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その時代に生きる人に共感

歴史を学ぶとき、その時代に生きる人に共感し

歴史的記述は「真なる小説」

を求める手法があります。
フランスの歴史学の手法|鈴木良実 (note.com)

これを使って、明治憲法を考えて見ました。今の知恵では、色々と問題があるとされている憲法ですが、当時としてはそれなりの必然性があったと思います。

例えば、現在の教育では、悪く言われることが多い、天皇に関する条項です。第一条から第三条は以下の通りです。
大日本帝國憲法 - Wikisource

第一條 大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス
第二條 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所󠄁ニ依リ皇男子孫之ヲ繼承ス
第三條 天皇ハ神聖󠄁ニシテ侵󠄁スヘカラス  

さて、これを幕末から、明治二〇年頃までの状況を踏まえて、この条文の裏を考えます。

例えば、第三条の裏には

「岩倉具視の孝明天皇暗殺」などはあってはならない

と補うと、必然性が見えてきます。明治期にも、孝明天皇暗殺説は、色々とささやかれていました。

第一条、第二条には、それほど広がった説ではありませんが

明治天皇入れ替わり説
長州の奇兵隊から連れてきた!

という話も一部では流れています。これは、いわゆる『尊皇派』の者にも、多くは

勝てば官軍

と言う発想があり

反対する主君も暗殺

等が横行したのが幕末です。この流れで、多くの人は

孝明天皇暗殺説

を受け入れていました。

これを排除するための

天皇は神聖にして犯すべからず

だったと思います。

関連記事です。
大衆が求めた天皇の神格化|鈴木良実 (note.com)

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