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月星真夜(つきぼしまよ)
2024年9月8日 07:13
その日、カメが図書館に足を踏み入れると、ふと目に留まったのは、書架の陰で真剣な表情で本のページをめくるウサギの姿だった。カメは足音を立てないようにそっと近づき、静かに声をかけた。「ウサギさん、分類番号798の書架で何を読んでいるの?」ウサギは顔を上げ、少し驚いたようにカメを見つめた。「あ、今度、謎解き検定を受けようと思ってね。それで、その問題集を探していたところなの」カメは少し迷った表
2024年9月3日 06:17
図書館の一角、分類番号007.3の本が並ぶ書架の前でウサギは足を止めた。見慣れない専門書がぎっしりと並んでいて、彼女は思わず目をそらした。「AIって、やっぱり私には難しいのかも…」ウサギの様子に気づいたカメが、そっと横に寄り添った。「AIって、実際に触れてみた方が、意外と親しみやすいかもしれないよ」その言葉に、ウサギは小さく頷いた。そして二人は、静かに図書館を後にした。外苑前で電車を降りる
2024年9月1日 06:40
静かな図書館の一角で、ウサギは返却された本をなんとなく眺めていた。しばらく視線を滑らせていると、一冊の絵本がふと目に飛び込み、導かれるように手に取っていた。「夢にめざめる世界…どこか謎めいた響きね」ウサギはその本をそっと胸に抱き、静かに閲覧席へと歩み寄った。ページをめくると、不思議な違和感が彼女を包み込んだ。左のページに広がる海底が、まるで自然に続いているかのように、右のページの青空とつな