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#読書録

「伯父さん」はどこへ行ったんだろう?:読書録「我は、おばさん」

「伯父さん」はどこへ行ったんだろう?:読書録「我は、おばさん」

・我は、おばさん
著者:岡田育
出版:集英社

「少女」「若い娘(コ)」と「老婆」の間にある「おばさん」。
その「期間的」な呼称でありながら、蔑称としても機能している「おばさん」を読み直して、「女性」の生き方に新しい見方を見出そうとする作品…かな?
ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」や、北杜夫の私小説、植草甚一的存在や、両津勘吉、バカボンのパパなんかを引き合いに出してるように、「親子関係」や「上下

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何はともあれ、「その腹をなんとかせぇ」っちゅうコトですなw:読書録「脳寿命を延ばす」

何はともあれ、「その腹をなんとかせぇ」っちゅうコトですなw:読書録「脳寿命を延ばす」

・脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法
著者:新井平伊
出版:文春新書

年明けから「50肩」に苦しんでおりまして…。
いや、もう50代だから、「60肩」?
ともかく右肩が「上がらない」「回らない」って状態になってまして、ここ1ヶ月ほど整形に通いつつ、ストレッチ・リハビリを繰り返してます。
ちょ〜っとずつ、動くようにはなってますけどねぇ。

それこそ20年くらい前に「40肩」になったことがあ

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コレ、漫画化できる?:読書録「スパイ教室01」

コレ、漫画化できる?:読書録「スパイ教室01」

・スパイ教室01 《花園》のリリィ
著者:竹町
出版:ファンタジア文庫

売上、評判とも上々の新人の作品と言うことで、読んでみました。
…いやぁ、僕個人としては、ちょっと合わないかなw。

「ジョーカー・ゲーム」とかを意識してるとこもあるようですが、ちょっとファンタジーっぽい(超能力っぽい)設定が入ってるので、「騙し合い」の緊張感が削がれるとこあるんですよね〜。
ラノベなんで、メインの少女たちが

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祝!ローラ復帰!…なんだけど…:読書録「特捜部Q  アサドの祈り」

祝!ローラ復帰!…なんだけど…:読書録「特捜部Q アサドの祈り」

・特捜部Q アサドの祈り
著者:ユッシ・エーズラ・オールスン  訳:吉田奈保子
出版:ハヤカワ・ミステリ(Kindle版)

デンマークのミステリーシリーズ<特捜部Q>シリーズ第8作。
本作ではメインキャラクターの一人・アサドの「過去」が、ついに明らかになります。

このシリーズ、メインストーリーとなる陰惨な事件と、主人公たちのユーモアあふれる雰囲気が最初の頃は読みどころだったんですが、「ローラ

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「歴史」と「経験」が人を変え、人を作っていく:読書録「猫を棄てる」

「歴史」と「経験」が人を変え、人を作っていく:読書録「猫を棄てる」

・猫を棄てる 父親について語るとき
著者:村上春樹
出版:文藝春秋

「文藝春秋」誌に掲載されたときに読んでるんですよね。
基本的に感想はその時とそうは変わらないかな?

台湾の漫画家・高研さんの挿絵が、
「昭和っぽいノスタルジー、あるなぁ」
くらい。

作品としては父親との関係を描いてはいるんだけど、より深くは「第二次世界大戦」の経験が「父親」の人間性をどう形作ったかを推測するという面が多く

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(メモ)「危機と人類」:フィンランドの外交方針

(メモ)「危機と人類」:フィンランドの外交方針

「中国」と言う近隣の大国、「アメリカ」と言う保護国的位置づけの大国
この2大国との関係を「現実主義」的に処理していくことが今後の日本の地政学的な課題。

(特に近隣大国である「中国」は、
<覇権的な色彩を強めている>
<朝鮮半島(韓国、北朝鮮)と合わせて、反日的な感情ベースがある>
<近代歴史の中で日本が侮ってきた歴史があり、その心理的な傾向を払拭できていない>
…と言う点で、極めて重要)

その

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