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私が選ぶ宮崎駿監督映画ワースト3

私は宮崎駿監督の映画が好きだ。今回ワースト3を選んだのは、ベスト3を選ぶよりは迷いなく選ぶことが出来たからだ。私は映画には辛口だと思っているので、好きな監督でも厳しく評論する。厳しく言うと、「じゃあ、おまえ作ってみろよ」と言われれば「僕にはアニメを作る力はありません」と謝るしかない。しかし、好きな監督だからこそ辛口に見るのだということはわかってほしい。この記事を読み終わった後はいかに私が宮崎駿監督の映画を愛しているかがわかっていただけると思う。
今回、選んだのは『カリオストロの城』から『風立ちぬ』までの長編映画の中のワースト3だ。

1位『崖の上のポニョ』

まったく面白くないと思った。私が大人だったからだろうか?宮崎駿本人は『となりのトトロ』より対象年齢の低い映画だと言っているが、『トトロ』は大人も子供の心に帰って楽しめるものだし、宮崎駿本人も子供の視点に立って作ったものだと思う。それが『ポニョ』では全く感じられない。幼児に人気があるのだろうか?歌ばかりが印象に残る。


2位『ハウルの動く城』

この映画は宮崎駿監督の映画の中では最も映像が美しい作品だと思う。ただ、クライマックスがどこかわからず、ストーリーに緩急がないため、観客としては「観ている」というよりは「眺めている」といった感じになってしまう。宮崎駿はストーリーを作るのが上手いのだから、この映画のストーリーが面白かったら、彼の映画で一番魅力的な映画になったかもしれない。


3位『もののけ姫』

この映画をワースト3位に選ぶことに異論を唱える人は多くいると思う。しかし、この映画では森や神様が日本人の心の奥にあるものに訴えて来るのだが、外国人の心には訴えないと思う。日本人に訴えられればいいじゃないかというとそれまでだが、しかし、日本人に対しても内容が訴えてくる力は弱かったように思う。
この映画、クライマックスがきちんとありストーリーにも緩急があって優れていると思う。
しかし、内容が観念的で観客に考えさせてしまう。私は浪人時代にひとりで予備校を抜け出してこの映画を観に行ったのだが、そのあとマクドナルドで食事をしていると中学生の男子グループがこの映画を観て来たらしく話していた。ひとりは困惑顔で「あれ、わかった?」と友達に言っていた。「わからなかった」と答える友達もいた。わかったふうに説明する友達もいた。しかし、そのように分かったかどうかを語り合うのは『エヴァンゲリオン』のような映画の役割であって、宮崎駿の映画の役割ではない。宮崎駿の映画は直感に強く訴えてくるような映画であるべきはずだ。観念的で堅いのは宮崎駿の映画の魅力ではない。
そもそも、『もののけ姫』の内容はマンガ版『風の谷のナウシカ』の焼き直しであることが面白くない。このマンガを予め読んでいた観客はこの映画の結末はある程度想像できたのではないだろうか?マンガ版『風の谷のナウシカ』は過去に読んだマンガの中で一番面白いと私は思っている。まだ読んでいない宮崎駿ファンはぜひ読むべきだと思う。このマンガを読めば『もののけ姫』で宮崎駿が言いたかったことが、観念的ではなく実感としてわかると思う。
私は『もののけ姫』が好きか嫌いかと言ったら好きだ。ただ、観念的で堅い所がこの映画の魅力を損ねていると思う。
読み解かせる映画ではなく直感に訴えてきて欲しいと思う。

次の映画『君たちはどう生きるか』を私は心待ちにしている。
私は宮崎駿と同時代に生きていることを幸せに思う。

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