効率化したら、うまくいく?
「業務を効率化して、直接支援に使える時間を増やそう!」
効率化。福祉分野でもよく耳にする言葉だと思います。私は、主に以下の2つの異なる意見を耳にするこが多い印象です。
あなたは、この言葉にどんな印象を持ちますか?
効率化とは
言葉の意味を、調べてみましょう。
無理、無駄、斑(むら)
福祉の仕事の、ムリ・ムダ・ムラ。この定義を読んでいて、頭に思い浮かんだ思い当たる節はないですか?
福祉現場の仕事は、マルチタスクで業務量が多く、とても忙しいことが多いです。そんな中、何がムリで、何がムダで、どんな時にムラが出るのか、気づき実際に工夫することは、実際難易度の高いことだと思います。けれど、因数分解してみると、簡単に工夫できる余地も見えるかもしれません。
無理
「例えばスケジュールや仕事量にムリがある」
「無理」が生じているのは、どんなところでしょうか?
1人あたりのキャパシティに対して、量が多すぎること、それを支えるサポートが少ないことなどを想像しました。
無駄
「時間やコストをムダにしている」
私がぱっと思いついたのは、上記のようなツールを使えば解決できそうなところにまだまだ無駄があるところでした。他にはどんなものが、あるでしょうか?
斑(むら)
「時期や従業員によって仕事量にムラがある」
特に、スタッフによって支援スキルに差が出てしまい、受け入れられる人数に制限が出る、一部のスタッフに負担が偏りがちであることは多いのではないでしょうか。
その背景には、例えば新人職員が多く育成に手が回らない、それぞれのスタッフの強みが活かせる人員配置ができていないなどが考えられます。
無駄を省き、無理をしない
「ムリ・ムダ・ムラ」の3要素からそれぞれ考えてみました。
私たちにできる工夫は、「無駄をできるだけなくすことで、無理とムラを少なくする」ことではないでしょうか。
しかし、現実的には、「がんばって無理をすることで、効率を上げようとしてしまう(そうせざるを得ない)」ことが多いように思います。
無理をすることは、自分や事業所のキャパシティを追い詰め、バーンアウトや事業所の機能不全に繋がってしまうことも考えられます。
支援の仕事の難しさも1つの要因ではないでしょうか。支援は「完璧」「ここまでできればOK」が見えにくいです。ゆえにどこまでも頑張ることができてしまう。全く無理をしない、というのは現実的には難しいかもしれません。
では、無駄を省けばいいのでしょうか?
ここで気を付けなければならないのは、「無駄をできるだけなくすことで、より無理しやすくなってしまう」ことだと考えます。
余白ができた!と、さらに支援の量を増やす。追い求める質のレベルを上げる。クライエントや業務量が元から多ければ多いほど、ある程度まではできても、どこからかそれはエンドレスになってしまいます。私たちには時間や心といった「キャパシティ」があるのです。
効率化によって、さらに自分たちの首を絞めてしまう。
そういったことも起こってしまう可能性があるのではないでしょうか。
こういったことから、福祉現場の効率化の鉄則は、「無駄をできるだけなくすことで、無理とムラを少なくする」ことだと思います。
無駄をなくした分すべてのリソースを、さらなる数の支援に使うのではなく、スタッフの育成やケアに使っていく。
こうした効率化が、私たち支援者自身にも、職場にも、クライエントにも、良い循環を作っていけるのではないでしょうか^^
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