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省察研究その12「寄り添う社会科」

【出来事】

今回の社会科の授業は初めて学年の先生たちに参観していただいた。

授業が始まり、先生方が教室に入ってくると教室の雰囲気が変わった。

すぐに、Hさんに目をやると、目をパチパチさせて、肩が上がっている。

今まで見たことない緊張。

当然のように、周りの児童も一様に緊張していた。

 そんな緊張の中始まった授業。

今回は「どうして御家人は天皇に味方したのだろう?」という問いを立てた。

Hさんは「幕府への不満が大きくなったから」という予想を持ち、発言をした。Hさんの発言の後、Zさんが「~」と発言した。続けてOさんが「~」と発言した。二人の予想は、Hさんの不満を具体的に言ったものだと判断し、Hさんの予想に戻り、繋げた。


 今回用意した資料は、御家人の分割相続についての資料と北条氏の守護の数についての資料だった。資料を読み込む子どもたちからつぶやきがあまり出てこない。難しかったようだ。グループでの話し合いを早々に切り上げて、担任が黒板を使って資料の読み取りの手助けをすることになった。

【担任の省察】


 前回の授業を受け、全員に学びのある問い・資料を課題として臨んだ今回の授業。

大失敗した。

資料自体の難しさもあったとは思うが、一番は御家人の思いに寄り添えていないこと。そこまで御家人の思いに寄り添う授業をしてこなかったのに、急に御家人の立場になって学習を進めるのにはかなりの無理があった。

歴史の授業では、様々な立場の人間が登場する。そのどこに焦点を当てて、考えていくのか。自分が立っている視点はどこなのか、それをもっと一緒に確認しながら進もう。やはり、単元の途中で方向転換をすることはやめた方がいいな。子どもも担任もお互いに苦しい。


 ただ、1つだけ良いこともあった。前回同様、Hさんが自分で生み出した予想を言ったこと。さらに、その予想とZさん、Oさんの予想をつなげることができたことだ。漠然と「不満」、Hさんらしい。その不満の中身を友だちが言っていたことにHさんは気付けていなかったように思う。自分と同じ、似た考えなのだと分かったとき、Hさんはどんな気持ちになったのだろう。授業の中で、Hさんと友だちをつなげていく。第一歩になったような気がする。


 あと、今日は学年参観が初めてということもあってか、今まで見たことないくらいに緊張していた。もっとHさんの普段の魅力を先生方には見てほしかった。もっと場数を踏む必要があるな。学年集会の姿と少し重なる。クラスのみんなと今回の授業について話してみようかな。別によいところを見せることが、研究授業の目的ではないけれど、たくさんの先生方に見ていただく子どもたちにとっては晴れ舞台。力を出し切れる環境を作りたい。これも担任のエゴだろうか。


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