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ウィズコロナの時代、結婚式もサステナブルに? インドのウェディングトレンド

新型コロナウイルスのパンデミックは、インドの人々の生活にも大きく影響しました。もちろん、結婚式も例外ではなく、大人数での集まりは自粛され、物流も以前より複雑になっています。

そんな中、インドでは、一層、サステナブルな結婚式のあり方に注目が集まっているそう。より親密でパーソナル、コストパフォーマンスも高いという、新しい結婚式のあり方には、私たちも学べることがありそうです。

コロナ渦でも実施しやすく、地球に優しいインドの結婚式のトレンドにヒントを得てみましょう。

無駄にしない、必要以上に取り入れない

これまでの豪華絢爛な結婚式との大きな違いは、環境に配慮した様々な工夫。多くのカップルやウェディングプランナーが、装飾品を新しく買うのではなく再利用したり、開催の運営も、よりエコフレンドリーになるようにしたりと、工夫しています。

例えば、カップルが欲しいものを予めリストアップしてゲストに見せておく「ギフトレジストリー」。無駄な買い物を減らし、ゴミを減らすという環境への配慮が背景にあります。

Wedding Wishlist創始者のカニカ・スビア(Kanika Subbia)さんは、最近のインドのミレニアム世代の結婚式の傾向について、こう語ります。

環境意識が高いミレニアム世代の間では、これまでより費用もぐっと抑えて、参加者もかなり小規模な結婚式も増えましたが、もはや驚くことではありません。紙の代わりにアプリで招待状を配布するなど、ウィズコロナの時代、彼らは、現代のテクノロジーも取り入れながら、新しい結婚式のあり方を作り上げています。

地球に優しい結婚式にしたい! 何から始める?

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自分の結婚式も、サステナブルな形で行いたいと思ったら、招待状などの結婚式で使用するものから工夫してみても良いかもしれません。With Love Nilma 創設者でウェディング デザイナー のニルマ・ディリーパ(Nilma Dileepan)さんは、「多くのカップルが、結婚式で使われるものの素材や出どころにこだわるようになった」と、語ります。

例えば、招待状の紙を再生紙にしたり、メールやアプリを使った電子招待状を出すカップルも増えました。そのほか、最近は少なくないカップルが地元の花を選んでいいます。新型コロナウイルスの影響で、遠い都市や海外から花を送ってもらうことは、これまで以上に難しくなりました。代わりに、地元の農家から花を調達すれば、地元の経済が回り、輸送のための二酸化炭素の排出も抑えられます。

会場のセットアップも工夫できるとニルマさん。

例えば、テントの中を飾り立てるのではなく、木漏れ日にあふれた屋外スペースでも、結婚式はひらけます。結婚式においても、4つの「R」、リユース、リデュース、リサイクル、そしてリフューズを意識してみてください。
ドレープや照明、装飾品や家具はあるものを再利用(リユース)しましょう。できれば地元で花を調達し、装飾も、後で捨てるほど飾り立てなくても良いのかもしれません(レデュース)。
結婚式で使った花や家具、装飾品も、後でリサイクルできるといいですね。エコフレンドリーではないものをリフューズ(拒否)する意思も大切です。

大切なのは豪華さよりも愛

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インドの結婚式は、常に時代の気風を反映してきました。ウィズコロナの時代におけるトレンドは、「マインドフル・ウェディング」とも言えそうです。

ウェディングデザイナーとして、結婚式に様々なサステナブルな工夫を凝らしてきたというDevika Narain and Company CEOのデヴィカ・ナイレン(Devika Narain)さんはこう語ります。

私たちはこれまで、会場から100キロ以内の場所からすべてを調達したウェディングを数多くデザインしてきました。人々の協力と、優れたデザインがあれば、これまでの『豪華』な結婚式に劣らず美しく、心から満足できるものにできるんです。

例えば昨年、ジャイプールで行われた結婚式では、ナレインさんとチームは、カップルの家族の協力も得ながら、結婚式で使う花や、料理の材料をすべて近隣で栽培。それらを使った素晴らしい結婚式をつくりあげました。「サステナブルなウェディングは質素」というのは思い込みのようですね。

Amaara Farmsの創設者であるシヴァン・グプタ(Shivan Gupta)さんの会社でも、結婚式で使われる廃棄物や水をすべてリサイクルし、ケータリング業者と協力しながら、無駄を最小限に抑えるように努めているそう。

周囲と協力して、地球に優しく執り行われる結婚式は、自分たちの幸福度も高めてくれそうです。

テクノロジーもサステナブル・ウェディングを後押し

すべての結婚式が持続可能な形で行われるようになるまで、まだ時間はかかるかもしれません。しかし、テクノロジーがそれを早める手助けになるだろうと、ウエディング・ブリゲードのCEOのサナ・ヴォーラさんは語ります。

今後、結婚式の計画はますますデジタル化していくでしょう。カップルは今や、動き回らなくても、会場からベンダーまで、オンラインですべてのことを調べられるようになりました。また、招待状の送付や、婚礼衣装、ジュエリーの買い物も、デジタル化が進んでいます。加えて、パンデミックの影響で渡航が制限されていることから、家族や限られた友人のみを招くアットホームな会や、メインセレモニーをオンラインでストリーミングするバーチャルウェディングも増えるでしょう。

こうした傾向は、新型コロナウイルスの拡散を防ぐだけでなく、移動による排出ガスを減らしたり、使用する資源を減らすという意味でも、よりエコロジカルと言えそうです。

変化の時こそ、本当に大切にしたい「価値」は自分たちで決めよう

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2人の門出を、晴れの舞台で多くの人と一緒に祝福したいという気持ちは誰もが持っているでしょう。その方法を、地球に優しく、新型コロナウイルスの影響も最小限に留めながらやろうと工夫するのは、きっと楽しいことなはず。これまでのやり方にとらわれず、自分たちの価値観に沿った、自由で、素敵なウェディングにしたいですね。

参考:INDIA TODAY (The wedding makeover )

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