「プロダクト」という概念を消すことを考える

マーケティングの4Pなんてフレームも有名ですが。

そもそも、飲食業に当てはめると最初のP=「プロダクト」って、どうも腑に落ちないんですよね。まあ、ほかのPもいまいち・・・製造業を前提に語ってるよね??て思いますが、特にプロダクトですね。もやもやするのは。

サービス業はそもそも目に見えず手に触れず、提供と同時に消費されストックも移動もできないものを「商品」として扱い、提供し、対価もいただく商売です。
そのなかで、プロダクトって言われたら定義しやすいのは目に見えて手に触れるもの・・・つまりは「お料理」だったり「お飲み物」だったり、建築物や設備・備品。活動を除いた外身としての「人間」も入るのかな?
まあ、飲食業で「商品」っていったらお料理とドリンクですよ。普通は。

で、そのまま「プロダクト」=「商品(お料理とドリンク)」と捉えると、マーケティングが成り立たない。「サービス」が抜け落ちてますからね。サービス業なのにサービスを扱えないフレームなんて、ビジネスを成長させるのに役に立つわけがないんです。

僕らが顧客からお金をもらえるのはなぜか?

顧客は、何に対してお金を払っているのか?

これこそがビジネスのドメインであり、資源を向けるべき対象であります。

今の時代においては、わかりやすい「プロダクト」=「商品(お料理やドリンク)」は自社/自店が顧客から選ばれる理由にはなりえないでしょう。

必要がないのではなく、「前提」にしかなりえないということです。

プロダクトやコンテンツ(プロダクトに平準化された仕掛けを加えたものを”コンテンツ”と考えます)頼りのビジネスは苦しい。どんどん苦しくなるでしょう。
新しい商品を開発した瞬間に、次のネタを探さないといけない。
ネット社会においてはコンテンツの賞味期限は短くなる一方です。

ヒット商品を開発してバズらせれば、一時的に業績は上向くでしょう。
ですが、その商品、だれでもマネできますよ。
しばらくすれば、雨後の筍のように模倣業態がたちあがってきます。

なので、飲食店は商品が良いのは前提。前提に過ぎない、と考えたほうが楽です。シンプルです。
プロダクトやコンテンツに関しては、常にアップデートを重ねるだけで良いのです。
「永遠のプロトタイプ」と考えるべきでしょう。
定期的に「新作」を投入する必要はありません。
新しいアイフォンやゲーム機が発売されても、何日も前から並ぶ時代は終わったんです。

「プロダクト」はサービスに置き換えるべきでしょう。

「サービス」という言葉も、飲食業では手垢がついていて厄介なのですが・・・。

とにかく「顧客」を中心に置くこと。
自分たちの提供したいものがサービスではありません。
語源の「スレイブ」に立ち戻り、押し付けをやめること。主体を「顧客」に移すこと。

ここがスタートです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?