マガジンのカバー画像

603
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

「教師」されてはったんやなぁ:読書録「往復書簡 限界から始まる」

「教師」されてはったんやなぁ:読書録「往復書簡 限界から始まる」

・往復書簡 限界から始まる 
著者:上野千鶴子、鈴木涼美
出版:幻冬舎

<本書が男の読者に届くとはあまり期待できないけれど、男たちの感想を聞いてみたいものです。>(上野千鶴子)

畏れ多い。
とてもしっかりした感想を書ける気がしません。

元・AV女優、元・日経新聞記者にして、研究者・フリーライター鈴木涼美さんと上野さんの「往復書簡」。
確か林伸次さんのnoteで紹介されて、ブレイディみちこさん

もっとみる
ひとが関係し合うということ:読書録「チェンソーマン」

ひとが関係し合うということ:読書録「チェンソーマン」

一昨日、ネットで話題となってた短編漫画。
一読して、
「いや、スゲェ…」

作者を検索したら、「チェンソーマン」の作者なんですね、この人。
「チェンソーマン」
評判は知ってたんですが、ちょっと「グロ」そうで手が出なかったんですが、この短編のテイストからすると、行けるかもと思って、購入。

…「グロ」かったですw。

でも通じるところはあるかなぁ。

ひと(「チェンソーマン」の場合は「悪魔」だったり

もっとみる
「個人」としてではなく、「社会」としてはどうやって対処していくのか?:読書録「他者の靴を履く」

「個人」としてではなく、「社会」としてはどうやって対処していくのか?:読書録「他者の靴を履く」

・他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ
著者:ブレイディみかこ
出版:文藝春秋

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」で紹介された「誰かの靴を履く」=「エンパシー」と言う概念について、作者が標榜する「アナーキズム」と絡めながら論じた…というか、連載なんで、時事ネタも絡めつつ、ちょっとエッセイ風に…って作品。
「ぼくは〜」で多くの人がエンパシーについて感想で触れてたらしいんです

もっとみる
回り道だけど正しい道…かもしれないけど:読書録「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」

回り道だけど正しい道…かもしれないけど:読書録「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」

・沖縄から貧困がなくならない本当の理由
著者:樋口耕太郎
出版:光文社新書(Kindle版)

Kindleのキャンペーンで安くなっていたので購入。
相変わらずAmazonに踊らされておりますw。

本書は金融畑から企業再生で沖縄に乗り込み、そこで人生を一変する経験をした作者による「沖縄の貧困」の原因分析とその解決策を提示した作品。

<沖縄の貧困に関連する問題は、数々のデータが示しているとおりだ

もっとみる
コロナが「日本社会の老化」を加速させた:読書録「未来のドリル」

コロナが「日本社会の老化」を加速させた:読書録「未来のドリル」

・未来のドリル  コロナが見せた日本の弱点
著者:河合雅司
出版:講談社現代新書

「未来の年表」シリーズの河合先生の新作。
「未来の年表」には物凄く感銘を受けたのですが、近作は、「フォローしなくてもいいかな」…とか思ってましたw。
でも「コロナ禍」がどういうインパクトを「未来年表」に与えたかってのは気になるところ。
久しぶりに読ませていただきました。

もちろん「未来年表」的には一番インパクトが

もっとみる
ジャズレコード版を期待します:読書録「古くて素敵なクラシック・レコードたち」

ジャズレコード版を期待します:読書録「古くて素敵なクラシック・レコードたち」

・古くて素敵なクラシック・レコードたち
著者:村上春樹
出版:文藝春秋

クラシック・レコードを巡る、ちょっとオタクっぽいエッセイかなぁと予想してたんですが、結構ガチの音楽評でしたw。
手持ちのアルバムから97曲のクラシック曲をチョイスして、そのジャケットを並べつつ、そのアルバム曲を評するというスタイルで、プラス3人のピアニスト・指揮者を取り上げて、エッセイは100本収められています。

まあ、私

もっとみる
なんか、一気に読んじゃいましたw:読書録「女たちのポリティクス」

なんか、一気に読んじゃいましたw:読書録「女たちのポリティクス」

・女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち
著者:ブレイディみかこ
出版;幻冬舎新書(Kindle版)

18年12月から20年11月まで「小説幻冬」に連載された文章をまとめた新書。
「幻冬舎?」
って違和感もあるんですがw、内容的には「ブレイディみかこ」、ブレはありません。(キッチリ「反・安倍」w)

「ちょっと長めの連載だし、中身が古くなってるかなぁ」
と思わなくもなかったんですが、

もっとみる