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BLUE LOTUS 2020年コロナ禍に個人の想いが繋がり、アートになったストーリー。

2022年5月末〜6月初め、沖縄市のプラザハウスで、こんな展示をしました。

なにか、分かりますか?

誰でも知っていて、使っている、身近になってしまった「モノ」です。

そう、「マスク」です。

医療現場用の「青色」のマスクです。

なぜ、こんなアート作品をつくったのか?

このストーリーは、新型コロナウイルスが登場、蔓延しだし、⺠間にも、
医療現場にもマスクが不⾜しだした、2020年4⽉頃からはじまりました。

この作品制作のきっかけとなった、一連の「ストーリー」も展示

厚労省から、医療現場への依頼が出回っていることを、SNSで知りました。

厚労省からの通達。要は、N95マスクを棄てずに使い回してくれという依頼。

僕は、2016年ロサンゼルスの展覧会でマスク素材の作品を出品しました。
素材でN95マスクも検証しましたが、理想形にならず断念していたことを、思い出し、物置を探すと、未使用のN95マスクが100枚見つかったのです。

N95マスクで試作した作品と、たまたま保存していた未使用N95マスク100枚(20枚×5箱)

医療現場のN95マスク不足を知って、どうにか、これを寄付せねばと思い、知り合いとSNSでやりとりを行い、紹介してもらった沖縄の3つの病院へ、N95マスクと他マスクも含めた、計199枚の寄付をすることにしたのです。

東京と沖縄、Facebook上でのやりとり

沖縄の病院の院長へ、こんな手紙を添えて「マスク」をお送りしました。

2020年5月7日に送った手紙

無事、東部クリニック、中部病院、北中城若松病院にマスクが届きました。

連絡をとっていた東部クリニック比嘉院長と、2020年4月に中部病院へ届けられたマスク

2020年5月11日、御礼のお手紙が頂きました。

「マスクアート」という新しい芸術のジャンルではなく、僕のオリジナルなんですけど。

そして、1年半ほど経過した2021年10⽉27⽇、
北中城若松病院から私宛に荷物が届きました。
コロナが収束し普通に⼿に⼊るようになれば
送って欲しいとお願いをしていたマスクです。

送られて来た手紙と「青色のマスク」

送られてくださったマスクの⼤半は医療現場で使われる「⻘⾊」のもので、
理事⻑的には「蓮の花にはなりませんが」と思われていたモノでした。が、
しかし、「青色」が、蓮の花として存在しない色であり、医療現場の象徴
でもあることが逆に良いと思い、このマスクで作品化することにしました。

2022年2⽉に作品の試作品が完成。御礼で北中城若松病院に寄贈しました。

2022年3⽉8⽇、北中城若松病院に作品を寄贈

2022年4月17日〜24日、東京では、六本木605ギャラリーでの展示を行い、
そして、2022年5月27日〜6月5日、沖縄プラザハウスで展示を行いました。

今回は、個人的「想い」も「人」と繋がることで「ストーリー」が生まれ、
その「想い」は「アート」で最大化し強い表現になる。そんなお話でした。

2023年3月13日。マスクの「着用は個人の判断に委ねることを基本」として緩和されます。が、すぐに、解放的な日常が戻って来る訳ではありません。とりあえず「コロナ収束記念」で、余ったマスクで作品展示したいですね。

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