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月星真夜(つきぼしまよ)
2024年8月25日 06:51
図書館の静けさの中、カメが書架の間を彷徨っていると、入り口の方から、突然、荒い息づかいが聞こえてきた。カメがそちらに目をやると、ウサギが膝に手を当て、肩で息をしているのが見えた。「毎日こんなに暑いのに、無理しないでね」と、カメは心配そうに声をかけた。ウサギは息を整えながら、少し微笑んだ。「走るのは大好き。でも、走り終わった後って…やっぱりきついわ」「頑張ってる君と一緒に行きたい場所がある
2024年8月1日 07:02
静かな図書館の閲覧席で、ウサギが夢中になってページをめくっていた。時折、手を止めては、うっとりとため息を漏らしている。「今読んでいるのはスイーツの本か、それとも涼しくなれる本だよね?」と、正面に座っていたカメが静かに声をかけた。ウサギはびっくりして顔を上げた。「どうしてそんなことが分かるの?当たりなんだけど…」彼女の手には水族館の本がしっかりと握られていた。カメはそっと彼女の手を取る
2024年6月5日 05:58
薄暗くダウンライトが灯るその部屋の中で、ウサギはピンク色のクレヨンを手に、そっと絵を描き進めていた。彼女は時折、描いたものから目を離しては遠くを見つめ、またゆっくりとクレヨンを動かした。小さな手はためらいながらも、確かな意志を持って色を加えていった。やがて、静かな部屋に澄んだ声が響いた。「できた!」それは、「うさくらげ」が生まれた瞬間だった。彼女は自らの全てを注ぎ込んだ作品を、静かにスタッ