《無料》 「まるで大戸屋なF飯」 ANAファーストクラスの機内食が残念な件
ツイッターで流れてきたANAのファーストクラスの機内食の画像が、かなり衝撃的でしたので今日はファーストクラス機内食のお話をちょっとだけ。
これは「武装という概念で考える旅服」で対談したTEPPEI101さまが最近ANAファーストクラスに搭乗した際にツイートなさったものです。
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面白い人と対談するシリーズ「SUZUの部屋」
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ファーストクラスの機内食って乗ったことない人や、頻繁に乗らない人の想像だと「豪勢なフルコースや懐石がじゃんじゃか出てくる」みたいなイメージだとおもいますが、残念ながらそうではありません。
何故ならまず機内のギャレイ(食事を用意するスペース)で出来ることは限られており、食材の加熱方法は備え付けのオーブンか電子レンジのみで、調理の条件がかなり制限されているのです。
そもそも機内食工場で一旦調理して作られたものを、冷やして航空機に搭載し、食事の時間になったら(料理に関しては素人の)客室乗務員が、マニュアルに沿って各メニューをギャレイで温めなおし、盛り付けて提供する大雑把な方法なので、この条件のもとで機内食を旅客が満足できるように美味しく出すのはなかなか難しいというのが現実。
いくらファーストクラスメニューに力を入れ、有名シェフとコラボしたからといってドラマ『グランメゾン東京』に登場する「山羊のミルクのババロア」みたいな繊細なものは出てこないのです、あくまでも機内ですから。
そういう諸々の条件でハンディがあることを全てわかった上で、先ほどのツイート画像を見てみたのですが、100歩譲ってもなかなか情けないものがANAのファーストクラスでは提供されてるんだなと大変微妙な気持ちになりました。
まず、TEPさまツイートの最初の画像は懐石メニューだと思うのですが、これは忘年会で会費を出来る限り圧縮した「おしゃれ風居酒屋」のお通し兼前菜で出してきそうな少ない予算で見た目頑張ってみました感じですし…
TEPさまのツイートにある3枚目の画像は、ANAのファーストクラスの和食=懐石の主菜のトマトすき焼きを 蒸し物(雲丹の茶碗蒸し)小鉢(焼穴子の酢ゼリー掛け)と御飯(御飯・味噌汁・香の物)と全部お盆にぎゅーぎゅーにして一気に盛って溢れ出る定食屋感を表現したものだと思われます。
和食の提供の仕方がよろしくないので「定食屋感」が出てしまうのだろうと思います。こうならないためには蒸し物&小鉢は無理に主菜と一緒にださないほうが良いのではとANAのファーストに乗るたびに思ってます。
御飯セットまで一気に出すとなると結局こうなってしまうので。
いつも思うのですがANAのサービス方法で蒸し物〜御飯までいきなり同時に出したがる理由はなんだろう。見た目も美しくないし何よりこんなに載ってたら食べにくいのに。
4枚目の画像はいわゆる「大戸屋飯?」っぽい街の庶民的な定食屋の夕飯セットメニューにオプションを限界までいろいろ足しました!みたいなとっ散らかった雰囲気が漂ってて、とてもファーストクラスでサービスされるイメージの食事には見えません。
何より角盆がいかん。
定食屋どころか、学食か社食ぽさが出てしまう。
これらのANAのファーストクラス機内食、全体的にビジュアルが美しくないのが一番気になるところ。
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ちなみにANAのファーストクラスのサイドメニューってわりと見た目まで考えられてないものがオンリストされてますね。
今迄でわたしが味も見た目も「これは無し」とおもって一口でギブアップしたのは竜田揚げでした。
ファーストで出す竜田揚げなので、メニューをみた時点で頭に思い描いたのは和食レストランで出されるようなもうちょっと上品なものでしたが、実際に出てきたのはこれでした。本当にやっすいチェーンの居酒屋でももうちょっとプレゼンテーション気を使ってるのでは?とびっくり。サーブされた時は「何これケンタッキーフライドチキン?」とおもいました。
ほかにもこんな感じ。表紙にしたこの画像はファーストクラスの二食目で出てきたごちゃごちゃしたなにか。
ANAの定食屋ぽいプレゼンテーション
ちなみにANAの名誉のために言うと、これでも日系エアラインは他のエアラインの追随を許さないレベルで、機内食に力を入れすぎるくらい入れていますのよ。
実は他のエアラインの多くはメニューがずっと変わらなかったりしますので、乗るたびに同じものから選ぶということになりがち。
多くのエアラインでは日系エアラインのように頻繁にメニューが改定されることはなくって数年に一度突如「ホテル○○のシェフ監修(コラボ)」みたいなテコ入れがあったりしますが、その契約が切れるまでは何年も同じようなメニューが続いたりします。
そう言う意味ではANAはすさまじく頑張ってるほうだ思います。
なのでANAが改善すべきはメニューをコロコロかえることではなく、皿の上のビジュアルの工夫。どう見せるかのプレゼンテーションが計算されてないのが「まるで大戸屋なF飯」の理由だとおもいましたので。ファーストクラスなんて雰囲気あってのものなのでもうちょっと頑張ったらいいのに。
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いまは乗客がスマホを持っていることにより総メディア化しており、機内Wi-Fiもあるのでこうやってツイッターやインスタに画像をリアルタイムであげることが容易ですから、ビジュアルが美しくないというのはマイナスイメージになります。
陶器の器に盛りつければなんとなくエコノミーより高級に見えるからファーストクラスはそれで良いという時代は終わりました。
その点JALは機内食のビジュアルコントロールが非常に上手なエアラインと言えるでしょう。ほめるところがあんまりないJALですが、ラウンジのカレーの器も含め機内食の器選びのセンスは非常に映えますのでうまいなと。(使い勝手がいいか、客が快適にその皿で食事ができるかは二の次なところがJALらしいですが)
無料記事なのでここで一旦記事の宣伝です。
〈問題がありすぎるエアライン〉リニューアルしたJALファーストクラスラウンジを利用してみてわかったこと。「賢い客はダイヤになってエコを買え!」
ラウンジの器のことに言及した記事はこちら↑
JALはいわゆるSNSで「映える」をとことんこだわってるのがわかりますし。中の人もSNS映え対応をインタビュー等で発信しています。JALはファーストクラスの機内食の目玉、ミシュランのスターシェフとのコラボもうまく続けています。その点だけはANAよりJALが圧倒的に優ってるところでしょう。
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それにしてもこのTEPさまのツイートのANAのF飯画像、改めてまじまじと見てなかなか衝撃的だと思いました。
TEPPEI101さま、ツイートの引用を快諾してくださりありがとうございました。
ライフスタイルブロガーのTEPPEI101さまとの対談はこちらです。
今年の売れ筋記事堂々ベスト3に入る勢いでいまだ売れ続けてるTEPPEI101さまとSUZUの対談。まだの未購入の方この機会に是非どうぞ。
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