大塚家具の経営戦略の問題点|価格戦略と差別化戦略
小さな会社のビジネスプロデューサー・弁理士のヤマダP(@sweetsbenrishi)です。
ニュースの記事から中小企業の経営に役立つ情報をシェアします。
今日はプレジデントオンラインの大塚家具に関する記事をピックアップしました。
今日のポイントは、価格戦略と差別化戦略です。
「なぜ大塚家具は失敗したのか」お客は安ければ喜ぶワケではない
大塚家具のお家騒動。その後
まだ記憶に新しい大塚家具のお家騒動。
創業者である父・大塚勝久氏と娘・大塚久美子氏の確執。その後、勝久氏は大塚家具を出て「匠大塚」を創業。大塚家具の経営は久美子氏に引き継がれました。
しかし、大塚家具の業績は悪化。
2015年に580億円だった売上高は、2020年には348億円まで減少。昨年12月1日付で久美子氏は社長退任に追い込まれてしまいました。
大塚家具の業績悪化の原因
大塚家具の業績悪化の原因について、この記事には、
消費財を扱うビジネスにおいて、顧客に感じさせるバリューのポジションは、原則、「一番安くて、まあまあ良い」か「まあまあの値段だが、一番良い」の2種類しかない
大塚家具は、・・・汎用家具のマーケットの中で「一番良い」位置にいた。
結局、久美子氏が目指したのが、「ニトリよりは高いが、これまでの大塚家具よりは安い」という非常に中途半端なポジションであった。
このような「真ん中です」のような立ち位置のビジネスで成功することはほとんどない。
と書かれています。
ヤマダは大塚家具の経営戦略の問題は、差別化戦略から価格戦略に転換したこと、それがうまくいかなかったことだと考えています。
▶大塚家具の経営戦略の問題|差別化戦略から価格戦略への転換
市場での競争に勝つための戦略は大まかに分けると、価格戦略と差別化戦略の2つです。
価格戦略は商品やサービスの価格の安さを売りにして競争を勝とうとする戦略です。
一方、差別化戦略は商品やサービスのユニークさ、独自性を売りにして競争を勝とうとする戦略です。
従来の大塚家具は、高級家具の販売と、会員制によるプレミアム感の演出を売りにしていました。
他の家具店にはない上質な家具、大塚家具でしか味わえないプレミアム感、高級な雰囲気に惹かれた顧客を集める、差別化戦略を採っていたわけです。
ところが、久美子氏は高級家具から中級家具の販売に舵を切りました。手頃な価格で親しみ易さを演出したわけです。
しかし、これがうまくいかなかった。
価格の安さという面では大塚家具はニトリに敵いません。ニトリは価格の安さで顧客を集める価格戦略を採っているからです。
高級感は味わえない、かと言ってそれほど安くもない。この中途半端なポジショニングが客離れを引き起こしたと考えられます。従来の顧客にはそっぽを向かれ、新たな顧客を開拓することができなかったということです。
この現象。モスバーガーと似ていませんか?
一昔前、モスバーガーは価格戦略のマクドナルドに対し、ライスバーガーや低カロリー・低炭水化物フードの「菜摘」等のユニークな商品を取り揃える差別化戦略で成功していました。
しかし、近年、モスバーガーより更に高級路線のプレミアムバーガー(シェイクシャック等)が市場に登場しました。これにより、モスバーガーのポジショニングは中途半端なものとなり、苦戦しています。
価格戦略を採るなら一番安く、差別化戦略を採るならユニークさ、独自性を全面に打ち出して価格もプレミアムな価格に。
何事も中途半端は良くありません。
価格の安さをアピールする場合も、ユニークや独自性を売りにする場合も一番を取ることが大事なんです。
▶大塚家具の経営戦略の問題点|まとめ
では、今日のまとめです。
大塚家具の経営戦略の問題点は、
● 差別化戦略から価格戦略への転換の失敗
でした。
中小企業の場合、価格戦略でライバルに勝つのは難しいです。消耗戦となり疲弊しますしね。
ですから、商品の独自性・ユニークさを磨き、ファンやリピーターを作っていくことが大事です。
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