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シンプルな分析法。4象限マトリクス分析

小さな会社のビジネスプロデューサー・弁理士のヤマダです。

日々報道されるニュースの中から皆さんのビジネスに役立つネタ、知的財産に興味を持ってもらえそうなネタを紹介します。

今日のネタは、ちょっとした分析に便利な分析法「4象限マトリクス分析」です。

■ 「4象限マトリクス分析」について

今日のネタはこのニュース記事を見て思いつきました。

若者は緑茶より麦茶? コカ・コーラ新顔「やかんの麦茶」の勝算


コカ・コーラが新しく始める麦茶ブランド「やかんの麦茶」に関する記事です。この記事の中にこんな図が出ていました。

(引用元:日経XTREND 若者は緑茶より麦茶? コカ・コーラ新顔「やかんの麦茶」の勝算


これが、典型的な4象限マトリクス分析です。

このマトリクスでは、縦軸に商品のターゲット層、横軸に商品の製法をとっています。

そして、この4つに分割された領域(4象限)に既存の商品を当てはめています(GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶、十六茶麦茶、健康ミネラル麦茶、香ばし麦茶)。

その結果、右下のエリア(第4象限。若者向け×シンプル)がぽっかり空いている、そこを狙ったのが「やかんの麦茶」であるという分析をしています。

このように4象限マトリクス分析は、2つの分析軸をクロスさせることで4つのエリア(象限)を作り、その4つのエリアに分析対象を当てはめていくことで某かの分析結果を導くものです。

多くの分析対象物を4種類に分類することで、それらの傾向を分析するのに適しています。

■ 高級食パンのネーミングに関する4象限マトリクス分析

以前、ヤマダも4象限マトリクス分析を使ったことがあります。

知財実務オンラインのオンラインセミナーに登壇したときです。

このセミナーは、

● ネーミングはセンスで作るものではない
● ネーミングはロジカルに作ることができる

という思想の下、ネーミングを科学的に分析していくというアプローチで行ったものです。

このセミナーの第3部で行ったのが、「ネーミング」視点の業界分析でした。

取り上げたテーマは「高級食パン」。「乃が美」をはじめとする高級食パンについて、ネーミングの視点で分析してみようという初の試み。

そこで4象限マトリクス分析を使ったんです。

縦軸に、

● 高級感を感じさせるネーミングか
● 親近感を感じさせるネーミングか

横軸には、

● ネーミングがコンサバティブ(保守的、王道)か
● ネーミングがアバンギャルド(前衛的、攻めている)か

をとり、高級食パンのネーミングを4種類に分類し、それぞれのエリアに当てはめていきました。

その結果がこのマトリクスです。

左上のエリアはパン屋の名前としては王道で高級感を感じさせるもの。
例えば、「セントル」、「パンヤ」、「ラパン」等。

右上のエリアは高級感は感じるけれどもパン屋の名前としては異色なもの。どちらかというと老舗の高級和菓子店や料亭を彷彿とさせるもの。
例えば、「乃が美」、「い志かわ」、「に志かわ」、「SAKIMOTO」等。今の高級食パンブームを牽引してきたグループ。

右下のエリアは変化球系。高級感というよりは親近感を打ち出したのネーミング。
例えば、「俺のBakery」、「考えた人すごいわ」、「口どけの朝じゃなきゃ」等。高級食パンの中でも新興勢力。

最初にピックアップした10店舗では左下のエリアに該当するものがありませんでした。

そこで、王道のネーミングだけど、親近感を感じさせるようなものを改めて探してみたところ、これが見つかりました。

「ねこねこ食パン」です。

あまりひねりはないけれども、誰からも好かれそうな名前ですよね。

麦茶の例でもそうでしたが、4象限マトリクス分析は、自分たちが見落としているマーケットを探すこと、市場分析や競合分析に適しています。

■ まとめ

今日のまとめです。

「4象限マトリクス分析」は、

● 2つの分析軸をクロスさせることで4つのエリア(象限)を作る
● 多くの分析対象物を4種類に分類することでそれらの傾向を分析する
市場分析や競合分析に適している

という特徴があります。

比較的簡単に傾向分析をできる便利なツールです。軸の定め方次第で色々な分析結果を得られます。
ぜひ試してみてください!


では今日はこの辺で。


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