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大福の店を10年以上やって、今

大福の専門店を始めて12年程になる。

親戚がそれはそれは美味しい大福を作る人で、1から10まで手ほどきしてもらったのだ。

でも最初、大福の店をやろうなどとは思ってもみなかった。父が、その手ほどきしてもらいながら作った大福を当然のように店に置いて売ったのだ。父はそば屋を経営していて「こんなに沢山あるものを売らなくてどうするんだ!!」と売り始めてしまった。

そうしたら最後、「お客さんがあてにするから明日も作って売れ」とワタクシは言われ、そんな成り行きみたいな流れで毎日作って売るようになり、とうとう大福を売る店舗まで父は建ててしまった。

本当は勤めていた会社を辞めて、両親がそば屋とともに経営していた小さなビジネスホテル(皆、民宿と呼んでいたが💧)をワタクシはやりたかった。父が引退したら改装して洒落たホテルの経営者になるのだ!と小さな野望を持っていた、その当時は。

結局はホテル、出来なかったんだけどね。閉めちゃった。

まあ、それはまた、別の記事で書くとして…。

正直、大福が「超好き♡」「めっちゃ好き♡」と言うほどでもない(いや、勿論フツーに好きだったけど)

だけどやるからには喜ばれるものを、と一生懸命やってきた。

ワタクシに教えてくれた親戚のこだわりを大事にした。

もち米100%(米粉、砂糖、大量の水でのばすなどをしないこと)で作った、次の日には固くなってしまう大福。当たり前だが餡は手作り。もう何十年も前から世間では甘過ぎないのが主流だが、「過ぎ」はしないがちゃんと甘い、そして塩味がキリっと効いている餡。餅と餡の味、量のバランスが絶妙であること。

ワタクシはそれを絶対に守った上で、工夫をした。

小さい大福の詰め合わせを作ってみたり、

ハート型やかぼちゃオバケやウサギやパンダの形をした大福を作ってみたり、

ミニミニサイズの3色の大福を串に刺して「串大福」などという名称で売ってみたり。

シングルマザー、子育て中だから、悲鳴を上げたいくらい本当は大変だが、同時に楽しく素晴らしい毎日だ、店やってると。

そして今、ワタクシには夢?希望?と言うのかな。

あるんだ。

今は色んな種類の大福やお菓子を作って売っているけど、近い将来、4種類だけの商品に絞りたい。

玄米餅のこし餡の大福、粒あんの大福。

玄米餅入りのこし餡のお汁粉、粒あんのお汁粉。

大福屋をやれ、と言ってくれた父が亡くなり、母が癌を患って、自分も40代後半にもなって、大切な子供がいる今。

色々、頭が煮えたぎる位考えなきゃならないことが、やはり人並みにワタクシにも襲ってきて、その末、思ったこと。

自分が本当に納得したもの。同時に喜ばれるもの。

心から、これを食べて欲しい。必要としている人に食べて欲しい、と自信を持って言える大福。

それでお店やりたいんだよね。

それにはまだまだ勉強や試作することが必要で、まだまだだが。

ホントについ先程読んだ辻仁也さんのブログに「夢は言葉にしてしまった方がいい」と書いてあったのと、今開いたnoteで#私のお店 で作品募集とあったので書いてしまった。

「私のお店」で今思う事はそんなところだ。

#私のお店

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