのだろう?
それなりの金額を寄付しないと控除出来ないんじゃない…?と思っているあなた、そんなこたぁないんスよ。

なんと、2ドル以上の寄付は控除対象になる。2ドルなんて、今日びのオーストラリアではボトルの水が一本買えるか買えないか…といった金額じゃないの。これなら、誰でもできるよなあ…このあたり、寄付する窓口を広げているオーストラリア、やるじゃんと思う。

僕もそんなに金持ちではないから、寄付する時はたいがい$20-30程度。それでも控除できるというのはありがたい。

ちなみに、日本の場合を調べてみたら2000円が最低金額だそう。オーストラリアの10倍か…。

さあ、そういう事前知識を得たうえで、どこに寄付しようか?

これはもういくらでもあるので決めるのに困るくらいだが、いくつかの例を挙げると、

  • メジャーな団体 (Red Cross, Salvation Army, UNICEF Australia…ただ、先述の通りこういった国際的な団体は、そのオーストラリア支部に寄付をしないと控除が受けられない)

  • 野生動物保護団体 (僕はWIRESという団体に寄付してます)

  • 文化団体 (美術、音楽など…たとえば、Australian Brandenburg Orchestra)

  • 特定の病気に対応するNGO (Cancer Council, Beyond Blueなど)

  • 近所のNGO

…などなど。いやホント、苦労している人たちはたくさんいるなあ…。

もちろん庶民の我々はその全部に寄付するなんてのは不可能なので、自分が好きな団体に寄付すればいいのではないでしょうか?

そしてどうやって寄付するか、だけどこれはオンラインでやるのが一番ラク。

自分が寄付したい団体のウェブサイトに行けば、だいたい大きくDonateみたいなセクションが目立つところにあり、そこをクリックして自分の名前などを入力し、クレジット、デビットカードを使って決済する。

ここで大事なのは、必ずレシートをもらうこと。オンラインの場合、Eメールで送られるので、メールアドレスを間違わないように。

さて、これで寄付は完了!

その後は、7月に入ってからのタックスリターンの際に、これを申告するのを忘れずにやること。

自分でタックスリターンをやる人は、Deduction - Gifts or donations という項目があるので、そこに自分が寄付した金額を入力する。そうすると、その金額が課税対象額から差し引かれるので、結果納税するべき金額も減るというわけです。

僕も今年度の寄付額を集計してみたら、$250ほど寄付していた。これが多いか少ないかは何とも言えないけど、寄付した額は税金の対象外になるのでその気が起きやすい、というのは間違いない。
はっきりいって、もし寄付が控除対象にならなければ、僕を含め多くの人が寄付をためらうと思う。

さて、今年のタックスリターンで寄付控除を受けるには、オーストラリアの年度末である6月末までに寄付をしないといけません。

良い経験にもなるし、最小金額の2ドルからでもいいので、ぜひ皆さんやってみよう!

…とここでちゃっかり宣伝させてもらいますが、僕も今、主に知的障害者をサポートしているさる団体のために寄付金集めをやっておりますので、もし良かったらご協力ください!