見出し画像

【MEMBER'S VOICE #9 山本悟史】日本のスポーツ産業発展を一過性で終わらせないためには? 競技団体を軸に考えていきたい

 私たちSports X Initiative(SXI)の一番の特徴ともいえるのは、メンバーの多様性です。実績に限らず、事業開発、ブランディング・マーケティング、各種制度設計、データアナリティクスなど、多様な専門性を有したSports Xのアルムナイメンバーを、リレー形式でご紹介させていただきます。

山本悟史(Yamamoto Satoshi)
◎経歴
ジエブ → 横浜市体育協会トライアスロン事務局(人事交流) → 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(出向)
◎私にとってSports X Leaders programとは…
「抽象的な課題に対して本質的に解決していく集団」

スポーツに対して恩返しがしたい

 小学生の頃、学校のテレビで1998年・長野オリンピックのスキージャンプ・団体ラージヒルを観戦をしたことがすべての始まりでした。日本代表の活躍を目の当たりにしたことがきっかけで、強烈にオリンピックの存在を意識し、そしてスポーツ選手に憧れるようになりました。

 4歳から始めていたサッカーでプロを目指し、中学から寮生活、高校はイギリスに留学を経験しました。結果的に、長い期間けがに泣かされ、外国人との身体能力差に限界を感じプロの道を断念する形に。しかし、この経験によってスポーツを通して多人種や多様性の中でさまざまな人格を形成することができました。また、国内外問わず色々なスポーツにおけるたくさんの指導者や関係者に出会い、育ててもらったことは私の財産です。

 そのことをきっかけに、将来自分自身がスポーツ産業で恩返しをしたいと思い、長年夢に見てきたオリンピック・パラリンピックを含むスポーツの大舞台で活躍したいと思うようになりました。

 本来2020年に行われる予定だった、オリンピック・パラリンピックの本大会は延期になってしまいましたが、現在は引き続き大会のクオリティを少しでも上げられるように準備をし、万全の体制を整えています。また、今後この経験を生かし、更なるステップアップを目指していきます。

画像1

スポーツイベントを実施するためのノウハウを取得

 私が学生時代に打ち込んできたサッカーとは少し離れたスポーツの仕事がしたくて、2012年に現在の会社に入社し、大規模マラソン、トライアスロンの世界大会など、路上競技における交通規制に伴う現場の運営業務に携わってきました。

 業務内容としては、交通規制の広報ツールの製作や申請業務に始まり、一般車両への迂回案内、コースの周辺調整など多岐に渡ります。路上競技の運営においてのノウハウをここで吸収していきました。

・横浜市スポーツ協会時代

 トライアスロンの世界大会運営業務に携わっていた関係で、2015年から人事交流職員として会社から異動し、世界トライアスロンシリーズ横浜大会事務局員として競技運営業務を行ってきました。ここでは、国際競技団体との調整や、横浜市や警察などの関係団体調整、挨拶回りなど、大会主催者側として競技大会を実施するために必要不可欠な調整業務を行いました。

 大会直前は本当に眠れない日々もありましたが、最終走者がフィニッシュした後の達成感は今でも忘れることはありません。主催者として世界大会を行うために、どれだけ多くの人が関わり、成り立っているかを改めて感じることができた3年間でした。

画像2

・東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

 人事交流期間が終わると同時に、今までの仕事の経験で得たノウハウを元に、現在の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の上司に声をかけていただき、競技団体への出向という形でトライアスロンチームに在籍しています。

 オリンピック・パラリンピックの路上競技は4種目(マラソン・競歩・自転車・トライアスロン)しかありませんが、お台場をメイン会場とした東京都心での開催はとてもエキサイティングなものになると信じています。

画像3

 2015年より出向生活が続いており、会社の在籍期間よりも出向期間の方が長くなってしまいました。会社の職歴が浅い人からは「お世話になっております」といわれるように(笑)。

 現在は、大規模スポーツイベントの運営業務に日々奮闘しながらも、まずは2021年に延期されたオリンピック・パラリンピックの本大会を成功させることを最優先の目標としています。

画像4

(写真:©ITUワールドトライアスロンオリンピッククオリフィケーションイベント実行委員会)

競技団体を軸に今後の日本のスポーツ産業発展の可能性をシステム×デザインする

 日本の各競技団体にとって世界大会やオリンピックでのアスリートの金メダル獲得は、単にアスリートにとって最高の名誉であるだけでなく、その選手を目指す次世代のアスリートの台頭や育成、スポンサー支援や助成金分配割合が多くなるなど好循環が生まれます。

 今後はオリンピック・パラリンピックに向けた一過性の競技面だけではなく、生涯に渡りスポーツを推進することで、スポーツに社会的意義を持たせ、日々進化するテクノロジーともうまく融合する柔軟さも求められてくると思っています。

 私はSXIの活動を通し、競技団体を軸にいかに一過性で終わらせない形でスポーツ産業を発展させていくのか、ということを考えていきたいです。

いろいろな経験を持った人に飛び込んできてほしい

「自分自身が課題を持っていて、それにタックルできる人」

 これがSXIの扉をたたくための目安だと思います。常に課題意識を持ちつつも、臨機応変にアプローチを変えられる、一つの考えに凝り固まらない方にぜひ参加いただき、SXIの仲間とともに新しい道を開拓できる組織でありたいと思います。時にはオフレコな話をしながらも、抽象的な課題を可視化していきましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?