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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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#有機化学

書記の読書記録#1220『ウォーレン有機合成: 逆合成からのアプローチ』

Stuart Warren,Paul Wyatt『ウォーレン有機合成: 逆合成からのアプローチ』のレビュー レビュー有機化学の中で逆合成に特化した教科書で,ウォーレン有機化学の姉妹本にあたる。有機合成の理論を知る上で必須の教科書と言える。 もくじ1章 逆合成の考え方 2章 基本原理: シントンと反応剤. 芳香族化合物の合成 3章 合成戦略 I: 反応を行う順序 4章 一官能基C−X結合切断 5章 合成戦略 Ⅱ: 官能基選択性 6章 二官能基C−X結合切断 7章 合成戦略

書記の読書記録#512『酸と塩基の有機反応化学』

奥山 格『酸と塩基の有機反応化学』のレビュー レビュー酸・塩基の反応という観点で見た,有機化学の入門書。 もくじ1 有機分子の構造と相互作用  1.1 共有結合    1.1.1 ルイスの考え方    1.1.2 化学結合の軌道モデル    1.1.3 結合の極性  1.2 分子の形と軌道の混成  1.3 σ 結合と π 結合  1.4 電子の非局在化    1.4.1 共 役    1.4.2 芳香族性  1.5 分子間相互作用  1.6 立体化学と異性

書記の読書記録#206「ヘテロ環の化学」

John Arthur Joule,Keith Mills「ヘテロ環の化学」のレビューと読書記録 レビュー原著「Heterocyclic Chemistry at a Glance Second Edition」,ヘテロ環の反応性や合成法などについて概説する教科書。 これは「Heterocyclic Chemistry」の抄録版。本家はこちらで,ヘテロ環合成には欠かせない本であるという。特に天然物関連では必須だろう。 読書記録# 1p1〜54 ・芳香族ヘテロ環化合物の構

書記の読書記録#159「フロンティア軌道論で理解する有機化学」

稲垣都士・池田博隆・山本尚「フロンティア軌道論で理解する有機化学」のレビューと読書記録 レビューフロンティア軌道論とは,最高被占軌道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)の相互作用による反応を扱う理論で,旧来の有機電子論に代わるものとして注目されている。 そう言われると難しく思われるかもしれないが,実際には有機化学の冒頭で電子の収容について扱い,その時に軌道という考え方は既に身についている。そして,有機反応の大半は有機電子論により説明されて,忘れた頃に環化付加反応や光反応,

書記の読書記録#144「新版 有機反応のしくみと考え方」

東郷秀雄「新版 有機反応のしくみと考え方」のレビューと読書記録 レビュー有機化学の反応を考えるのに必要な知識がまとまった本で,レベル感としてはボルハルト・ショアーと同じくらいだと思う,その副読本として用いると良いだろう。本書では,特に立体化学についての言及が多い。 読書記録# 1p1〜128 ・原子軌道,電子配置(Pauliの排他則,Hund則)・オクテット則・混成軌道・回転エネルギー,1,3-ジアキシアル相互作用・電子の偏り:誘起効果,共鳴効果,超共役効果・Markov

書記の読書記録#130「「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで」

平山令明「「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで」のレビューと読書記録 レビュー匂いの正体について,その分子構造から解説する。〜の匂いはーという分子,といった感じ。逆に,どういった分子がどういう匂いをするかを調べるのにもいい本。内容としては,大学1〜2年相当の有機化学が中心である。有機化学を学習する動機付けとして読むのも良いだろう。 読書記録# 1p3〜148 ・水蒸気蒸留・ソクスレー抽出器・超臨界流体を用いる抽出・GPCR・匂いを感じる仕組み・何種類の香りを区別でき