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#村上春樹

車の定期点検を待つ間に読み終えましたw:読書録「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」

車の定期点検を待つ間に読み終えましたw:読書録「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」

・デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界
著者:村上春樹
出版:文藝春秋

アルバムジャケットを紹介する村上さんの作品としては「古くて素敵なクラシック・レコードたち」「更に古くて素敵なクラシック・レコードたち」があります。
2作とも「なるほどね〜」とパラパラ眺めつつ斜め読みはしたものの、個人的にはクラシックとブルーズには足を踏み込まないようにしてるので(キリがないからw)、楽しむところま

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村上さんが色々はぐらかしてるようにも読めるんだけど、多分「素」何でしょうね、アレ:読書録「みみずくは黄昏に飛びたつ」(再読)

村上さんが色々はぐらかしてるようにも読めるんだけど、多分「素」何でしょうね、アレ:読書録「みみずくは黄昏に飛びたつ」(再読)

・みみずくは黄昏に飛びたつ
著者:村上春樹、川上未映子
出版:新潮文庫(Kindle版)

「騎士団長殺し」を再読(再<聴>)して、
「そういえば村上さんに川上さんがインタビューした本で何か言ってなかったっけ」
と思いついて、購入していたKindle版をチェック。
「何か言ってた」
どころか、本書は「騎士団長殺し」を巡ってのインタビューでしたw。
(文庫用の新録も含めてインタビューは5回。正確には

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再読(オーディオブックだけど)の方が面白かったです。:読書録「騎士団長殺し」

再読(オーディオブックだけど)の方が面白かったです。:読書録「騎士団長殺し」

・騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編
著者:村上春樹、ナレーター:高橋一生
出版:新潮文庫(audible版)

この作品は出版された時に読んで以来、初の再読。
(audibleなんで、正確には再<読>じゃないけどw)
最初に読んだ時も「ねじまき鳥クロニクル」との共通性を意識させられましたが、最近「ねじまき鳥」をaudibleで聴いたばかりだったので、よりそのことを強

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今読むとナカナカすごい作品。…だけどやっぱりシンドイw:読書録「ねじまき鳥クロニクル」

今読むとナカナカすごい作品。…だけどやっぱりシンドイw:読書録「ねじまき鳥クロニクル」

・ねじまき鳥クロニクル 第1部・泥棒かささぎ編 第2部・予言する鳥編 第3部・鳥刺し男編
著者:村上春樹 ナレーター:藤木直人
出版:新潮社(audible版)

村上春樹さんの長編は時間を空けて何回か読むんですが(最近の「騎士団長殺し」と新作「街と、その不確かな壁」はまだ再読できてないけど)、この「ねじまき鳥クロニクル」は長く再読してきませんでした。
「機会がない」んじゃなくて、明確に「避けてき

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こう言う文章は生成AIでは書けないだろうなぁ:読書録「さよなら、愛しい人」

こう言う文章は生成AIでは書けないだろうなぁ:読書録「さよなら、愛しい人」

・さよなら、愛しい人
著者:レイモンド・チャンドラー、訳:村上春樹
ナレーター:古屋敷悠
出版:早川書房(audible版)

「さよなら、愛しい人」
「さらば愛しき女よ」
…まあでも、
「Farewell,My Lovely」
には勝てませんな。

村上春樹訳では三度目?
もちろんオーディオブックでは初めてです。
オーディオブックで聴いて、
「いやぁ、この描写や表現はスゴいわ」
と改めて感心させ

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語り直される物語で語られること:読書録「街とその不確かな壁」

語り直される物語で語られること:読書録「街とその不確かな壁」

・街とその不確かな壁
著者:村上春樹
出版:新潮社

土曜日(4/15)から読み始めて、月曜の夜に読了。
一気…って感じじゃないですけど、650ページを超える作品にしてはトントンと読むことができましたかね。
個人的には結構好きです。
「1Q84」でグッと広がった感じがあった後に、「騎士団長殺し」で一歩元に戻った印象で「?」なところもあったんですが、「語り直し」という原点回帰的な取り組みながら、また

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「ナカタさんとホシノ青年の物語」として聴き直しました:読書録「海辺のカフカ」

「ナカタさんとホシノ青年の物語」として聴き直しました:読書録「海辺のカフカ」

・海辺のカフカ<上・下>
著者:村上春樹 ナレーター:木村佳乃
出版:新潮文庫(audible版)

単行本が出た時に1回。
文庫本になって、1回か2回。
でもまあ、10年くらいは経ってますかね。最後に読んで。
今回はaudibleで聴いてみました。

基本的に「カフカ」少年の物語は、まあ覚えてました。
題名にもなってる主人公ですし(「海辺のカフカ」は曲の名前ですが)。
<オイディプス>の物語をな

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ハードボイルドって、いつの間にやら時代遅れ感が強くなった気がする:読書録「大いなる眠り」

