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第4回 My SWITCHインタビュー! 【後編】

My SWITCH ~わたしのスイッチの瞬間~

【後編】

■「アフリカで雇用を生み出したい」。エチオピアを旅して感じたこと

【あすか】
大学を1年休学して海外を飛び回って日本に戻ってきたわけですけど、社会人1年目で入社した会社にいこうと思ったきっかけは何だったんですか。

【藤本】
エチオピアでは、日本に住んでいたら知ることができなかった現状を、たくさん知ることができました。
目の前で当たり前のように暴動が起きたり、そこに住んでいる人たちが政府への不平不満を口にしていたり。「働きたいけど働けない」、「民族によって優遇がある」という話も現地の人から聞きました。

【あすか】
なるほど。

【藤本】
資本主義という仕組みを変えることはできないだろうし、新しい仕組みを考える頭もない。但し、「働いて、給料をもらって子どもを食べさせていくことが出来る」というサイクルの中に乗らないと何も変わらない。その仕組みをつくっていかないと、援助に頼ったままでは、アフリカは何も変わらない。「将来アフリカで雇用を生み出すことに携わりたい」と漠然と思うようになったんです。

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【あすか】
日本に帰って就職する前に、その目標が一つ立ったということですね。

【藤本】
「アフリカで雇用を生み出したい」と思ってはいたものの、自分が今すぐアフリカに居てできることは本当に少ないし、まだまだいろんなことを学ばなければいけなかった。
だからこそ「自分が成長していける環境に身をおきたい」と思って就職活動をしました。
働きながらたくさんの業界・業種のことが知れて、若手のうちから率先して働けそうな会社がいいなと。

【あすか】
なるほど。

【藤本】
当時学生から見るといわゆる「ベンチャー企業」だったWEB会議システムを取り扱う会社(株式会社ブイキューブ)に入社を決めました。ここでは約6年間、営業やサービス開発に携わり、退職してからは再びエチオピアに渡って、現地で学生をしながらビザをとりました。

【あすか】
ブイキューブを退職したあとは、将来抱いていた希望を実現するために海外に行く!と具体的に決めていたんですか。

【藤本】
正直、どうしていいか分からなくて(笑)
本気で海外に行こうと考えている人たちは、事前にネットワークを築いたりするんでしょうけど、僕はそういうことをしていなかった。
でも、とりあえず行ってみないと何も分からない(追い込まれないとやらない)から行ってみようと。

【あすか】
ほー。すごい。

【藤本】
一時期、エチオピアにある珈琲を輸出する会社でも働いていたんですけどそこもそんなに仕事があるわけじゃなかった。「僕はエチオピアに呼ばれてないなー」と思っていたときに、たまたまモザンビークで不動産屋をやっている会社があるから手伝いにいくことになったんです。

【あすか】
ふむふむ。

【藤本】
2015年にモザンビークへ渡って。そこで水産業ひとすじで世界の海を渡り歩いてきた大先輩との出会いもあり、とてもお世話になりました。僕がレストラン事業を始めるきっかけをつくってくれた方でもあるんです。

【藤本】
事業を始めてからは、日本に帰って寿司の専門学校に行ったりして。僕、寿司にぎれるんですよ(笑)
手の感覚を忘れないために、月に一回ぐらいは友達の家や家族の前でもふるまってます(笑)

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【あすか】
へーすごい!
じゃあちょくちょく日本に帰ってきながら、必要な技術を身に付けつつ活動の拠点は海外だったということですね。

【藤本】
そうですね。こうして振り返ってみると、日本を飛び出した先でもたくさんの人達に助けていただきながら、いろいろな経験をしました。
現在は第二子の誕生やコロナの影響が重なって日本に戻って生活をしていますが、落ち着いたら将来的にまたアフリカに行って教育や医療に携わる活動をしていきたいなとも考えています。

■一歩を踏み出そうとしている人へのメッセージ

【あすか】
とはいえ実際は、藤本さんのように思い切った行動ができないですという人も多いと思うんです。
なかなか一歩踏み出せずに悩んでいる人たちに向けたメッセージを聞かせてください。

【藤本】
僕の場合は、漠然と考えていた「こうなりたい」イメージに対して、それを叶えるためにそうせざるを得なかった。僕にとって「行動」は「目的のための手段」だったと思っています。

【あすか】
「目的」ですか。

【藤本】
「やりたいこと」があったときに、「何をしないといけないのか(行動)」を棚卸すると思うんです。
「なりたいもの」と「今の自分」を比べたとき、今、自分が何をしなきゃいけないかが分かってくる。
そうすると、行動が「怖い」「怖くない」ではなく、「やるか」「やらないか」の問題になってくる。
もしも、自分の「やりたい」ことが分かっているのに、明日事故にあって出来なくなった、なんてことになってしまったら、きっと後悔する。

