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権限を移譲しても、組織の問題は社長の問題

組織は30人・50人・100人の壁があるといわれます。

どんな組織も大きくなるにつれてぶつかるといわれている人数の壁ですが、調べてみると知っておくべき組織の課題がたくさん出てきました

そして一番伝えたいことを先に書くと、

組織の問題は社長しか解決できません。

30人の壁

社長1人でマネジメントするのが難しくなってくるタイミングと言われています。
目が行き届かなくなるので、マネージャーを置いて部署を分けたり制度構築や権限移譲が必要になってきます。

会社立ち上げを一緒に踏ん張ってきてくれたメンバーは、それまで同じ目標に向けてフラットに関わり合ってきたのではないでしょうか。
どういう組織図にするか、どう評価をつけていくのか、これらの意識にずれがあると会社に帰属する意味を見出せなくなるメンバーが出てきてしまい、思わぬ退社となってしまう可能性もあるので、慎重にならなければいけません。

こちらの記事には、Googleストリートビュー事業やVR事業を手がける、LIFE STYLE社の事例が書かれていました。

人事制度を構築にあたって社内意識のズレをなくすため、世の中にある人事制度がでてきた歴史背景まで調べ上げ、自分の会社に合う制度はどれかを何度も話し合って決めたそうです。
半年かかって決めた制度ですが、導入後も良い点・悪い点を見つけながら改善していくと書かれていました。

100社あったら100通りの人事制度です。
人事制度を決めていくことは一筋縄ではいかなそうですね...。

また、この事例では30人以上に増えていく過程で「会社がどこに向かうのか」をきちんと明確にしています。この「理念を明確に言語化して組織全体で理解する」ことも人数が増えていくうえで大切にしたいポイントです。
その理念に合わせて評価軸を作ることで、社内の納得度が増し、残念な離職を起こさずに30人の壁に立ち向かえるでしょう。

50人の壁

30人の壁を越え、次はマネージャーたちのマネジメント力の壁が訪れます。

まず必要なのはマネージャーたちの育成でしょう。
社長も含めてそれまでプレイヤーとしてやってきている人達であれば、マネジメントは初心者なのでうまくいかないのは当然です
組織論にマネジメントに関する研究がたくさんあるように、マネジメントは意識しないと身に付きませんし、コツがいります。

↑これとってもおすすめです。

マネージャーの仕事は、できていない部下を叱ったり、チームの中で一番成績を上げたりすることではありません。
マネージャーにとって大切なのは、余裕をもって部下の仕事の進捗を確認し、期限までにゴールに到達させるには何が必要なのかを教えることと、進捗を妨げている障害に気づいて取り除くことだ、とこの本には書かれています。

また、マネジメントがうまくいっていない原因には、スパン・オブ・コントロールの原則も関わっているかもしれません。
1人の管理職が適正に対応できる部下の人数をスパン・オブ・コントロールと呼ぶのですが、一般的に1人の管理職に対して5名~7名の部下がいいといわれています。
もし50人の壁に当たった段階で、管理能力を超える部下が配置されているようであれば、組織図を見直す必要があるかもしれません。

100人の壁(社長こそ認識すべき)

社長が全員顔を覚えれるか怪しいレベルに大きくなった段階。

組織とともに事業が大きくなり、会社の意思決定に関われる人数に限界が出てくることで、意思疎通の速度や正確さが徐々に弱まってきます。
プレイヤー全員の意見を聞くことが難しくなるので、組織内の不満が生まれやすくなります。

また、その不満に対応することも難しくなります。30人の時に苦労して決めた人事制度も、100人になってから改善しようとすると全員の意見を反映することはさらに難しいですし、例えば働き方の改善や新しいツールの導入、新事業の立ち上げ、新卒採用の導入など取り組みたいことが無限に出てきてしまい、管理職の人材は疲弊してしまいます。

これに対応するには、まず課長職の育成(ができるように部長人材も育成)、必要タスクの優先順位付け、そして社内への状況説明ではないかなと思います。

私自身100名組織を経験したことがないので記事の内容を引用すると、大切なのは、

今までは、主体性もって自走しろ!足りないものは自らの行動で手に入れろ!そんな意識で経営していると思われる。(それで正しいと思う)
しかしそのスタンスでは組織の統制はかなり難しい。
社員に向き合って、育成して伸ばす仕組みで社員や組織を支えるというスタンスに切り替えていかないと壁を乗り越えにくい。

ということです。100人の組織になると管理職の人材に任せることも増えてきて、社長自身の責任範囲を認識しにくくなるかもしれませんが(会社の全責任は社長だと思いますが)、社長自ら組織に向き合って問題に対応することが大切です。

大学でがっつり組織論を学んだ私が一番感じたことは「社長の認識が変わらないことには組織は変わらない」ということでした。

現場に近いメンバーだからこそ気が付く問題もあると思います。その問題意識を社長にまで引き上げられるような制度・文化も必要なのではないかなと思います。


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