マガジンのカバー画像

614
運営しているクリエイター

#塩野七生

直接的に時事的なことを歴史家が語るのに相応しくない時期なのかも:読書録「誰が国家を殺すのか」

直接的に時事的なことを歴史家が語るのに相応しくない時期なのかも:読書録「誰が国家を殺すのか」

・誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ
著者:塩野七生
出版:文春新書(Kindle版)

「文藝春秋」連載エッセイをまとめたもの。
もう「5巻」ですか。
今回は「2017年8月」から「2021年8月」に書かれたエッセイ(+入院記)が収められています。
時期的には「コロナ前」から「コロナ禍中」。
日本の政治の視点から言えば、「20年8月」の安倍首相退陣は時期に入っていますが、「22年7月」の安倍氏暗殺は

もっとみる
確かにこれは「完結編」:読書録「小説イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア」

確かにこれは「完結編」:読書録「小説イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア」

・小説イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア
著者:塩野七生
出版:新潮文庫

「3」を改めて読んで、
「キレイに終わってるやん」
と思ったんですが、25年ぶりの続編である本作を読むと、
「なるほど、<完結編>やわ」
とw。

物語は前作のすぐ後からスタート。
前半は「完結編」っぽく、これまでの物語のフォロー編になります。
特に1作目の「アルヴィーゼ」の遺児の件は、3巻に「匂わせ」はありました

もっとみる
そうそう、こういう決着。…ん?続きはどうすんの?:読書録「小説イタリア・ルネサンス3 ローマ」

そうそう、こういう決着。…ん?続きはどうすんの?:読書録「小説イタリア・ルネサンス3 ローマ」

・小説イタリア・ルネサンス3 ローマ
著者:塩野七生
出版:新潮文庫

以前出版された時は3部作で本作が最終作。
主人公(マルコ)の愛人である高級娼婦オリンピアの<過去>が明らかにされ、その恋愛の最後の顛末が描かれます。

「そうそう、こうなったんだよな」
と思い返し、
「ありゃ?じゃあ、新作(4巻)はどうすんの?」
とも。

まあ、でもこのシリーズ、二人の大人の恋愛を描きつつ、ホントのところは「

もっとみる
裏の主人公は「マキアヴェッリ」w:読書録「小説イタリア・ルネサンス2  フィレンツェ」

裏の主人公は「マキアヴェッリ」w:読書録「小説イタリア・ルネサンス2 フィレンツェ」

・小説イタリア・ルネサンス2 フィレンツェ
著者:塩野七生
出版:新潮文庫

フィレンツエ/メディチはメジャーですからね。
前作については初読時に背景が「?」なところが多かったんですが、本作を読んだ時は割とそこら辺で戸惑うことは少なかった覚えがあります。
まあ、森川久美さんの「花のサンタマリア」を読んだときに、メディチ家に興味を覚えて、ちょっとそこら辺の本を読んだ…ってのもありますが。
(「花の

もっとみる
再読なんですが、今回の方がずっと面白かったです。(時間もかかりましたがw):読書録「小説イタリア・ルネサンス1  ヴェネツィア」

再読なんですが、今回の方がずっと面白かったです。(時間もかかりましたがw):読書録「小説イタリア・ルネサンス1  ヴェネツィア」

・小説イタリア・ルネサンス1 ヴェネツィア
著者:塩野七生
出版:新潮文庫

正月休みに一気読みしようと思って4巻をまとめ買いしたんですが、結局読めたのは1巻だけw。
まあ犬と遊んだり、ちょこちょこ用事したり、犬と遊んだり…と色々ありまして。

じゃあ「面白くなかったか」というと、そんなことはなくて、かなり楽しめました。
本書は93年に出版された「緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件」の再販に

もっとみる
「ダイヤの切っ先」の目が眩むような輝き:読書録「ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力」

「ダイヤの切っ先」の目が眩むような輝き:読書録「ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力」

・ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力
著者:塩野七生
出版:新潮社

「アレクサンダー大王」の生涯を追ったのが本書。
「全戦全勝」であれよあれよと言う間に大帝国を築き上げ、流れ星のように去っていった若者(死んだのは「32歳」!)の人生は、驚きと輝きと、一抹の哀しみに彩られていますが、読み終えて思うのは、
「なんと輝かしい!」

「アレクサンダー大王」ってなんとなくネガティブイメージだったんですよ。
基本

もっとみる