ハードボイルドって、いつの間にやら時代遅れ感が強くなった気がする:読書録「大いなる眠り」

・大いなる眠り 
著者:レイモンド・チャンドラー 訳:村上春樹
ナレーター:古屋敷悠
出版:早川書房(audible版)

双葉十三郎訳で2、3回。
村上春樹訳で1回。
…で、今回オーディオブックで村上春樹訳の「再読」ということになります。

中身については、どうこういうことはないでしょう。
村上春樹訳を読んだ時、
「双葉訳に比べて、丁寧な訳で、品がいいな」
と思ったんですが、今回はそこまでは感じ

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「特別な僕」の物語。…まあでも、一人称小説って、そんなもんでしょw:読書録「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

「特別な僕」の物語。…まあでも、一人称小説って、そんなもんでしょw:読書録「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
著者:村上春樹 ナレーター:大森南朋
出版:新潮文庫(audible版)

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は村上春樹作品の中では初期3部作(+ダンス・ダンス・ダンス)に並んで好きな作品。
何回読み直したか、ちょっと分からないくらい…なんですが、7、8年前に読み直そうと思った時、今一つ乗り切れなくて中断しちゃったんですよね。
まあ、ちょっ

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結構、観てる映画があるな〜:読書録「村上春樹 映画の旅」

結構、観てる映画があるな〜:読書録「村上春樹 映画の旅」

・村上春樹 映画の旅
監修:早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
出版:フィルムアート社

村上春樹さんが学生時代に通い詰めたという「早稲田大学演劇博物館」で開催されている展覧会「村上春樹 映画の旅」の図録…みたいなものですかね。

作家になる前の映画の記憶(映画館の記憶)
エッセイ等で語られる映画について(映画との旅)
村上小説の中に登場する映画(小説のなかの映画)
村上春樹翻訳のアメリカ文学の映画

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どういう風に映画にまとまってるのかしらん?

どういう風に映画にまとまってるのかしらん?

「ドライブ・マイ・カー」。
評判がいいのは知ってましたが、アカデミー賞候補になるとは!
「観に行こうかな〜」
とも思ってたんですが、上映時間3時間ってのに恐れを成しまして…。
「コロナ」って言い訳もありましたしw。

で、改めて原作の方を読みました。
もちろん発表されたときには読んでるんですけどね。
読み返したのは映画の原作になっているらしい3作。

「ドライブ・マイ・カー」
「シェエラザード」

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ジャズレコード版を期待します:読書録「古くて素敵なクラシック・レコードたち」

ジャズレコード版を期待します:読書録「古くて素敵なクラシック・レコードたち」

・古くて素敵なクラシック・レコードたち
著者:村上春樹
出版:文藝春秋

クラシック・レコードを巡る、ちょっとオタクっぽいエッセイかなぁと予想してたんですが、結構ガチの音楽評でしたw。
手持ちのアルバムから97曲のクラシック曲をチョイスして、そのジャケットを並べつつ、そのアルバム曲を評するというスタイルで、プラス3人のピアニスト・指揮者を取り上げて、エッセイは100本収められています。

まあ、私

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そうは言っても、この邦題は…w:読書録「『グレート・ギャツビー』を追え」

そうは言っても、この邦題は…w:読書録「『グレート・ギャツビー』を追え」

・「グレート・ギャツビー」を追え
著者:ジョン・グリシャム 訳:村上春樹
出版:中央公論新社

「フィッツジェラルド絡みとはいえ、グリシャムを村上春樹が訳さなくても」
とは思ったんですが、最近のグリシャムだと日本じゃあんまり話題にならないかな?
そういう意味じゃ、「村上春樹訳」ってのは大きな「売り」になるんでしょうね。
読んでみれば面白いのは確かですし。

作品としてはグリシャムっぽいミステリー/

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まあ、そう言うとこも…w:読書録「一人称単数」

まあ、そう言うとこも…w:読書録「一人称単数」

・一人称単数
著者:村上春樹
出版:文藝春秋

たまたま読む前に林伸次さんの、この村上春樹評(と言うか、「村上春樹ファンの男性に対する女性の評」)を読んでました。

FBに書いた僕のコメント。

<いやぁ、笑ったw。
有料記事ですが、ちょこっと引用。

<で、ここからは僕の想像なのですが、たぶん女性は「村上春樹を好き」という男性を、「ちょっとナルシストで、ちょっと自分を趣味が良くて、世の中を斜めに

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