マガジンのカバー画像

書記の読書記録まとめ

1,279
今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
運営しているクリエイター

#ローマ帝国

書記の読書記録#163「ローマ世界の歴史」

ウェレイウス・パテルクルス「ローマ世界の歴史」のレビュー レビューマルクス・ウェッレイウス・パテルクルス(Marcus Velleius Paterculus、紀元前19年 - 31年)は帝政ローマ初期の歴史家。 第1巻ではトロイア陥落後からカルタゴの完全破壊まで,第2巻ではそこから後29年までを扱う。 本書について知られていることは少なく,そもそも歴史書として一流とみなされていないようだ(西洋古典叢書にしては解説が少ない)。本書を読んだところで,得られるものはそう多く

書記の読書記録#160「ローマ帝国衰亡史 10」

E.ギボン(訳:中野好之)「ローマ帝国衰亡史 10」のレビューと読書記録 レビューローマ帝国の興亡のまとめ。 たとえば自由な共和国の名前と理念を長期にわたって保存した初期の皇帝の巧妙な政策,軍人専制の無秩序,キリスト教の興起,確立とその諸宗派,コンスタンチィノポリスの建設と帝国の分割,ゲルマンとスキタイの蛮族民の侵入と定着、民法典の編纂,マホメットの人格とその宗教,教皇の現世的な首長権,シャルルマーニュの西ローマ帝国の復興と衰滅,東方へのラテン人の十字軍,サラセン人とトル

書記の読書記録#140「ローマ帝国衰亡史 9」

E.ギボン(訳:中野好之)「ローマ帝国衰亡史 9」のレビューと読書記録 レビュー聖地イスラエルのイスラム教からの奪還を目標にした,十字軍の時代。西欧諸国の進撃が止まらない。 読書記録# 1p11〜119 ・ギリシア人,サラセン人,フランク人・イタリアのギリシア植民地・ナポリとシチリアのノルマン人・ロベールによるイタリア征服・コムネヌス朝・ドゥラッツォの戦闘・ハインリヒ3世とアレクシウス帝の同盟・ロジェールのアフリカ征服・マヌエル帝・ハインリヒ6世のシチリア王国征服・マフム

書記の読書記録#116「ローマ帝国衰亡史 8」

E.ギボン(訳:中野好之)「ローマ帝国衰亡史 8」のレビューと読書記録 レビュー場所は変わって,本巻ではアラブ人(サラセン人)の動向について,東帝国の関連とともに書かれている。ここから,イスラム教の進撃が始まる。 読書記録# 1p7〜113 ・アラビアフェリクス・古代の偶像崇拝・サビア教・預言者マホメット・コーラン,戒律・クライシ族の反対,防衛戦争・メッカの服従・アラビア征服・後継者アリの統治・マホメットの成果 # 2p115〜224 ・アラブ人による征服・ペルシア侵入

書記の読書記録#104「ローマ帝国衰亡史 7」

E.ギボン(訳:中野好之)「ローマ帝国衰亡史 7」のレビューと読書記録 レビュー本巻のピークはヘラクリウス帝であり,以後の系譜について約500年分を一気に飛ばす構成となっている。第48章は本作全体を通しても特異で,「物語風の記述」が綴られており(お粗末という評価もあるが),ギボン自身の発想がよく出ているところである。 読書記録# 1p11〜59 ・ユスティアヌス2世・アルボインのイタリア侵入,ランゴバルド族イタリア征服・ロザモンド・ティベリウス2世・マウリキウス・ランゴバ

書記の読書記録#93「ローマ帝国衰亡史 6」

E.ギボン(訳:朱牟田夏雄,中野好之)「ローマ帝国衰亡史 6」のレビューと読書記録 レビュー本巻では西ローマ帝国滅亡後の,コンスタンティナポリスを首都とする東ローマ帝国について,主にユスティニアヌス帝の治世について書かれている。ユスティニアヌス法典,聖ソフィア聖堂などの建立,帝国統治の行政改革などと,ユスティニアヌスは東ローマ帝国の最盛期の代表的な皇帝である。 読書記録# 1p11〜84 ・ユスティニアヌス以前の治世・東ゴート王テオドリック,イタリア征服へ・オドケアルの敗

