必殺技の話to新日本プロレス


格闘ゲームには必殺技と言うものがある。
何かと言えば、特定のコマンドを入力する事でキャラが特殊な攻撃をするのだ。要するに波動拳とか昇竜拳とかそういうの。直接知らなくても名前くらい聞いた事あるって人はいるんじゃないだろうか。

まあ名前のわりには必殺技を当てたところで敵対キャラは死んだりしない。超必殺技なんてのもあるが、これも凄く強い必殺技なだけで相手は死んだりしない。一撃必殺と言うのになると本当に一撃で相手が死ぬ。すごい。


むかしむかし。
ストリートファイターが2になる前は本当に必殺技で、やたらとコマンド入力の受付が難しかった(コマンドが難しいのではなく、その入力に正確性が求められた)らしいが、当てれば本当に必殺だったらしい。やった事がないので知らないけれど。あとボタンを叩く強さで弱攻撃とか強攻撃の差別化をしていたらしい。凄い。


今からプロレスの話をします。
格闘技を見ていると、必殺技とまでは言わないけれど得意技とかってのがある。
そういう話をします。


新日本プロレスの新シーズンが始まった。
外国人勢が少ない今、国内選手で頑張っているのを見ると今までが本当に外国人レスラーに頼っていたんだなと思う。それにしたって第一試合とかタッグマッチで、人材がブクブクに膨れた新日本プロレスレスラーの渋滞っぷりが酷いもんだと思ってしまう。いっそWWEみたいにリーグを分けない事にはどうしようもないんじゃないだろうか。

現在の新日本プロレスでは、一番人気のユニット「ロスインゴベルナブレスデハポン」から最初期のメンバーEVILが裏切りの離脱をするなどして、大きな新展開を迎えている。
また、2004年デビュー同期のオカダカズチカと高橋裕二郎のマッチアップ、ディック東郷の参加などもあり、大きな動きがあるのだろうと思う。


そんな風にそれぞれのレスラーたちが活躍しているが、一点だけ気になるところがある。
反則や乱入を止めないレッドシューズ海野レフェリーの話ではない。
レスラーが必殺技(得意技)を使わないのだ。


一番目立っていたのはNew Japan Cupからオカダカズチカがレインメーカーを出さずに、ジャベ(関節技)のコブラクラッチを多用している。最初は格の違い……もといレェェェェヴェルの違いを見せつけるのかな?と思ったけれど案外とそうでもないようだ。

それと言うのも内藤哲也がデスティーノを滅多に使わないし、ヒロムもタイムボムを多用しない。技を仕掛けようとはするが、相手にダメージを与える前に返されたりする。
そうやって全体的にレスラー達が持ち技を乱発しなくなった。

確かにそれまではレインメーカーを、デスティーノを連発していた。
必殺技を出して出してだしまくり、お互いが食らっても食らっても立ち上がる。さながら格闘ゲームのようであった。
しかしそれはそれぞれの肉体に多大なダメージを残す。ゲームではないから。
そして得意技(必殺技)に対する期待値も下がってしまう。だってどうせ立ち上がるから。
(SANADAはパラダイスロックと、石森太二はYESロックを使うがあれはジャベなので良いんじゃないかな)

そんな風に思っていたら、今シーズンではそれぞれが必殺技を多用しなくなっている。
消えかけた必殺技への期待感、わくわく感の価値を取り戻そうとしているんだろう。僕はすごく期待している。

あれを食らったら立ち上がれない、そういう技であるべきなのだ。
3ゲージ使って放つ超必殺技であるべきで、おいそれと出せる技じゃないし食らったらカウント1で返せる技じゃないのだ、本来は。だからそれを食らわないようにする攻防が成立するし、技が完遂される事にたいする緊張感も発生する。
毎試合繰り出される必殺技から、レアな技になった事でプロレスそのものの価値が上がったと思う。

それにしても今後の新日本プロレスはどうするんだろう。
そもそもが過密なスケジュールだ。
ちょっと地方巡業を減らすとか、そうじゃないなら大きな大会を絞るとかすればいいのにと思う。もしくはさっき言ったようにWWE的に曜日ごとにリーグを分けるとか。G1を二年に一回するとか。大相撲でもそうなんだけど、あんなのをハイペースで続けていたら大変な事になる。いくらなんでもやりすぎだ。
レッスルマニアみたいに年一でリーグ統合戦をやれば良いんだし。選手がケガをして欠場してしまう事は、リングや土俵の価値を下げてしまう。ファンとしてはそれが残念なので、なんとか興行のペースを落として楽しむ方法はないものだろうか?新日本プロレスは人材がダブついてしまっているし、もったいないタッグマッチが多すぎる気がする。どうだろうか。


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