カロリーとは。
カロリーとは一体なんなのでしょう。これは太っている人の食事に対して制限をするための数字ではありません。
では何だと思いますか?
最近の「栄養学」と書いてある本はどこかダイエット意識が強く、本来の栄養学とは少々違う書き方をされてしまいがちです。
カロリーの本来の意味とは。
栄養学を学んでいる人は、ちゃんと知らないと恥ずかしいと思います。
カロリーの計算方法としては、炭水化物、タンパク質、脂質の量を数値化し倍率をかけて計算したものが表示されています。
炭水化物1g当たり4キロカロリー。
タンパク質1g当たり4キロカロリー。
脂質1g当たり9キロカロリー。
アルコール1g当たり7キロカロリー。
例えばお米だとして、
精白米は100g中、炭水化物74.5gタンパク質9.3g脂質0.9gですが
ご飯は100g中、炭水化物36.1gタンパク質3.5g脂質0.3gとされてます。
カロリーとしては、精白米が357キロカロリー。ご飯は168キロカロリー。(100g中)
これが基本的なカロリーの計算方法です。
もちろん、これは食品としての栄養がどれくらいあるのか、という指標であるのですが、それと同時に
「カロリーの高さは食品がもつ栄養価の高さの指標」という意味を持っています。
つまり、栄養価が高いから食事としてとるに相応しいものであるという、証拠として提示されていて、食品として食べる意味のあるパラメータの高さとして、カロリーが使われています。
カロリーの低いものは、どんなにたくさん食べても体を動かすエネルギーにならないので、そればかり食べていたら倒れてしまうので、カロリーを一定量取るようにしましょう、というのが本来の意味です。
現代ではそういった意味も次第に薄れ、もちろんダイエットのためにカロリーを管理しようというお話も十分に肯定するのですが、カロリーそもそもの意味というものは、決してダイエットのためではなく、生命活動を正常に行うための食品選びとしての指標を数値化したものである、と認識してもらえれば幸いです。
様々な栄養素が必要だ、というその後の研究により発見された事実もたくさんあり、カロリーが低いものも必要なのが現代では判明しておりますが、カロリーという数字を使い始めた頃は、19世紀末から20世紀初頭のアメリカの実験からとされていて、戦争が多発した頃でもあり食料を無駄にしない、それは生産においても同じであって、カロリーを農業で生産することが必要とされた背景もあって、栄養学で扱うものになったという話です。
ちなみに食物繊維は1g当たり0〜2キロカロリー。
難消化性糖質は1g当たり0〜3キロカロリー。
とされていて、便宜上0キロカロリーとされていますが、実際のところ消化・吸収・排泄の過程によって変動します。
ちなみに排泄されない100%に近い吸収率の数字であるので、排泄量によって摂取すべきカロリーも変動します。
そうした事実から、本来必要とされているカロリー以上に食事として摂取する必要があるということは、ぜひ覚えておいて欲しいです。
また、現代の表記されている、低カロリー食品のカロリーにおいても
1g当たり0〜3キロカロリーとかなり幅が広いので、実際のカロリー表記を鵜呑みにしてしまうのはあまり好ましいことではありません。
とはいえ、栄養士の仕事としては、食品それぞれに与えられている、カロリー、炭水化物、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミン量をなるべく好ましいバランスとして配布し、献立などと作成することです。食品成分表に則って献立を作成するのが業務においての責任であって、ここに書かれてるような記事に左右されて作成の仕方を変えるということは出来ません。それは悪いことではなく、そうやって支えてくれているお仕事なので、そもそもその、炭水化物、タンパク質、脂質をきっちり配分するというのは大変なので、ありがとうございます、と思っています。
少し余談が入ってしまいましたが、言いたいことは
「高カロリー食品というものは本来優れたものとされるべきである」
ということです。
写真にあるケーキなどは、本来は優れた食べ物であった。はずなんです。
料理をすることによって、水分量を増して消化を良くする。
なるべく栄養価を逃さないで食事として形にする。
もう一度言います。
「高カロリー食品は、優れた食べ物だ」
それを理解した上で、生活習慣病の予防としてカロリー制限が必要なら行って頂きたいと思います。
でもスポーツする人は、高カロリー食品を是非活用して頂きたいです。
体の故障となる原因の1番の理由は、運動のしすぎではなく、摂取カロリー不足です。これは断定していえます。活動に対しての摂取カロリーが足りていなくて、自分の筋肉をエネルギーとして消費した際に鍛えにくい箇所に怪我が起きます。
怪我というのが内臓で起これば、病気になります。
カロリーはたくさん取るために用意された指標です。
本来の意味で是非活用されてみてはいかがでしょうか。
思っている以上に、自分の体はカロリーを必要としているかもしれません。
太っている理由も、カロリーの過剰摂取ではない可能性も十分にあります。
そういった話は、また別の機会に書くかもしれません。
読んでいただきありがとうございます。
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