書記の読書記録#66「ローマ帝国衰亡史 5」

E.ギボン「ローマ帝国衰亡史 5」のレビューと読書記録 レビューとうとう西ローマ帝国が滅亡する。混迷の時代。 ゴート族の王アラリックの登場とヴァンダル族のアフリカ征服,フン族の王アッティラによるガリア侵略と迎え撃つ将軍アエティウス,ヴァンダル族の王ガイセリックのローマ掠奪。 読書記録# 1p11〜107 ・アラリックのローマ進撃・ローマ貴族の風習・ゴート族の3度にわたるローマ包囲,ローマ掠奪・ゴート王アドルフスの和平,プラキディアとの結婚・ガリアとヒスパニアの革命・ヒス

書記の読書記録#61「ローマ帝国衰亡史 4」

E.ギボン「ローマ帝国衰亡史 4」のレビューと読書記録 レビュー次々にローマの為政者が変わる中で,周囲のさまざまな民族がローマ侵入を図る。対外関係は移り変わり,ローマ一強とも言えない時代となりつつある。西からのゴート族は脅威だ。 読書記録# 1p11〜87 ・皇帝饗宴・ユリアヌスのペルシア進撃(エウフラテス河,メソポタミア砂漠,アッシリア,ティグリス河)・哲学者リバニウス・ローマ軍の退却,ユリアヌスの死・ヨウィアヌス帝,屈辱的な和平交渉・五属州の還付 # 2p89〜15

書記の読書記録#36「ローマ帝国衰亡史3 コンスタンティヌスとユリアヌス」

E.ギボン(中野好夫訳)「ローマ帝国衰亡史3 コンスタンティヌスとユリアヌス」のレビューと読書記録 レビューコンスタンティヌス大帝によるローマ帝国再統一から始まる。325年のニカエア公会議と,アリウス派論争にキリスト教界は揺れる。コンスタンティウス2世の政情不安を経て,ユリアヌスが正帝となり,異教復興に進むところまで。 読書記録# 1p9〜92 ・新都市コンスタンティノポリス:ボスポルス海峡,プロポンティス海,ヘレスポントゥス海峡・統治体制,階位職制:最高官,高官,顕官・

書記の読書記録#24「ローマ帝国衰亡史 2」

E.ギボン著(中野好夫訳)「ローマ帝国衰亡史 2」のレビューと読書記録 レビュー第2巻は,クラウディウス帝からコンスタンティヌス帝によるローマ再統一までと,初期キリスト教とローマ帝国の関係について。ギボンは,キリスト教の発生から国教として採用されるまでの過程を,ローマ帝国の衰亡を語るに避けて通れないものとしている。 読書記録# 1 p7〜112 ・アウレオルスの叛乱・クラウディウス帝,軍の改革・ゴート軍侵入,クラウディウス帝の勝利,病没・アウレリアヌス帝,,ゴート人との条

書記の読書記録#17「ローマ帝国衰亡史 1」

E.ギボン著(中野好夫訳)「ローマ帝国衰亡史 1」のレビューと読書記録まとめ。 レビュー18世紀イギリスの歴史家エドワード・ギボンによって,古代ローマ帝国の衰亡を記述した歴史書の古典大作である。現在となっては学術書としての権威は衰えたものの,読み物として純粋に楽しめるようになっている。全10巻。 読書記録# 1 p31〜123 ・2世紀のローマ帝国・アウグストゥス帝による拡大抑制策・例外:ブリタニア征服,ダキア征服・トラヤヌス帝の東方への遠征,ハドリアヌス帝は放棄・ローマ