【あすか】
なるほど。たしかに。

【藤本】
今年は新型コロナウイルスの影響もあって、世界情勢が大きく変化しましたよね。
2週間後のビジネス状況が分からない。
そんな不透明な時代だから、僕は何もせず「ボーっと」していることの方が怖いとも思う。
普段のルーチンから外れることってすごく大変だし、ストレスにもなるけど。

【あすか】
明日のことですら、私たちには予測できないことですよね。

【藤本】
僕の場合は、たぶんずっと同じ場所にいるのが嫌なタイプだから、惰性で仕事をするのも嫌なんです。
だからせかせかしちゃって周りに迷惑をかけたりするんですけど(笑)
でも、かといって行動力があるかと言われると、そういうわけじゃない。

【あすか】
そうなんですか?(笑)

【藤本】
行動力がある人って、例えば「アフリカに行きたい」と思ったら率先してネットワークをつくったりする。コロナで時間があるから自発的にアフリカのことを発信するYoutubeチャンネル始めたりとか。僕は、行動力がないから「やらなきゃいけない状況」に自分を追い込んでいっている(笑)

【あすか】
でもそれは、自分を「どういう状況におけば一番動く」かが分かっているということなんでしょうね。

【藤本】
やらざるを得ない状況だからやるしかないというか……結構それはあるかもしれないです(笑)

【あすか】
藤本さんは、自分の中で「これだ!」っていうものを見失っちゃうと、透明人間みたいになっちゃうタイプなんじゃないかな。表に出ているかどうかは別として、藤本さんの中でずっと「こうしたい」とか、「こうありたい」というものがずっとあるから、次につながる明確なレールがつくられていくのかなと思いますね。

■いつも肌身離さず持っているこだわりグッズ、自分の分身、自分に力をくれるものなど

【あすか】
藤本さんがこれは「肌身離さず持っているグッズ」ってありますか?

【藤本】
方眼ノートですかね。新入社員だった頃、上司に教えてもらってずっと使っています。
方眼があると物事を三次元で考えられるから、頭の中を整理したいときにも便利で。アフリカに行ったときにも、好きなメーカーの方眼ノートを数冊持っていきました。現在も、新規事業の立案・検討や情報収集などの業務を行っていますが、日々利用しています。

【あすか】
ほほお。あ、ちなみにその手帳には何が書いてあるんですか?

【藤本】
これですか?毎年手帳を新しくするごとに自分のやりたいことを書いてます(笑)
家族、旅、友人、体調管理、生活活動…という感じで分類していて。
僕は妥協の人間だから、目標は高く持っておいて8割6割達成すればいいやという感じで(笑)
常に自分の中の目標は高くしています(笑)

【あすか】
書いたことは、毎年確実に達成してるんですか?

【藤本】
全然(笑)

【あすか】
あ、溜まっていくパターンですね(笑)
でも書くことで日頃から自分に対してアウトプットされているのは素晴らしいと思います!
そして常にそうやって、次の行動につながる想いを手帳にまとめることで、藤本さんの夢や目標は、きっと藤本さん自身のそばにありながら、実現にむけて意識付けされていくのかなと感じました。

【藤本】
定期的に思っていることはまとめるようにしているかもしれません。
たとえば、夢や目標って描いているだけでは十分ではなくて、それを叶えたり近づいていくために、いつまでに何をどうするか、期日や日々のタスクを細分化して明確にしていくことが大事だと思っています。夢や目標から逆算して、まず今の自分がどこにいるかをちゃんと受け止めて、そこから必要な行動を洗い出していく。このプロセスってとても重要で、自分自身の経験で振り返ってみても、トライアスロンにチャレンジしていた大学時代は、まさにその実践だったなと思いますね。大きな目標、中期目標、短期目標、さぁじゃあ今日はどうあるべきか?というふうに。

【あすか】
なるほど。夢や目標って思い描けることも大事ですが、本気で実現するには、そのためにどう行動を起こすか?が不可欠ですもんね!待っていても、望んだ結果が勝手にやって来るわけではないですし。
なりたい自分や叶えたい夢や目標に近づいていくための方法こそが、具体的な行動目標を見える化していくってことなのかもしれませんね!
ステキなお話ありがとうございました。

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藤本さん、ありがとうございました!『行動力がないから「やらなきゃいけない状況」に自分を追い込んでいっている』という言葉がとても印象的でした。自分のことを理解する事がとても大事ですね♪

それでは次回もお楽しみに!

Interview:asuka
Edit:sayuri
Answer:kohei
Design:take

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