機嫌

なおらない、じぶんの機嫌が。理由は明白で、学校の課題が全然まったく終わらないから。今はもう半分諦めて、スリープ状態の真っ暗になったパソコン画面をぼうっと見つめているところだ。昨日課題をするのに飽きて画面をクリーナーで拭いたおかげで、自分の疲れ切った間抜け顔が綺麗に映っている。もうお願いだから、今寝て起きたら全部全部終わっていてほしい。今は親戚からお小遣いを貰ったって喜べない。好きなアイドルがTVに出ていたって喜べない。ていうか、課題が終わったところでその先には就活が待っているので、もう来年までじぶんの機嫌がなおることはないのかもしれないと思いだしてきた。

しかも、自分の機嫌が悪いからそう感じるだけなのかもしれないけど、恋人からの愛が足りない、さみしい。勇気を出して今日電話しようと私から誘って、たくさん話してさっき切ったところなのだけどなんか足りない。さっきよりさみしさが増したような気がする。こういうとき思う、恋人と同棲してたら全くさみしくないのになあと。どんなに忙しくても好きな時に顔が見れて、声が聞けて、触れることができて、一緒に眠ることだってできる。恋人に会いたい。もう課題なんかそっちのけで、恋人と喫茶店に行って喋りたい。いや、喫茶店よりも、一緒に歩いている時の方が身体をくっつけられるから、あてもなく商店街とかを歩き続けたい。ああ、いま恋人の肌のにおいを嗅いだら全部解決するのに。恋人はあっというまに私の機嫌をなおして、甘くて透明でやわらかい、二人だけの世界に連れ去ってくれるのに。

ああ、終わらない終わらない。そう思いながら、恋人からの連絡を待っている。

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