まんがで読破:共産党宣言を読み解く

資本主義は感覚的に理解できても
共産主義がどういうものかは理解できていない。
それを言語化して説明できた時、始めて理解できたと言えるだろう。

①冒頭~新たなる統率者まで

機械の発達による生産力の向上。
人間が機械を動かし、機械が人間を拘束する時代。

・機械の調達と開発ができる者
・利益を試算し生み出せる者
・人を使うことに罪悪感の無い者
これらを持ち合わせる者が、その時代の富みゆく”ブルジョア”となった。

一方で
・生活の選択肢が無い者、選択肢を奪われた者
・人を使うことに罪悪感があり、共感性が高い者
そういった人々が”ブルジョア”に利用される者達となった。

類似例:封建社会。
君主が臣下に領地と特権を与え、
その代償に臣下が忠誠を誓う、”契約社会”。

この形態は君主と臣下の信頼関係あってのもので、
仕えるべき君主でなく、
領地と特権を与えられない臣下、
という構図を想像すれば、後の出来事は想像しやすい。

どの時代でも
”君主たらしめる者”が一定数存在し、
”臣下たらしめる者”が一定数存在する。

君主の才能は、必ずしも全ての人々に善をもたらさない。
臣下の傾向は、必ずしも全ての君主を善に導かない。
封建社会が終わった後の時代において、
自己の利益に固執する”数多の君主の才能”が後を絶たなかった。

そして君主たる才能を持つ者達はどの時代においても、
その強い自己意識が
富む道へと強く惹き寄せてしまう。
強い者へと強く惹き寄せてしまう。

大規模な戦争と戦いの無い時代が、
自分と人がどうあるべきかを問わないせいで、
善なる思想と理念を持った者が少数しか育まれなかった時代。

最早、人類は”統べる者”と”統べられる者”の戦争をしていた。
その構図を理解する事が無い人間も多く。
人間が持つ太古からの原始的な要求は、
当然の時代と人々の争いを迎えていた。


あり方に疑問を呈する者も、
どの時代においても一定数存在した。
あり方に疑問を呈し、
人々が求めるモノを提示し利用する者も一定数存在した。

どの時代においても、
資質、才能、思想、主義、持たぬ者達
それらによって時代が常に動いている。


②新たなる統率者~社会主義の台頭と終焉

利用する者とされる者という構図に対し、
更に利用する者と、打破しようとする者が居た。

社会主義。
財産と生産手段を国有化し、
リソースを管理共有する事で
平等な社会を実現しようとする思想と主義。

ブルジョアによる過酷で安い賃金の環境に対し、
合理的で平等な社会主義を唱える者の登場。
ブルジョアに利用される者達は当然、
この社会主義を主張する者達へと殺到し賛同した。

それを人々はユートピアと呼んだ。
しかし出資者が資本主義側の人間と同じであると見抜き、
疑う者達も当然居た。

そうであっても社会主義は利点があった。
・短い労働時間
・快適な職場
・教育、住宅、食堂と売店など、設備の完備


問題点。
貧富の格差を無くす思想主義に対して、
その社会主義を唱える者は頭のネジが外れていた。

・規格以下の生産力は排除死刑
・ルーチンから外れる者を排除死刑
・何より、その社会主義を求める者が”権力”を求めていた
・ブルジョアの武力と権力に対して防御することが困難
・平等に分配する組織には、絶対的な権力と刑罰が必要

ユートピア社会主義に労働力を奪われては、
ブルジョアは栄え富む事が出来ない。

ブルジョアは社会主義を破壊しようと行動する。
社会主義はブルジョアの攻撃に対して抗議し防御する。

社会主義を統べる者の異端な思想、
社会主義の外部への貧相な対応。

あらゆる弱点と弱さが、
社会主義を時代にすらさせず、
一つの思想として時代の一旦に傷跡を残しただけだった。

結局ユートピアも、創始者の投資と事業に過ぎなかった。
ブルジョア、引いては社会主義にさえ懐疑的になり、
本質を見抜く者達が居た。


③人類史の共通点と、筆者の見解
・労働者は生きるために賃金労働しなくてはならない
→x。賃金労働しか出来ない者の選択肢がそれしかない。

・新たな主義によって労働者が主人公になる
→x。主人公など存在しない。統べる者と統べられる者だけ。

・働く者はいつも貧しく、働かない者が富む。
→○。原始的な理。

・支配者が富を収集する限り、同じことが繰り返される。
→○。このループは基本的に止まらない。
必ず平均値が存在し、それを絞れば下がる。
解放すれば平均値になる。
解放しすぎると上ブレてしまい、その後に収束する。


その本質を見抜き、”私有財産の廃止”が始まる。
並び、それを実現するために、労働者は選挙権を求めた。
そして政権奪取をする時代へと進んでいった。

・・・しかし、ブルジョアの影響力は依然強く、
優れた政策や思想人格があっても、変革者は破れていった。



④結果として共産主義とは
A.よくわからなかったです・・・

私的所有の廃止が最後の目的だという結論は理解した。

しかし、共産主義の最終的で決定的な実現方法は
「形成された社会秩序の暴力的転覆」
という説明があった。
この説明だけで共産主義の目的を理解できる。

なるほど、全てが繋がる。

だとして、形成された社会秩序を破壊したとして何になるだろうか。
また再び社会秩序が形成されるだけだ。
世界が、国が、有する人間の割合傾向が変わらない限り。

形成された社会秩序を必要とする者が居ると俺は考える。
であれば、新たに社会秩序を形成したい。新たなる世界と土地で。
人々の棲み分け。それが俺の求める主義である。
そんな事を考えても実現するわけじゃないけど。


どうであれ、世界は未だにその問題を引きずっている。
令和になった時代でさえその答えを出せていない。

答えを出すことが怖いから?
実行すれば反発されるから?

であれば内部からじっくりと進行していくのが確実。
それが活動家と主義家のやり口、現代の政治戦争。

そして共産主義はいつだって爆発する可能性がある。
彼らにとって、
破壊した後の事など考えていないのだから。
破壊する事が目的なのだから。
そういった人間の割合が0で無い限り、
現代はブルジョアとそれに纏わる者達が、今も蠢いている。



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