アサナのトリセツ05|辛いだけじゃない!椅子のポーズで骨盤を整え、背中スッキリ
ヨガの実践方法はアサナだけではありません。ポーズが取れることよりも、そのプロセスでの逡巡、そして気づきこそが重要でありパワフルです。
とはいえ、少しでもアサナを洗練させていきたいのが人の常。このコラムでは、基本のポーズの基本のアプローチを、わかりやすく、少しだけマニアックに説明します。
すべてのアサナの原則は「安定していて快適」であること。今回取り扱うのはみんなあんまり好きじゃないよね…椅子のポーズです。カラ椅子といえば辛いの代名詞ですが先入観を捨ててこのアサナを楽しみ、効果を最大限にしましょうね。
ウトゥカターサナとは
日本語名は「椅子のポーズ」その名の通り、実際に椅子に座っているような姿勢から名付けられました。
「ウトゥカタ」は強い、激しいという意味を持ち、直訳すると「強いポーズ」となります。 椅子に座る形を取りながらも、椅子はなし。これは辛そう。
しかし、辛いだけではないのはタイトルの通り。大きな利点は二つ。まずひとつは猫背や腰痛を根本的に防ぐ、効果の高いポーズだということ。そしてもうひとつは、力強い気づきを促すということ!
ではまずひとつ目の利点を見ましょう。
座位のアサナ全般が股関節を大きく屈曲します。股関節屈曲ポーズは大きく言えば前屈。背骨のS字カーブを確保するのが難しく、骨盤後傾になりやすいですが、椅子のポーズも当てはまります。あるいは腹筋が抜けて骨盤が前傾することも。
このミスアラインメントを整えようとするときに下肢、体幹がバランスよく使われます。繰り返し練習すると骨盤の後傾や前傾を少しずつ改善します。
(ミスアラインメントについての記事もあります! まだの方はぜひ)
また、左右対称のポーズであることは、ギリギリまで腰を下げると筋力や柔軟性の違いを感じられるなど、自分自身のモニタリングに適しています。身体を観察することは、その時にどう対応するかという自分の思考の癖にも気づくチャンス。基本を押さえて、パワフルな気づきと効果を得ていきましょう。
太陽礼拝にも含まれ、何度もクラス中に行うこともあるポーズ。気楽に行い、少しずつ深めていきましょう。
Benefits【ポーズから得られるもの】
姿勢改善と集中力の向上にとても効果的なポーズです
大腿四頭筋、ハムストリング、臀筋群など下半身の筋力を強化し、同時に股関節の背面(臀部・腰部など)をストレッチします。アラインメントが整うと腹筋群と背筋群にバランスよく効いてきます。また、体側のストレッチの要素もあります。
注意と禁忌
特にありませんが無理に腕をあげると肩を痛めることがあるため注意。また高血圧の方も腕を上げることで気分が悪くなるようであれば無理せずに腰に手を置きましょう
椅子のポーズへのアプローチ
こぶしひとつ分のスペースを開け、つま先を正面に向けて立ちます(山のポーズ)足と足を開くのはピタッとくっつけるより安定感が増すから。股関節や膝への負担も減りますよ
息を吸いながら両腕を持ち上げ、肩が上がらない程度の位置でキープ
息を吐きながら膝を曲げます。この時、膝が内側に入らないようにまっすぐ正面に押し出します
さらに吐きながら腰を下げます。膝はつま先より前に出ないように保ちながら、腰を下げられるところまで下げましょう
ギリギリまで腰を下げ、尾骨を下に向けます。こうすることで骨盤の後傾・前傾を防ぎ、体幹が安定します。体側が強くストレッチされるため、必要がに応じて腕の位置を調整します。可能であれば手首の方に視線を移しましょう。目線を手に向けることでさらに体幹が安定し、上半身が伸びやすくなります
数呼吸保持したら、息を吸うタイミングで膝を伸ばしましょう。股関節がやや前傾した状態で止まりやすいため、身体全体のバランスに意識しながら戻ります。
息を吐きながら腕を体側におろし、山のポーズに戻ります。
椅子のポーズのポイント
シンプルなポーズですが、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
これらは他の要素より優先順位が高いポイントです、全部一気にできなくてもポーズが終了するまで意識し続けましょう
①つま先と膝は正面に!
膝は曲げるとうちに入りやすい傾向がありますが、ここは慎重にスネ同士を寄せることで膝を正面に向けていきましょう。膝だけでなく、股関節と足首を守ります!
②骨盤をニュートラルに戻してからポーズを保持
腰を落とすと骨盤が後か前に倒れ始める場所があります。前屈が苦手な人は腰が丸まって、腹筋が抜けてしまうと腰が反ってしまいます。ここで尾骨を軽くかかとに向け、下腹部を引き上げると
③肩はいつでも耳から遠く
腕を上げるポーズはいずれもそうなのですが、つい頑張り過ぎて肩が持ち上がりがち。肩はいつもリラックスさせておきましょう
初心者の方に
安定感がなければ腿の付け根に手を置き、マットに向かって押してみましょう。股関節が詰まっていると椅子のポーズは快適さが失われてしまいます。
腿を押し下げることで股関節に余裕が生まれます。足裏が根付く感覚を味わいましょう。マットをしっかりと押し、その反動で全身が力強く伸びていく。そんなイメージでポーズを行ってみてくださいね。
この方法は、腕を上げると肩が詰まる場合にも有効です。肩が詰まりやすい人は、椅子に座ったまま腕を伸ばしてみるのもいいストレッチになります。立位で行うのとは脇の伸びが違うはずです。試してみてね。
最後に
椅子のポーズは、クラスの中でカジュアルに複数回出てくるポーズです。こういった何度も行えて、難易度が高くないポーズでアラインメントを体に浸透させていきましょう。普段のプラクティスの効果が高まり、アドバンスポーズを安全に、豊かにしてくれるはずです。
強いストレッチと体幹と下肢のトレーニング効果がある椅子のポーズは、座り姿勢と立ち姿勢を整え、スタイルとQOLをアップさせてくれますよ。
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