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よなよなエールをまず一度飲んでみよう。

「よなよなエール」というビール。
軽井沢のヤッホーブルーイングという醸造所で醸されている。不況の酒造業界にあって、18年連続の増収を続けている驚異のクラフトビールメーカーなのだ。

この美味しさに気づいたのは1年前。それ以来、結構なペースで飲んでいる。伊勢角屋麦酒は美味しいが、正直値段がお高い。やはりハレの酒なのだ。その点、同じクラフトだとしても、「よなよな」の価格は270円程度、大手メーカービール+40円といった価格帯で買える。お手軽にエールビールを楽しむことができる。

僕たちが日常飲んでいる大手メーカーのビールは分類的に「ピルスナー」と言って、世界に存在する100種類以上のビールのうちの1つに過ぎない。要は、冷やして喉越しを楽しむビールだ。これはこれで美味しいのだが、他のビールを味わいたくなるのが、酒飲みの性でもある。

この「よなよな」は「エール」というカテゴリに分類され、前述のピルスナーの対極に位置する。作法として、キンキンに冷やさず、飲用温度帯は13℃前後として、香りと味わい、余韻を楽しむビールである。なので、冷蔵庫から出して1時間常温に置いておく。これがポイント。

そしてエールの醍醐味は、この香りにある。エール酵母が発酵時に発出するエステルという芳香物質がフルーティな香りを作る。他にもホップによる香りも付加され、複雑で重層的な香りを楽しむことができる。これがピルスナーとの大きな違いだと思っている。

ヤッホーブルーイングを支えているのは、超熱狂的なファンである。10%のファンで、売り上げの65%を占める。妥協しない醸造ポリシーに加え、SNSやネットに活路を見つけた戦略で台頭してきた。彼らの目標は、国内ビールシェア1%だという。今のオリオンビールの規模感である。

このエールの美味しさを堪能するたびに、マジでオリオンを抜くのでは?と思ってしまう。本当に美味しいクラフトだ。そして、この価格設定は手軽にエールが楽しめるというのもうれしい話。よなよなを起点として、ブリュードッグ、ドッグフィッシュヘッドといった世界の美味しいビールに出会うことができた。でもやはり、日本人の嗜好に寄り添う、よなよなと伊勢角屋に戻るのだけど。

飲んだことのない方は是非。ローソンにひっそり(本当にひっそり)売っているので、探してみておくれ。もしかしたら、深遠なクラフトビールの世界にはまるかもしれない。

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