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豪州上陸記念日

今日は、僕の豪州上陸記念日だった。

28年前のこの日に(夜だったけど)、シドニーに降り立ったんだった。

1996年6月18日のことである。

その時のパスポートはもう表紙が経年とともによじれているし、顔写真を見ると自分の顔の余りの若さに「うわ!」となる。

この日より後に産まれた人も、もう28歳になっているわけで、実際そんな友達、仕事仲間もたくさんいる。
この人たちが産まれたときは、オレはもうシドニーにいたんだなあ…と思うと、なにやら感慨深い。

僕はつい先月54歳の誕生日を迎えたので、人生の半分以上はオーストラリアで生きていることになった。国籍も変えたので、もう名実ともにオーストラリア人(もちろん、日本というバックグラウンドは消えるわけもないが)。

人生にもしも、はないので何とも言えないが、オーストラリアでこんだけ長く生活しているということで、自分という存在もベターになっているだろうな、と思う。

理由はいくつかあるが、まず自分の性格としてけっこうメンタルが弱い。オーストラリアの割とゆるい社会でも、仕事が忙しいとイライラしてしまい、性格が悪くなっていた。今は仕事の量を減らしたり、のらりくらりとかわすベテランピッチャーのような態度でやり過ごしているのでマシになってきているけど…。
そんな自分の性格では、とかくストレスが溜まりやすい日本社会で生きていたら、けっこうヤバい(悪い意味で)人格になっていそうな気がする。

また、ホントに様々なバックグラウンドの人が集まっているオーストラリアで暮らすことで、自分のものの見かたもかなりフレキシブルになって来た。なんていうのかな、人を見かけ、人種、年齢…などで判断しないようになった…というか。

オーストラリアだって天国じゃないし、暮らしていて腹が立つことはもちろんある。でも、全体的にみると、すごく良い選択をしたな、と思っている。


特別の日といえばそうなので、今日はオーストラリアを代表する、と言えるカフェ、Bills(日本にもありますが)に行き、ここのシグネチャーディッシュともいえるリコッタパンケーキを食べた。

まぁ、家から徒歩5分の場所にあるので、めちゃくちゃ簡単な儀式だったけど。

まだまだ人生は続く(はず)だけど、今日はいったん立ち止まり、「よくやってるじゃん、自分」と言ってやることにしよう。

(おわり)

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