ひっつめ髪同士のランデブー。
朝いつもの通り歩いて駅へ向かう途中、路地からこの町のメインストリートへ出ようとしたところで女性と鉢合わせしそうになった。彼女は身軽な服装でリュックを背負い、髪の毛はすべて後ろでひとつにひっつめていた。そしてわたしも今日は同じくひっつめ髪だった。
出会い頭の急接近。彼女はわたしの顔をチラリと見遣った後で視線を外しながらおもむろに自分のひっつめ髪を両手で必死に撫でつけ整える仕草をした。
わたしの顔を見た直後にほぼ反射的な仕草で自分の髪の毛を撫でつけたりされたら、それは私の髪が