マガジンのカバー画像

てのひらのラナンキュラス

34
140文字以内で綴られる小さな世界。 17文字、お題で書いたものなど、掌編を掲載してゆきます。 ラナンキュラスの花びらは100〜200枚であることから名付けました。
運営しているクリエイター

#140字小説

梅雨に喫茶。コーヒーに純文学。 #架空タイトル

雨の日の喫茶店でのんびりと家から持ってきた本を読む。 天から降りてくる粒は静かに窓を濡ら…

硯羽未
2年前
20

真夜中は君の夢の中 #架空タイトル

言えなかったことがある。 真夜中の君の夢に忍び込んで、落書きしておきたい大切なこと。 …

硯羽未
2年前
7

罪深い感情 #架空タイトル

どうして好きになってしまったのか。 けして幸せになれるはずもない相手。自分でも理解出来…

硯羽未
2年前
1

後書きみたいな恋でした。 #架空タイトル

両片思いの彼と彼女、互いの気持ちがやっと通じてハッピーエンド。 なんてね、チープな結末…

硯羽未
2年前
4

走ったから、転んだ。詩ったから、傷ついた。 #架空タイトル

それでも走り出さずにはいられなかった。 詩わずにはいられなかった。 そう言った君の背中…

硯羽未
2年前
1

君が、書く、死。 #架空タイトル

今日の君へのお題は「死」だよ。上手に書いてね。 変なお題? 気にしないで。鉛筆でも万年筆…

硯羽未
2年前

神よ、僕を恐れるな。 #架空タイトル

いつからだったろう、僕が『神殺し』と呼ばれるようになったのは。 この両手足は鎖に繋がれ、自由を奪われて久しい。それなのに神は僕を恐れるのか? いつか自分を殺しに来る者であると認識して。 神よ、願わくば僕を恐れるな。 恐れを捨てた時初めて、見えなかった真実が姿を表す。 ■あったらノベルズ様の架空タイトルをお借りしました。

明日には消える #架空タイトル

うん、一番の想い出だよ。 でも、しょせん想い出だけど。 今日一日でいちばんの想い出を、…

硯羽未
2年前

冷たい花 #架空タイトル

サヨウナラの前に、少し触れたくなった。 手を伸ばした先に、確かに君は存在する。 勇気を…

硯羽未
2年前

キスはスキじゃない #架空タイトル

好きだと告白したら、君は困ったように少し黙り込んでから、交際の条件を出してきた。 どれ…

硯羽未
2年前

別世界

君の目に映る世界と 僕の目に映る世界は まったく違うものなのだろう。 同じ場所に存在してい…

硯羽未
2年前

出会い

いつも僕の通学路と反対へ行くあの子を、新学期が始まってから見かけることがなくなった。どこ…

硯羽未
2年前

藍色

青に何を足したら藍になるだろう。 青は藍より出でて藍より青し、という言葉がある。けれど青…

硯羽未
2年前

月に跳ねる

「月の裏側に住む兎は寂しい」 「何故?」  海のない、ごつごつとした荒涼たる世界が寂しいのだろうか? 「月の裏側は地球に向かない」 「それが?」 「永遠に君に会えないだろ」 「月にいたらどの道会えないでしょう」 「そんなことはないよ、現に僕は」  闇夜に浮かぶ明るい月に、ぴょんと兎が跳ねた。