やさしいガンプラ紹介
ガンプラと聞いてなんだそれ?って言う人は居ないでしょう。居たとしてもとっくに検索しているでしょう。でも、所詮プラモデルだから難しいんじゃないの?と思う人も居るはず。
そこで今回は、プラモ初心者の子ども向けなのに大人も唸る例のガンプラを紹介。
紹介
この袋です。500円。
エントリーグレード 1/144 RX-78-2 ガンダム(ライトパッケージVer.)です。
左下アイコンには接着、道具(ニッパー)、塗装不要でシール貼付不要と書いてあります。これが、初心者の子ども向けと言及した根拠。いずれもプラモデルが難しいと思い込ませてしまう要因な訳で。もっとも、昭和や平成初期ならともかく、令和に発売されたものでは接着剤が必要なガンプラなんて無いはずですが。
それはそうとして、道具不要ならどうやって切り離すの?と思う方も居るでしょうが、手でもぎ取るんですよ。もぎもぎフルーツみたいに。
中身
説明書、ランナー2枚。枠に部品がつながったこれをランナーって呼びます。
ランナー
この枠から部品を手でもぎ取って組み立てる。さて、この並べ方、わざとこうやってます。多色成形も駆使して、おおよそ上から頭、胴、腕、脚といった部位ごとに部品が固められてるんですよね。組み立ては部位ごとにやるので、部位ごとに固まっていてくれれば探しやすいというわけ。
組立
説明書どおりに部品をもぎ取って、組み立てるだけ。さて、そうするとどうなるか。説明書は上半身から組む手順になっていますが、指示通り上半身だけ組み立てた状態。
お分かりいただけるだろうか?ランナーの上半分の部品がなくなっていることに。組み立てるほどに上から順番にスカスカになっていくので、どんどん探す範囲が狭まる。そうするとより簡単に見つけられるようになる。部品配置と説明書のあわせ技。
完成
こんな感じで写真撮りながらだらだら組んで30分かからず。一応プラモデルは普段から作ってるのでこんなペースとはいえ、初心者でも1時間はかからないはず。
手でもぎ取ったが故に切り口(ゲート跡という)が汚いので遊ぶ前に軽くデザインナイフ(美術部が使ってそうなカッター)で整形。
可動
こいつ、動くぞ!冗談抜きで、2000円未満のガンプラの中で化け物クラスでよく動く方です。500円なのに。肘がもうちょい曲がれば完璧に抜刀できるけど、微妙に足りないので抜刀直後ポーズで留めてます。そうは言っても2000円未満だとこのポーズさえとれないのも珍しくないので
やっぱり化け物。
ステップアップ:スミ入れ
塗装不要と言ってるのに塗装をするとは。まぁ、簡単な工作です。各部の溝をちょっと濃い色でなぞるだけ。普通のマーカーじゃ太すぎるので専用のマーカーを買う必要がありますが。初心者ならガンダムマーカースミ入れ用極細タイプがよいでしょう。ただの極細マーカーなので扱いも簡単。白→グレー、青とグレー→黒、赤と黄→茶色でスミ入れするといい感じ。はみ出し部分は消しゴムか、専用の消しペンできれいに消せます。消毒用アルコールでも消せるけど。
----ここからはやさしくない。初心者はスルー推奨----
スミ入れ道具
スミ入れで今回これを使用。ガンダムマーカーでは新参者、流し込みタイプ。溝の端にペン先押し当てると色が溝に勝手に流れていくので溝をなぞらなくてもよいといったシロモノ。溝が浅すぎると流れないので刃物や針で溝をわずかに深くしてあげる必要があって案外初心者向きでもなかったりする。注意書きにある通りラッカー塗料なので、エナメル塗料ほどは流れてくれないかな?といった印象。
エントリーグレードって?
名前の通り入門者向けグレード。ただし、キャラ物プラモデルのエントリーグレードであって、過去に存在したガンプラのエントリーグレードとは別。3歳以上(3+)、6歳以上(6+)、8歳以上の3クラスが存在し、今回のガンダムは8歳以上。他クラスも接着剤不要、工具不要、塗装不要は同じ。ただ、シール貼りあるしほとんど動かない。その代わり、作る工程と固定ポーズ(格好いい立ち姿)で魅せるプラモデルになっている。本来子ども向けだからこれで正しいのであって、ガチのガンプラになってるガンダムだけ異端。
このキットの凄さの源流
開発インタビューを読んでいればご存知だろう。このキットにはいわば源流が存在する。2018年発売のHGAC 1/144リーオー。まさかの量産機。おまけに普通のHGガンプラのラインナップ。
多色成形で部位ごとの部品配置はこのリーオーで導入されたもの。それと説明を省略したが、肘と膝は関節を部品で挟み込むのではなく、部品を切り欠きのある関節で連結する構造である。これもリーオーで導入された。「初心者も広く手にとってすぐ遊べるようになるべく組み立てを簡単にしたい」という試みは今までの平成ガンダムのテレビ放映時のキットでも行われてきたことであり、その一つのアンサーかつ大成功例がリーオーというわけ。上述の簡単組立要素はファインビルドという通称がつけられている。
ガンプラから派生したシリーズの話
機体によってはファインビルド採用に困難さがあったので広い展開は難しかったらしい。それ故に誕生したのが30MM(30Minutes Missions)シリーズ。最初からファインビルド前提でデザインラインを作ってしまえば広く展開できるということ(ここまで30MMインタビュー参照)。それを良いことに多々買い、カラバリ、カスタムパーツ商法で展開、量産機好きと改造好きの心を掴み、品薄になるレベルでヒット。やることがえぐい。
それからいくつか季節は過ぎて
リーオーはヒット、後続で全面あるいは部分的にファインビルドを採用したガンプラもでてくるし(狂気のマグアナック隊36機セットもあったし)、30MMもヒット。そんなこんなで月日は流れ、技術をコトコト煮込んで出してきたのがこのエントリーグレード1/144ガンダムってわけ。
脱線
上述の多々買い、カスタムパーツ商法は30MMから始まったものでもない。ガンダムビルドファイターズから。そして現在に至るまで続いている。要はガンプラでも30MMでもえぐい商法している。それだけならよいが、武器や装備のジョイントなんかが共通化されているものだから、魔改造なんかしなくてもパーツ使いまわしてカスタマイズ出来るようになっているわけ。エントリーグレード 1/144ガンダムも同じ規格なのでもちろん改造可能。こいつを素体に改造沼に落ちることも可能。実際、改造前提で複数買いする人も居るくらいで、凄いを通り越して恐ろしい。
オチ
ここまで偉そうに書いておいてあれなんですが、ファインビルドの入門は30MMでやってしまったのでHGリーオー組んだことがないんです。当時にリーオー組んで感動しておけばよかったかも。
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